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本音と建前
2006年 06月 22日
アメリカ人と交流する中で、渡米前に持っていた「思ったことを自由に発言するアメリカ人」という先入観は違っていたかな、と最近思うようになってきた。
僕のクラスメートに関して言えば、彼らは面と向かって相手を非難することは絶対に無い。 明らかに不快感を感じているような場面でも、口からは"OK, Great..."みたいな言葉を発している。 例えば、スタディグループでミーティングをする時、事前に各人がやっておくべきことを一人だけやっていないと、その一人のためにグループ全体が迷惑を受ける。 日本人同士だったら、非難とまではいかなくても「何でやってこなかったの?」みたいな話くらいはすると思うけど、クラスメートは絶対に言わない。 さらに、「彼らは色々な人種・価値観に接しているからそういうのも許せるんだ」と思っていたけど、これも間違いじゃないかと思うようになってきた。 クラスメートと仲良くなるにつれ彼らの本音が聞けるようになってきて分かったことだけど、表面的には仲良くしていても、本人が目の前にいない時は結構陰口をたたいている。 なんだ、日本人と変わらないじゃん。 ここからは想像だけど、アメリカでは友達と友達以外への対応がかなり違う気がする。 友達同士では嫌な事は嫌とはっきり言って意見をぶつけ合うんだろうけど、友達には至らない同級生・同僚には上記のような対応をしているんじゃないかな。 アメリカではそれを「スマート」と言うのかもしれない。 さらに、日本だと「同僚≒友達」というケースも珍しくないけど、アメリカでは「同級生・同僚から友達になるまでの距離」が日本よりも長いような気がする。 僕も上記のような同級生の陰口が聞けるようになるまで、結構な時間がかかった。 まだ「友達」レベルには達していないのかもしれないけど。 本音と建前の使い分けは「階級」によっても違うと思う。 相手を選ばず思ったことをすぐに口にするようなアメリカ人も沢山いると思うけど、少なくとも僕が通っているビジネススクールにいるアメリカ人は絶対にそのようなことは無い。 日本人もそうだけど、結局アメリカ人も自分と似た価値観を持つ人が好きなんだな、ということが分かってきた。 アメリカの政治を見ていれば明らかなのかもしれないけど、実体験としてこれを認識できたのは新鮮だ。
by nycyn
| 2006-06-22 09:18
| 雑感
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