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De Beers
2006年 12月 11日
昨日のストラテジーの授業でダイヤモンド流通業者デビアス(De Beers)のケースをやった。 デビアスは原産地からダイヤモンドを購入して加工業者に販売している仲介業者で、一時は世界のダイヤモンド流通量の80%以上を占めていたが、その後シェアを落とした。 その原因は極端な利益至上主義にあり、企業としての社会的責任(CSR)を全うしなかったからというもの。 独占(寡占)状態にある企業は他企業のシェアを奪って成長することが難しいため、市場全体のパイを拡大することに注力する。 だから、デビアスも世界のダイヤモンド需要を拡大するため、各国でキャンペーンを行った。 その成功例が日本でのキャンペーンであり、結婚に際してダイヤモンドを購入する日本のカップルが1967年は6%しかいなかったものの、1982年には65%にまで拡大し、現在では世界の販売額の15%を占める、アメリカに次ぐ第二位の巨大市場となった。(経済成長率で結構な割合の説明はつくかもしれないけど。) 僕も日本にいる頃、「ダイヤモンドは永遠の輝き」というデビアスのCMを見た記憶がある。 授業での議論は企業のCSRを問うシリアスなもので、ここで紹介してもあまり面白くないだろうから、なるほどと思った生徒の発言をご紹介。 「何で婚約指輪はダイヤモンドじゃなければならないのか?」という教授の質問に対する発言。 男の発言 Believe me. (俺の(ダイヤモンドを買うくらい)真剣な気持ちを分かってくれ) I can buy diamond. (俺には経済力があるんだぜ) 女の発言 Show me your money. (経済力があるところを見せてごらん) Insurance (ダイヤモンドほどの出費をしたら男は逃げないだろう) Complete me. (ダイヤモンドで私を女として完成させて) とまあ、他にも色々言っていたけど、これ以外は忘れてしまった。 また、「給料の3ヵ月分」というのは日本もアメリカも同じみたいで、「給料」が「グロス(額面)」か「ネット(税引後)」かという点では意見が分かれていた。 冷めている僕はこの手の「業者の販売戦略」が嫌いで、チョコレートを売りたい業者が仕掛けるバレンタイン・チョコの風習とか、販売を伸ばしたいデパート等が煽るクリスマス・プレゼント戦略とかに興味が無い。(←もらえない男のヒガミじゃないっすよ。いや、そうかな。。。) また、ダイヤモンドといえば「スイート10ダイヤモンド」なる言葉があったと思うけど、こういう言葉を作り出して物欲を駆り立てる戦略を見ると、ひねくれモノの僕は「乗せられてたまるか」と思ってしまう。 結婚するカップルならまだしも、「恋のから騒ぎ」に出ている女性が複数の男におねだりして高価な金品をもらったことを自慢し合っているのを見ると、「このバカ女が!」「どんな男が買ってるんだよ!」と思ってしまうのは僕だけだろうか。(テレビ用の誇張・嘘も少なくないと思うけど。) もちろん、企業の戦略としての有効性は分かるし、特に「みんな買ってるから」という雰囲気に影響されやすい日本の消費者に対してはこの戦略はとても効果があるだろうから、僕が業者だったら同じ事をするだろうけど・・・ まあ、そういうのに関係なくダイヤモンドが欲しいという人もいるだろうし、大きなお世話なんだけど、僕だったら旅行とか他のものにお金をかけたいな、と思う。 感じワル、と思われた方がいましたら申し訳ありません。。。
by nycyn
| 2006-12-11 10:41
| MBA
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