NewYorkScenery
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指標の意義

最近はあまり見なくなった日本語のフリーペーパーを久しぶりに見ていたら、ある広告に目がとまった。
「NYベスト1の北京ダック店」
確かこの広告は渡米した3年前からデザインが変わっていないなー、と思うと懐かしくなった。

ところで、「No.1」とか「Best」という表現を使った広告を見る機会は日本よりもNYの方が多い気がする。
うちの近所にも「The Best in the World」という看板を出している、殆ど客のいないホットドッグ屋がある。
まじめな日本人の中には「誰がNo.1だって決めたんだよ」とか「グルメ雑誌のランキングとかでNo.1になった店だけが使える表現じゃないの」と思う人もいるだろう。

このことについてアメリカ人に聞いたことがあるんだけど、彼の答えは「本人が世界一だと思っているんだからいいんだよ」とのこと。
「Zagat(レストランガイド)で1位」と書くとウソになるけど、「○○で」という対象を特定しない形での1位や、「一番おいしい」みたいに「一番」の判断が主観的なものである場合にはOKらしい。
そう言えば、リアリティ・ショーのApprentice(Season1)では、「コンビニで買った粉末のレモネードを水で溶いたもの」を街頭で売る時に「NYでNo.1」と宣伝していた。

でも、アメリカ人に比べれば控えめな日本人的には、何か客観的な指標で1位にでもならない限り、自分の店の広告に「No.1」と書く勇気のある人はあまりいないだろう。
そういう意味では、日本で「No.1」という広告を見ればそれなりの「意味」を持っているんだろうけど、アメリカの「No.1」や「Best」はあまり意味が無いんだと思う。


こういう「意味の無いNo.1」が氾濫していることが影響しているのかどうかは分からないけど、アメリカ人は「客観的な指標」をかなり重視しているような気がする。
今の大学では企業の役員などゲストスピーカーの話を聞く機会が頻繁にあるけど、最初の経歴紹介では「○○賞を受賞した」とか「大統領の経済チームの一員だった」みたいな部分をやたらと強調している気がする。
中でも「大統領の」というのは特に重要らしく、「President ... of the United ... States」と普段は早口なくせに、この部分だけはやたらとタメて発音している。
僕が参加しなかったゲストスピーカーの講演について他の生徒に聞いても、スピーカーについての印象で最初に出てくる言葉はこういう客観的指標であることが多い。

これには移民国家の多様性が関連しているのかもしれない。
人種・環境・教育・思想など似通った部分の多い日本と比べると、多様性の国アメリカではお互いを理解するのが難しいので、誰もが理解できる客観的指標の位置づけが日本よりも高いのでは。
考えすぎかな。。。


一方、この客観的指標にも「ランク」があって、前述の「大統領・・・」のように誰もが理解できるような指標から「何だそれ?」みたいなものまで色々ある。

例えば格闘技の試合では、聞いたことも無いような団体のチャンピオンがゴロゴロいて、ヘタすると出場選手全員が何らかのチャンピオンなんじゃないかと思うことすらある。
格闘技好きな人なら「WBAチャンピオン」(いわゆる世界チャンピオン)と「XYZチャンピオン」(存在自体が怪しい団体のチャンピオン)の違いは分かるけど、格闘技に興味が無い人にとってはどっちがすごいのか分からないだろう。
「XYZチャンピオン」と名乗る人の狙いはそこにある。

日本でもアメリカでも「ダイエット効果No.1」とか「○万人が認めた効果」みたいな広告に釣られて大金を騙し取られたり体を壊す人がいるみたいだけど、こういう人たちは「XYZチャンピオン」のインチキ臭さを理解できない人と同じだと思う。
美容整形、健康食品、金融商品・・・自分が理解できないものには手をださない、或いは理解できる人の知識を借りる、という防衛手段を取らないと、「あの選手はXYZチャンピオンだから強いはず」と信じてしまうことになる。
あるある大事典を見て納豆をドカ食いした人は要注意ですよ。

更に言えば、「格安」とか「好評」といった「検証が難しい曖昧な言葉」も同じこと。
前述の略歴紹介の例で言えば、「優秀な成績で卒業」とか「上位入賞」、「チームで重要な役割を担った」といった言葉はポジティブな印象を与えるかもしれないけど、下線部分の解釈の幅はかなり広い。
「全国大会3位」とか「リーダーを務めた」という具体的な表現を避けている時点でそれ未満のものであることは間違いなく、ひょっとしたら「上位=10人中の5位」とか「重要な役割=ただメンバーに名を連ねただけ」かもしれない。
この点はビジネススクールに提出した履歴書・エッセイを書く時にかなり神経を使ったので、その後はこういう表現を見ると「具体的に書くほどのモノは何も無いのね」と冷めた目で見るようになった。


ということで、客観的指標の無いNo.1はもちろんのこと、客観的なNo.1の中にも意味の無いものが含まれているので、表面的な指標に惑わされず本質を見極める目を養わなくてはいけないね。
なんて言いながら、「NYベスト1の北京ダック店」に一度は行ってみようと思っている。(ハズレてもダウンサイドは小さいからw)


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# by nycyn | 2007-04-10 12:49 | 雑感
フラワーショー

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# by nycyn | 2007-04-08 11:00 | NYライフ
日本って・・・

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先日アルゼンチンに授業で行ったと書いたけど、この授業は4ヵ国の中から行き先を選べ、多くのアメリカ人生徒は中国に行っていた。
彼らの中には「初めてのアジア」という人も多く、せっかくの機会なので授業の前後に香港や日本に行った人も結構いたらしい。

日本に行った奴らは僕のところに近寄ってきて、日本の感想を話したり質問したりしてきた。
以下、彼らの発言。


空港がきれい、街がきれい、タクシーがきれい、コンビニがきれい・・・
→とにかくきれいに見えるらしい。

空港が都心から遠い。
→仰る通り、何とかならんもんか。

六本木、渋谷、新宿、浅草・・・に行った。で、お前は東京のどこ出身?
→数箇所行っただけで東京通になった気分になるやつ多数。

グランドハイアットはすばらしい。周辺もビバリーヒルズみたいだった。
→泊まったことが無いから分からん。

タクシーが高い。数ブロック乗っただけで11ドルかかった。
→その通りだけど、日本の話をしていてもお金の勘定はドルなのね。

築地で寿司を食べた。あんなに旨いものを毎日食べているのか?
→日本に関する知識が未だにこの程度の人もたまにいる。

マスクをした人が沢山がいたけど、そんなに大気汚染がひどいのか?
→花粉対策だよ、と教えてあげると、みんな不思議そうな顔をする。(マスクで花粉をブロックするという発想が分からないらしい。)

携帯電話を使って職場から家にいる犬にエサを与えているテレビ番組を見た。あれはアメリカでも出来るのか?
→知らんよ。

中国よりは日本の方が英語が通じた。
→そうなのか?と思って詳しく聞いたら、「タクシーで目的地まで行けたから(中国では無理だった)」とのこと。


他にも色々言っていたけど、忘れてしまった。
なお、日本の印象は全般的に肯定的なものが多く、聞いていて嬉しくなった。


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# by nycyn | 2007-04-06 10:01 | MBA
新年度

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僕は小学校の時に3回転校し、4つの小学校に通った。
転校した経験のある人は分かると思うけど、既に友人関係が出来上がっている数十人の集団の中に一人で入っていくのはそれなりに大変だ。

登校初日の朝、先生に連れられて教室へ行き、みんなの前で挨拶する。
何を話したかは全く覚えていないけど、たぶん緊張していたんだろう。
席について普通に授業が始まるけど、落ち着かないので授業なんか聞いちゃいない。

休み時間になるとクラスの数人が近寄ってきて、色々と話しかけてくれる。
どこから来た、家はどこだ、野球はやるか・・・
中にはその日のうちに遊びに行こうと誘ってくる人もいた。

3回も転校を経験すると、「転校直後の人間関係」と「1年後の人間関係」にある程度のパターンがある事に気付く。
転校直後にとても親切にしてくれた人、必要以上に仲良くなろうとしてきた人、自慢話ばかりする人、調子はいいけど信用できない人、最初は全く話さなかったのにあるきっかけで仲良くなった人・・・
色々な人がいたけど、僕が最終的にどういう人と仲良くなったのか、嫌いだった人の転校直後の態度はどうだったかを考えると、どこの学校でも似たような答えにたどり着く。

公立の学校にしか通ったことが無いから、そこにいる生徒はお坊ちゃん・お嬢ちゃんばかりな訳も無く、ガラの悪いのも沢山いた。(人のことは言えないけど・・)
初めて転校した学校では何度も喧嘩したし、しつこくいじめられた時もあったから、転校したことの無い大半の生徒はいいよな、と思ったこともあった。
でも、徐々に世渡りが上手くなったのか、「こいつは相手にしても仕方ない」と思った時はムキになってけんかすることも無くなったし、「こいつが言っている事ならちゃんと聞こう」と思ったり、面倒な時は「表面上だけ調子を合わせておこう」と思ったりもした。
嫌な小学生。。。
でも、「転校生である」という理由だけで受ける理不尽な攻撃をかわしつつ友達を作っていくためには、こうするしか無かったと思っている。
そして、その時に培った人を見る目がその後の人生で多少は役に立っているかな、と思うこともある。



新年度ということで、最近は新たにNYにやってきた人達を社内外で見かける。
新しく来た人、迎える人、それぞれを見ていると昔の転校の記憶がよみがえってくる。

僕は前述の経験があったせいか、人が人にどのように接するかに関して敏感な方だと思う。
大人になると小学生のような露骨な態度で人に接することは無くなるけど、周囲を見ていると大人の態度も基本的な部分は子供と変わらないんだな、と感じる。
翻って、新しくNYに来た人達が心地よく入って来られる雰囲気を自分は彼らに提供できているのだろうか・・・

NY生活も4年目に入りました。


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# by nycyn | 2007-04-04 12:00 | 雑感
ハゲタカ

NHKドラマ「ハゲタカ」をビデオで見た。
2ヵ月くらい前にフリーペーパーに広告が出ているのを偶然見つけて興味を持ち、その後金融系ブログでもちょくちょく目にしていたのでどうしても見たくなり、忙しいからやめようかとも思ったけどやはり見てしまった。

6話全部見終わっての印象は、とても面白かった。
もちろん人によってケチのつけどころは沢山あるんだろうけど、不特定多数の視聴者を対象としているという観点からはバランスが取れており、金融知識が無い人にも分かりやすく、金融関係者でも十分に楽しめると思う。
過去2年くらいの買収がらみのニュースを把握している人にとっては、「この登場人物はあの人をモデルにしているな」とか「この部分はこういう表現にしたか」といった楽しみ方もあると思う。
視聴率は1桁台後半で「低い」と言われているみたいだけど、金融というお堅い内容を考えれば結構高いのでは、とも思う。

前半では買収ファンドの「ハゲタカぶり」を強調しすぎじゃないか、と思ったけど、これはあまり馴染みのない人向けに分かりやくしただけであり、全体を通じて見るとバランスが取れていたように思う。
一方、日系金融機関の「ダメダメぶり」も容赦なく描かれていて、これも見ていて面白かった。
そういう意味では登場する会社・個人がニュートラルに描かれていて、製作者が視聴者を特定の方向に誘導しようという意図があまり感じられないのが良かったと思う。

ちょっと意外だったのは、メーカーの熟練工がハゲタカに対して「あんたらは何も造り出さないし何の価値も生んでいない」と言ったのに対し、「価値創造の手伝いをしているんだよ」とか言うのかと思ったら、「カネ(株)を持っていても最終的に企業はヒト次第」と言った部分。
この部分だけは、最近の株主中心の欧米型経営に向かう流れにクギを刺してやろうという意図があったのかもしれない。


脱線するけど、買収ファンド(ハゲタカ?)勤務のブロガーと先日飲んでいる時にもそんな話になって、僕が「会社が株主のものだとする議論はどうかと思う」と言ったら反対されてしまった。
明確な答えがある議論じゃないので人それぞれでいいと思うんだけど、よく思うのは、「株主の利益」という議論に出てくる「利益」の価値判断は誰がするのだろうか?
例えば、トヨタが持っているキャッシュを次の決算で全額株主に払い出したら「現在の」株主の利益は大いに満たされるだろうけど、それって株主の利益という議論で出てくる利益じゃないよね。(東京スタイルで株主である村上氏が似たような要求をした時は退けられた。)
企業を構成する従業員や地域社会も含めた概念での長期的な企業価値を向上させることが「株主の利益」につながるのであって、その過程で人員カットも時には必要だろうけど、この順序が逆になった議論を聞くと「おやっ」と思ってしまうのである。
もちろん、長期的視点といった便利な言葉で企業努力を先送りしているだけの企業があるのも事実だけど、それでも最近の「株主至上主義」みたいな議論は好きになれない。

だから、何が株主価値の向上につながるのかを判断するのはあくまで経営陣であり、それが嫌な株主は株を売ればいいだけの話。
或いは議決権の過半数を取得して自らが経営陣になってしまう方法もあるけど、あまり強引にやるとドラマでも出てきたように従業員がごっそり抜けてしまうというリスクも伴う。
こうした背景もあってか、日本に進出している欧米買収ファンドの中には「敵対的買収は絶対にやらない」と明言しているところも少なくない。

こうした日本的な企業文化を「未熟」だと表現する人もいるけど、僕はそうは思わない。
日本には日本独自のやりかたがあっていいと思うし、逆にこれまでの日本の経営がそのままでいいとも思わないので、色々と模索しながら何年・何十年かけて(あるいは永久に)議論していけばいいと思う。
尤も、僕の仕事的には逆の意見を持っていてもいいはずなんだけど。。。


・・・と話はそれたけど、「ハゲタカ」はそんな僕にもフェアに映るいいドラマだったと思う。

敢えてショーモナイ指摘をさせてもらえば、柴田恭平が演じる銀行員が40代前半という設定と、主人公のハゲタカの名前が「わしづ」という点くらいだろうか。
彼は後半で「鷲津ファンド」を立ち上げるんだけど、ネーミングとしてはちょっと・・・。

先日「インドの衝撃」というNHKのドキュメンタリーが面白かったと書いたけど、NHKは色々とゴタゴタがある割にいいモノ作るね。(偉そうですみません。)
アイドルが出ている(だけの中身の薄い)ドラマもいいけど、ハゲタカのようなドラマをもっと作っていって欲しいな。


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# by nycyn | 2007-04-01 13:40 | 雑感

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今日もいい天気だった。
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# by nycyn | 2007-03-29 12:41 | NYライフ
ぶらり散歩

先週末は引きこもる予定だったけど、日曜日はあまりの天気の良さに出かけてしまった。

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目的も無くぶらぶら歩いていたら、マディソン・スクエア・パークに到着。
公園に入ってすぐの芝生を見たらたくさんのリスがいて、カリカリと木の実をかじる音がそこらじゅうから聞こえてくる。
一眼レフを持っていったので、カメラでリスを追い回してみた。

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何するのかな、と思いきや・・

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えっ?(意味無くジャンプ)

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木の上にも

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木の中にも

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フェンス越しにピントを合わせる練習をしたかっただけ。。

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エサを要求?

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まぬけな目・・・


この公園には犬を遊ばせる場所もあり、囲いの中で30匹くらいの犬が走りまわっていた。

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巨大犬に恐る恐る・・

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やっぱ恐い

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何だよ、オイ・・
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# by nycyn | 2007-03-28 13:21 | NYライフ
格闘技は大丈夫か?

スポーツ報知にこんな記事があった。(以下は抜粋)

PRIDE身売り…UFCが十数億円で買収
総合格闘技イベントの「PRIDE」が、米最大の総合格闘技団体「UFC」に十数億円で買収されていたことが23日、複数の関係者の話で明らかになった。関係者によれば、会見ではUFCとPRIDEの「提携」が発表されるようだが、実質的にはUFCに完全に吸収されるという。DSEは事実上清算され、UFC直系の新会社が設立される見込みという。「PRIDE」の看板が消滅するかどうかは不明だが、4月8日の「PRIDE34」(さいたまスーパーアリーナ)がDSE主催の最後の興行になりそうだ。

格闘技の世界にも買収の波が来たのか?(記事の信憑性は不明)
渡米する前の日本は大晦日に格闘技を3番組も放送するなど格闘技が盛り上がっていた気がするんだけど、最近は下火になってきたのかな。

格闘技好きな日本の友達はPRIDEがスカパーでしか放送されなくなったので見られなかったり、見られたとしてもかなり時間がたってから誰かが録画したものを借りたりしているらしい。
でも、僕はNYにいるので放送から3日後くらいにはレンタルビデオ屋で借りて見る事が出来るし、ケーブルテレビのPPVで試合の数時間後に見る事も出来る(PPVは35ドルとバカ高いけど)。
何か変だよね、これ。

格闘技ファンとしては、PRIDEでもどこの団体でもいいから、あまりお金を払わずに面白い試合が見られるようにして欲しい。


同じスポーツ報知には「ヒョードルが米国の団体ボードッグと長期契約を結んだ」という記事もあった。
地下鉄のタイムズスクエア駅で数十メートルに亘ってポスター(下の写真、左がヒョードル)が貼られていて何だろうと思っていたら、そういうことだったのね。
記事には「ボードッグとの契約が24日明らかになった」と書いてあるけど、21日に撮った下の写真には既にボードッグ・ファイトの文字が。
日本のマスコミもおこぼれ記事を拾うだけじゃなくて、ちゃんと取材しようね。


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# by nycyn | 2007-03-26 08:51 | 雑感
引きこもりの予感

またまた忙しくなってきた。
日系企業の年度末に伴うバタバタもそうだけど、上司と同僚2名が入れ替わるので引継ぎやら何やら・・・。
おかげで、最近はゆっくりと昼食を取る時間がないし、送別会もちょくちょくあったりで夜もそこそこ忙しい。

大学の方も宿題やらプレゼンやらでやたらと作業が多い。
多くのビジネススクールは2年目になると余裕が出てくるらしく、西海岸の某校に通う知人は今学期2科目しか受講していないのに、僕の場合は相変わらず、というかむしろ忙しくなっている。
今学期からクラス毎にスタディグループが違うので、必然的にカンファレンスコール(電話会議)の回数も多い。

ということで、最近は飲み会かカンファレンスコールのどちらかがあり、何も無い日というのは殆ど無い。

そんな中、久しぶりに学校も何の予定も無い週末を迎えた。
ここで一気にスクールワークを加速させるぞ、と言いたいところだけど、昨日は遅くまで飲んでしまったので、早起きしてみたものの午前中は廃人状態。
いかんな・・・でも、昨日は楽しかったからいいや。


* * * * * * *

先月も書いた大学のスタディグループに関して。

一つ目は、あまりやる気の無い人が集まったEarnings Qualityのグループ。
これまで出された3つの宿題は全て僕一人でやって提出したんだけど、さすがにヤバイと思ったのか、他のメンバーが「申し訳ないから次の宿題は俺たちが責任を持って仕上げるよ」と言ってきた。
ほほー、やっとそういう気持ちを持ってくれたか。
なーんて、全く信用出来ないので、サンキューと言いながらも黙って準備しておこうとしている性格の悪い僕。
実際に彼らが宿題をやるかどうか、楽しみだ。


もう一つは、Private Equityのグループ。
このグループには「締切意識が強くてみんなを急かすんだけど自分はあまり動かない」女性がいる。
来週末には宿題に加えてプレゼンがあるため、1週間くらい前から毎日のように彼女からメールが届く。
数日前にカンファレンスコールをやった時は一部のメンバーが参加出来なかったことにご立腹で、不参加となったメンバーにきっちりと役割を果たしてもらおうと念押しのメールがしつこい。
一部のメンバーが彼女のメールに返信しないことにまたまたご立腹の彼女は、昨日こんなメールを送ってきた。

We have a project due in a week, and we had a call, I know that some of you were not be able to make it. However, we need to make sure our bases are covered, so if you are committed to this, please respond tomorrow, otherwise, I am going to shift roles and responsibilities for the project.

My intention is to ensure we have our bases covered, so please don't interpret this the wrong way. I expect everyone to acknowledge emails, and contribute to the project.

If I don't hear from you in the next 24 hours, I will reassign sections and assume you have transitioned teams.

来週プレゼンがあるのでカンファレンスコールをやったけど、一部のメンバーは参加できなかったよね。全員が各自の担当内容を理解したか確認する必要があるので、やる気があるなら(前に送った役割分担を連絡するメールに)明日までに返事して。じゃなければ、役割分担を見直すから。

(一部のメンバーがさぼらないように)私は各自の担当をはっきりさせたいの。私のメールに返事をしていない人のところにもメールは届いているはずだから、各自がプレゼンに貢献してくれるものだと思ってる。

もし24時間以内に返信が無かったら、その人は私たちのチームから抜けたものとして役割を見直すよ。

くどいなー。
でも、これくらいやらないと動かない奴がいるのも事実。
まあ、シカトしてたメンバーも24時間以内に返信してたから良かったのかも。


プレゼンに夢中のそんな彼女も宿題については一切触れようとせず、暗に他のメンバーがやることを期待しているんだけどね。
ここで僕が「宿題についても役割分担しようよ」とメールしたら、彼女は何と言うのだろうか。
なんて大人気ないことをするつもりは無いから、宿題はさっき終わらせましたよ。


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柱の陰からマイケルジャクソンが出てきそうだ・・
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# by nycyn | 2007-03-25 09:24 | NYライフ
サラダ5コ

うちの会社が入っているビルでは、ビルに名前を登録していないデリバリーの人が何か届けものをする時、セキュリティの観点からビルのスタッフが付き添うことになっている。
だから、ビルの中では「デリバリーの人+ビルスタッフ」というコンビを頻繁に見かける。

今日、エレベーターで1階から自分のフロアへ上がろうとしていたら、このコンビが同じエレベーターに乗り込んできた。
デリバリーの人はケータリングか何かの人で、ランチっぽいものを紙袋に入れていた。
ビルスタッフはポテトチップスを食べながら付き添っている。

以下、このコンビ(中米系のデリバリー、ビルスタッフの黒人おばちゃん)の会話。


ビル 「ランチを運んでいるの?」
デリ 「そうだよ」
ビル 「サラダばっかりじゃん」
デリ 「サンドイッチもあるよ」
ビル 「ランチなのにサラダだけかい?」
デリ 「サンドイッチもあるって!」
ビル 「ドレッシングが無いじゃん」
デリ 「あるよ」
ビル 「何ドレッシングだい?レモンか?」
デリ 「レモン?知らん・・・でもレモンじゃないよ」
ビル 「サラダが1・2・3・4・5コもあるよ!」
デリ 「うん・・・」
ビル 「Five Salad !?」
デリ 「・・・」
ビル 「Five Salad!」「Five Salad!」「ウェーヘッヘッヘ」「Five Salad!」


なごむわ~♪


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# by nycyn | 2007-03-23 09:33 | NYライフ
カメラとわたし

最近カメラについてメールやコメント欄でいくつか質問をいただいたので、カメラについてちょくちょく聞かれることを書いてみることにした。


1.写真歴

初めてカメラを買ったのは大学の時で、それ以前は使い捨てカメラを含めて写真を撮ったことは殆ど無かった。
当時、デジカメは存在していたけどそこまで普及していなかったので、買ったのは小さいだけが取柄のフィルムカメラ。
しかし、その後も旅行以外でこのカメラを使うことはなく、年にフィルム1~2本分を撮る程度しか使っていなかった。

初めてデジカメを買ったのは渡米直前で、CasioのExilimというこれまた小さいこと(だけ)が取柄のやつ。
NYは刺激的な風景が多いので写真を沢山撮るだろう、という気持ちで買ったものの、そもそも写真に興味があったわけではないので、渡米直後に少しと旅行の時くらいしか使っていなかった。

写真を沢山撮るようになったのはブログを始めた1年前から。
文章は大したものが書けないので写真でもあれば見てくれる人がいるかな、というのがブログに写真を載せ始めた動機。
ただ、それまで写真について考えたこともなかったのでどうやって撮ってよいものか分からず、テキトーに目に入ったものを沢山撮っていただけ。
その後、写真上手な方のブログを見始めたことから「その方がどういう意図を持ってこの写真を撮ったのか」を考えるようになり、自分で写真を撮る時も「どういう構図にしたら良いか」と考えるようになった。

ということで、人様に写真について語れる写真歴も技術もないので、あくまで素人の戯言だと思って参考にしていただければ。


2.コンパクトデジカメ

使っているのはパナソニックのFX01というやつで既に生産は終了しており、価格コムで見ると今は22000円程度で買えるらしい。
600万画素、手ブレ補正、液晶がきれい、という特徴の他、35mm判換算で28mmというコンパクトにしては広角のレンズが購入の決め手だった。
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このカメラは小さくて軽いので常にカバンかポケットに入れて持ち歩き、「おっ」と思うモノを見つける度に撮っている。
他のカメラと比べて特に目立った特長があるわけでは無いけど、逆に大きな不満があるわけでもないので、今のところは満足している。
ただ、CCDか何かにホコリが付着しているのか何なのか、ズームを使うと黒いシミのようなものが写ってしまい青空とかを撮ると目立つので、そこだけが現時点の不満材料。
ズームを使わなければ問題ないからいいんだけど。

画質は人によって好みが分かれるけど、イクシとかと比べると色は鮮やか、シャープネスは強めで、一般的に「素人ウケする」と言われている。
ブログに載せている写真も殆どはこのカメラで撮ったもので、こういう画質が好きな人がイクシを買うとがっかりするかもしれない。
写真ソフトを使えばある程度の修正は可能だけどね。

今は各メーカーが年に何回もモデルチェンジをして買い換えを促進しているけど、ブログに載せる写真は画質を落としているので600万画素でも1000万画素でも差は無い。
世間では画素数が多ければ多いほど良いという風潮がある気がするけど、A4サイズなど大きな紙に印刷したり大きな画面のパソコンで見たりしない限り1000万画素も必要ない。
だから、既に500万画素程度のデジカメを持っている人が「画素数の多いデジカメに買い換えればきれいな写真が撮れる」という理由(思い込み?)でデジカメを買い換えるのはあまり意味が無いと思う。
逆に、「今とは違う画質の写真を撮りたい」「広角で撮りたい」といった理由や、持っているデジカメが3年以上前のものだという人は買い換える意味があると思う。


3.デジタル一眼レフ

ブログには書いていなかったけど、実は2月中旬に一眼レフを購入した。
と言っても、忙しかったのと外が寒かったので2月は殆ど使っておらず、先日のアルゼンチンで初めて本格的に使った。
アルゼンチンのスライドショーに載せた写真のうち、半分くらいはこの一眼レフで撮ったもの。

買ったのはニコンのD80
もともとオタク体質な僕は、一眼レフ購入にあたって徹底的に調べまくった。
各社が出しているモデルの特徴を細かく把握、強み弱みを整理し、画像比較サイトで画質も細かくチェックしたし、大きな電気屋で各社のモデルを触って感触を確かめた。
その結果、歴史と信頼性、画質、拡張性、ホールド感の観点から総合的に最も優れていると思えたD80を購入。
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購入にあたって最後まで悩んだのが手ブレ補正機能の有無で、D80を含めたニコンの一眼レフには手ブレ補正が付いていない。
それでもD80にした理由は、一眼レフで夜景を撮る時などは三脚を使うだろうから手ブレ補正に頼る場面は少ないだろう、というもの。
しかしこの考え方は手ブレ補正機能があるコンパクトしか使ったことの無い人(←僕)ならではの甘い考え方で、コンパクトで写真を撮る時はシャッタースピードが1/8秒までなら三脚無しで撮れるのに、D80だと1/15秒のシャッタースピードでもブレることがある。
ということは、今まで三脚無しでも撮れていた薄暗い店内などで写真を撮るのは難しい。
やってしもうた、と思ったりもしたけど、一方でD80は感度(ISO)を高くしても画質の劣化が少なく、ISO1000程度の撮影なら肉眼で見る限り問題ないので、ブレないシャッタースピードになるまでISOを上げていけば余程暗い場所じゃない限り三脚無しでも撮れることに気がついた。(僕のコンパクトのISO1000の写真は見れたモンじゃない。)
ということで、手ブレ補正機能が付いているに越した事はないけど、付いていなくても高感度撮影の画質が良いカメラなら「ある程度」はカバーできると思う。


で、念願の一眼レフを手に入れたことできれいな写真が沢山撮れるようになったか、と言うと「Yes and No」(←仕事の相手がよく使うフレーズ)。
パソコンの画面(17インチ)いっぱいの大きさにして比べれば明らかに一眼レフの方が細部のキメが細かく、きれいに見える。
しかし、ブログに載せる大きさに写真を圧縮して比較するとほとんど差は無い、と言うか、多少の差はあるけど、どっちが良いと思うかは趣味の問題。
2/12以降、ちょくちょく一眼レフで撮影した写真をブログにアップしているけど誰からも突っ込まれていないので、恐らく殆どの人が気づかなかったんだろうし、この大きさの写真に限って言えばその程度の差なんだと思う。

↓どっちが一眼レフで撮った写真でしょう?(分かりにくくするために色を似せています笑)
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じゃあ一眼レフを買って不満かと言えばそんなことは無く、僕はかなり満足している。
いくつかポイントを挙げると、ピント合わせが細かくできる、背景をぼかしやすい、ズームが手動なので速い、コンパクトでは出来なかったシャッタースピード・F値・ISOなどの細かな設定により好みの写真が撮れる、など。
そして何よりも、「写真を撮っている」という感覚に浸れるのが嬉しい。
心配なのはどんどん欲が出てきていて、まだ完全に使いこなせていないにもかかわらず新しいレンズが欲しくなってきていること。
こだわりだすとキリが無いので、ほどほどにしようとは思っているけど。


なお、一般的に「一眼レフを買えばきれいな写真が撮れるようになる」と考えられていると思うけど、これはある程度は正しいと思う一方、過剰な期待をするとがっかりする結果になりかねない。(満足度=期待-実績)
前述の通り、コンパクトと一眼レフには画質に差があるけど、「ブログ用の写真」に限って言えば一眼レフを購入しても画質の差は「好みの差」程度でしか無い。
一眼レフは背景をぼかした写真を撮りやすいと言われているけど、コンパクトでもマクロ機能を使えば下の写真のようにある程度は可能だし、ピント合わせが細かく出来る一方でちょっとでもずれるとピンボケの写真になるので、動いているものを撮る時などは失敗しやすい。

↓コンパクトで撮影
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だからプロの人ならともかく、少なくとも僕のレベル程度の人が使うなら一眼レフの良さの多くは自己満足的なものであり、一眼レフを買うことで画質自体が「劇的に」改善するわけじゃない。
仮に一眼レフを買っても「オート」(細かな設定をカメラ任せにする)モードでしか使わないのであれば、一眼レフを買う意味はあまり無いと思う。

だからと言って「一眼レフは買うべきじゃない」なんてことを言うつもりはなく、一眼レフに対して過剰に期待してがっかりする人がいたら気の毒だな、と思うだけ。
逆に、コンパクトに比べてずっと大きい・重い・高いというデメリットを考慮しても、シャッタースピード・F値・ISOを調整して楽しみたい、レンズを交換して色々な写真を撮りたい、大きく印刷したい、という人は是非とも一眼レフを買うべきだと思う。
上にも書いた通り、僕も一眼レフを買って本当に良かったと思っている。


以上、使っているカメラの紹介でした。
会社や学校に行く時は一眼レフは持って行けないので今もコンパクトで撮影することが多いけど、時間を見つけて一眼レフで撮影する機会を増やしていきたいと思う。


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# by nycyn | 2007-03-21 13:15 | 雑感
フランス人

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木曜日の夜、翌日締切のEquity Marketsの宿題について話し合うため、スタディグループメンバーでカンファレンスコール(電話会議)をやっていた。
夜11時に開始し、宿題が難しかったので1時間くらいかかった。

そんな会議中、前半積極的に発言していたフランス人が途中から急におとなしくなった。
しばらくすると荒い鼻息が聞こえてきた。
そう、奴は会議の途中で寝やがったのだ。

以前もどこかに書いた気がするけど、このフランス人はとてもマイペースなのである。
かなりの確率で授業に遅れてくるし、授業中も「ええっ?」と思うような事を涼しい顔をして言う。

また、彼は授業中に立ち上がり、教室の後ろの壁にもたれかかって立ったまま授業を受けることがよくある。
座り疲れたのか、眠いから立って寝ないようにしているのかは分からないけど。
不思議なのは、教授も他の生徒も彼のそんな行動を全く気にしていないこと。
彼は立った状態で発言したりもするんだけど、教授も「Good question!」とか言っちゃって、教室の後ろで立っていることについては一切言及しない。
一度、隣に座っていた奴に「彼は何で立っているんだろうね?」と聞いたら「知らん」というそっけない返事が返ってきて、質問した僕が変な人みたいに思われてしまった。
奥が深いぞ、アメリカ。
日本で同じことをやったら何と言われるのだろうか・・・?


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もちろん、フランス人が彼みたいな人ばかりじゃないということは分かっているけど、彼以外のフランス人を知らないのでどうしても「フランス人って・・・」と思ってしまいがちである。
ところが先日、二人目のフランス人と知り合いになった。

アルゼンチンに向かう飛行機の中で現地の授業で議論するケースを読んでいたら、隣に座っている人が僕のケースブック表紙にある大学のロゴを見て話しかけてきた。
彼は同じ大学のフルタイムMBAに通うフランス人で、プライベートの旅行でアルゼンチンに行くとのこと。
飛行機には300人くらい乗っていたのに、すごい偶然。

プログラムは違うけど同じ大学なので共通の教授が多く、「あー、あの教授はねえ・・・」みたいな話をだらだらとしていた。
途中、フランス人ということで色々と聞いてみたくなり、前述のフランス人クラスメートと比較する観点からいくつか質問してみたら、彼らは同じフランス人でも全然違うキャラクターだった。
クラスメートの方は今でもフランスを愛していて食事への拘りも強いんだけど、隣になったフランス人の方は殆どアメリカ人化していて「フランス料理もいいけど時間がかかるのでアメリカンフードでOKだ、フランス人は保守的で頭が固いので好きじゃない、フランスに帰る予定は一切ない」と言い切っていた。


ということで、同じフランス人でも色々いるんだね、と改めて認識した。
当たり前なんだけど。

昨日、飛行機で隣になったフランス人に大学の廊下で2週間ぶりに再会して、そんなことを思い出した。


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# by nycyn | 2007-03-19 14:11 | MBA
積雪

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# by nycyn | 2007-03-17 10:50 | NYライフ
アルゼンチン(3)

前回の続き。
一応授業として行ったので、経済面についても書いてみる。


経済全般
20世紀前半に栄えたアルゼンチン経済だが、その後は若干の好不況を経験しつつも、基本的には下降トレンドを辿ることになる。
イギリスやアメリカによる投資により国家インフラが形成されたことは事実だが、国民の間には欧米都合による経済支配への反感が強まり、次第にナショナリズムを背景とした閉鎖的な経済へと移行していく。
これが国内産業の競争力を低下させることとなり、中央・地方政府の無計画な支出と相俟って、経済危機へとつながっていった。

80年代には過剰な貨幣発行により1000%を超えるインフレを経験、その後順調に経済を拡大させたが、90年代後半にはアジア危機の影響等により景気は後退し、通貨危機→預金流出→経済混乱から2001年には史上最大の公的債務支払停止(デフォルト、借金踏み倒しみたいなもの)を宣言し、アルゼンチン経済は混乱を極めた。
2002年にはマイナス10%のGDP成長率を記録するも、債務の元利払いから免除されたことやその後の商品価格上昇等の恩恵にあずかり、03年は逆に8.8%のプラス成長となるなど、見事?なV字回復を果たした。

税収が乏しいにもかかわらず支出の抑制を怠ってきたことが経済危機の根底にある。
現在は高い経済成長を続けているが、エネルギー需要の逼迫や脆弱な生産設備のため、生産性を向上させない限り高成長は長続きしないとの見方もある。
一方、周辺国と比べて教育レベルが高く天然資源に恵まれているため、正しい指導者の下で地道な基盤整備を行えば南米経済の中心となりうるポテンシャルがあるとのこと。(教授談)

なお、同国はデフォルトを宣言しておきながら、その後のIMFの干渉を嫌がって(デフォルト後の)債務を繰り上げ返済するなど、かなり身勝手な行動をとることがある。
デフォルトの交渉中も「全部返済しないより少しでも返ってきた方が良いだろう」と自分の立場を忘れて相手の足下を見るような図々しさがあり、交渉下手な日本が取引をするのは難しそうな気がする。


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地元企業を訪問して
最も印象に残ったのは同国最大の鉄鋼会社で、業績・設備・応対とも一流な感じがした。
中国の鉄鋼需要がアルゼンチンにまで波及しているらしく、中国特需で生産が急上昇しているとのこと。
同社は日本のNKK(現JFE)とも合弁会社を設立しているので合弁の理由を聞いたところ、「NKKはブランドネームと技術があって魅力的だが、ITシステム等は我々の方が優れていたので逆に教えてあげた。日本はオートメーション等が進んでいてハイテクに強い印象があるが、ITに関して何故あれほど幼稚なのか不思議だ。」と言っていた。

一方、スペイン系の銀行を訪問した際、彼らのリスク管理はかなりいいかげんで、資産と負債の管理(ALM)がちゃんと出来ていないんじゃないか、という印象を受けた。
国民の銀行口座保有率は50%程度しかなく(残りはイリーガルな口座)、ハイパーインフレを経験しているだけに人々は現預金保有を極力減らす傾向にあるため、この国で銀行業を営むのはかなり難しいな、とも思った。

複数の会社で「アルゼンチン人はチームワークを重んじる」と話していたけど、サッカーを見る限り「うそ~」という感じがしてならない。
あくまで周辺国と比較して、ということなのかもしれないけど。

複数の会社の敷地内に学校があり、企業がスポンサーとなって地元の子供を教育するシステムがあった。
例えばフォードでは自社工場で必要となる知識や技術を教え込み、将来の幹部候補として若いうちから育成している。
こうすることで優秀な人材を確保するとともに、長期的な成長に欠かせない地元との融和を図っているという点は感心した。

今回面会した人達は英語が出来て、それなりの教育を受けたんだろうな、という感じがした。
出てくる単語もビジネススクールで習うような単語が多く、恐らく彼らの多くはMBAホルダーじゃないかと思った。

全部で7社とミーティングを行ったけど、ちゃんとやっている会社とそうじゃない会社がはっきり分かれている感じ。
投資の観点からアルゼンチンを見た場合、個別企業ベースでは十分魅力のある会社があると思うけど、どんな会社でも多かれ少なかれカントリーリスクの影響を受けるので、最終的にはカントリーリスクをどう捉えるかという点に辿り着く気がする。


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前回書こうと思って忘れていたんだけど、海外におけるアメリカ人の振る舞いについて。
全員じゃないけど、アメリカ人は海外でも自分流を貫こうとする人が多い気がした。

例えば、朝授業に行く前にホテルのロビーで集合した時、一人がリンゴをかじりながらエレベーターから降りてきて、その次に来た奴は片手にパン、片手に飲むヨーグルトを持ってムシャムシャやりながら歩いてきた。
僕らのグループ以外で、高級ホテルの閑静なロビーで、そんな事をしている人はいない。
アメリカは食べることに対して積極的で、時にだらしなく見えることがあり、お菓子やフルーツを食べながらビジネスミーティングをやったりする事があるけど、こういうことはあまり海外ではやらない方がいいんじゃないかなと思った。

また、ある企業を訪問した時、応対してくれた人の英語があまり上手じゃなかった。
彼は我々の質問が聞き取れないことが何度かあり、その度に質問を聞き返すんだけど、質問した生徒はゆっくり・はっきり・正しい英語で話そうという気はさらさらなく、全く同じスピードでやや砕けた表現も使いながら同じ質問を繰り返しただけだった。
本来であれば訪問した我々が相手の言語に合わせるべきところ、相手がわざわざ苦手な言語で説明してくれているのである。
もう少し謙虚になってもいいんじゃないのかな。

イラクの問題などもあり、世界中で嫌われ者になりつつあるアメリカ。
世界経済がアメリカを中心に動いている今はアメリカを無視する人は少ないけど、アメリカ経済に陰りが見えてきたら・・・
80年代後半から90年代にかけて、アメリカが不況に苦しんだ時期はアメリカ人も世界各国のベストプラクティスを研究し、朝礼などの日本企業の文化を取り入れた企業もあったらしい。
そういう事態にでもならないと、彼らは謙虚になれないのかもしれない。
もちろん、そうじゃない人も沢山いるんだけどね。


以上、アルゼンチン報告はこれでおしまい。
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# by nycyn | 2007-03-15 12:45 | 旅行・出張
アルゼンチン(2)

アルゼンチンは日本から地理的に遠いこともあり、サッカーが強い、パンパ(大草原)がある、程度のことしか日本では知られていないと思う。
実際、僕も殆ど知識が無く、何となく危なそうな印象を持っていたが、滞在してみて印象が変わった部分も少なく無い。
ということで、アルゼンチンについて国の概要と見聞きした印象を書いてみる。


歴史
16世紀にスペインが南米を侵攻して以来、同国の植民地となった。
その後、現地に住み着いたスペイン人の中に独立意識が芽生え、1813年に独立。
独立後の政治的混乱を経た後、楽園を求めてイタリアを中心に多くの欧州人が移住し、多くの欧州文化が持ち込まれた。(現在の人種構成はイタリア系約35%、スペイン系約29%と欧州系の民族中心となっている。)
この時期、戦争需要等を背景に目覚しい経済成長を遂げ、20世紀前半には世界有数の先進国となる。
その後は軍政やクーデター等を繰り返す政治的に不安定な期間が続き、1982年のフォークランド紛争での敗戦をきっかけに、翌83年にようやく民主政権が誕生した。


街を歩いて
「南米のパリ」と呼ばれる通り西欧風の建物が多く、とてもきれいだった。
中心部は歴史的な建造物が多く歴史を感じさせる一方、好景気を背景に高層ビルがあちらこちらで建てられており、NYを思わせるような高層アパートもあった。

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路上でパフォーマンスをやっている人が多く、大勢の人が立ち止まって見ていた。

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なお、ブエノスアイレスは観光の目玉のようなものが沢山あるわけではなく、1日あれば一通り見てまわれてしまう。
なので、ブエノスアイレスを観光するなら中心部観光とサッカー観戦でそれぞれ1日あれば十分で、あとはイグアスの滝や内陸部のディープな街を観光するのが良いかもしれない。

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食事
アルゼンチンといえば肉、ということでステーキハウスが多く、またイタリア系住民が約35%を占めることから、イタリアンの店も多かった。
アメリカ人と一緒に食事に行けば当然ステーキを食べる回数が多くなり、普段はステーキなんか月1回も食べないのに、6回の夕食のうち4回肉を食べた。
すると胃が肉モードになったのか段々食べる量が多くなってきて、ここに永住したら太るかなと思った。
アルゼンチン人に負けずアメリカ人も肉好きで、同級生の女性が800グラムくらいある巨大ステーキを完食し、デザートまで食べていたのには驚いた。(しかも夜中の12時過ぎに。)


治安
ブエノスアイレスの中心部に限っていえば、極めて安全だった。
NYと同じく至る所に警官が立っており、これだけいれば犯罪も起きないだろうと思わせられる。
01年の経済危機以降、通貨切下げの影響もあって観光客が増加しているらしく、治安の向上で更なる観光客の増加を狙っているのかもしれない。

しかし、高級マンションが立ち並ぶ一方で物乞いをする子供がいたり、殆どのゴミ捨て場にはゴミの中から物を持ち去る人がいた。
また、中心部を離れたボカ地区などでは治安が悪いらしく、バスの中から見た地域ではトタン屋根を石で固定したような家が立ち並ぶ地域もあり、貧富の差がNY以上に大きいのではないかと思った。
02年の経済危機時には失業率が20%を超え、貧困層が集団となって企業や商店を襲う事件が多発していたらしいが、現在は殆ど見られなくなっている。


英語
空港やホテルを除き、街中ではスペイン以上に英語が通じなかった。
日本人なら誰でも知っていそうな単語でも通じないことが多く、レストランの注文ですら苦労した。
日本人は英語が分からない時にニヤニヤして気持ち悪い、みたいな話を聞いたことがあるけど、実はアメリカ人も似たようなもので、アメリカ人の同級生がレストランで注文が通じない時に引きつった笑いで困った顔をしていたのは面白かった。


物価
5年前までは1ドル=1ペソだったのが経済危機をきっかけに1ドル=3ペソ強となったため、外国人にとって物価はかなり安い。
例えば、「高級」レストランでも500グラムのステーキが35ペソ(約1400円)、市内を走る地下鉄は75センターボ(約30円)。

余談だけど、ホテルは300ペソ(約12000円)も出せば結構綺麗なところに泊まれるのに、大学側が用意したホテルは一泊900ペソ(約36000円)とアルゼンチンにしてはべらぼうに高い所だった。
こうした費用は授業料に含まれているので、こんな事をやっているから授業料が高いんだなと実感、自費だったら絶対にこんなホテルには泊まらないだろう。
因みに、僕の滞在中にベネズエラのチャベス大統領が同じホテルに滞在していた。(彼は反米デモで演説するために来訪したらしい・・・)

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ホテルに関連した話で、高級ホテルだけにサービスは行き届いているんだけど、バトラー(執事)が何度も「ご用はありませんか?」と部屋に来るのがウザかった。
部屋にいる時は「邪魔すんなよ」という札を外に出してブロックしていたんだけど、飲んで夜中に戻って来たらベッドサイドのテーブルに水とコップが置かれているのを見た時はスケジュールを把握されているようで気持ち悪くなり、その後は外出中も札を出したままにしておいた。


サッカー
言わずと知れたサッカー大国で、バスから見た郊外の路上や空き地ではサッカーをやっている子供を沢山見た。
今回はボカ・ジュニアーズ対サン・ロレンゾ戦を観戦。
この試合を見た印象では欧州サッカーよりもレベルは低く、組織の欧州、個人技の南米、などと言われるが、個人技もさほど高くない気がした。
タレントを全て海外に出してしまっているせいなのか、たまたま調子が悪かったのかは分からないけど。

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ボカの地元だけあってボカ側の応援がすさまじく、以前スペインで見た試合よりも応援が泥臭く、本当に地面が揺れている感じがした。
審判の地元びいきが露骨で笑っちゃうくらいボカ側の反則が見逃されていたけど、あの応援を見るとボカに不利な判定でもしようものなら審判は殺されるんじゃないか、とすら思った。
また、試合は0対3でボカの負けだったため、こいつらが暴れだしたりしないかと心配になった。
スタジアムの周辺はガラの悪そうな連中や野良犬がうろうろしていたので、混乱を避けるために試合終了の10分前くらいにはスタジアムを後にした。



以上、アルゼンチンについてのレポートでした。
他の写真はスライドショーでどうぞ。(昨日アップしたのと同じ)

思っていたよりも快適で安全、NYから直行便で10時間強(日本からだと24時間以上)なので、アメリカにいる方はブラジル等と組み合わせて一度は訪問することを検討してはいかがでしょう。


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# by nycyn | 2007-03-12 14:07 | 旅行・出張
アルゼンチン(1)

今日、戻りました。
既にお気づきの方も多いと思うけど、アルゼンチンのブエノスアイレスに滞在していた。

現地は思ったほど暑くはなく、滞在中の最高気温はたぶん34℃。
NYは最近マイナス10℃まで下がったと聞いていたので、気温差44℃はどんなもんかと心配(期待)していたんだけど、今日のNYはかなり暖かいので拍子抜け。

滞在の目的は大学の授業で、一週間強を約30人の同級生と共に過ごした。
数ヵ国の中から行き先を選べるんだけど、僕は「日本から一番遠くて中々行けない」という理由で迷わずにアルゼンチンを選択。
スケジュールは、午前中に地元の大学の教室を借りて南米マクロ経済の講義(教授は地元の人)、ランチタイムと午後は地元企業の人とディスカッションを行う、というもの。
単位(ハーフクレジット)が取得できるということで試験があるし、後日レポートを提出する必要もある。

とは言え、通常の授業に比べれば負荷は軽く、夜はほぼ毎日飲みに出かけていたので、勉強よりは遊びの要素が強い楽勝なコース。
ただ、昼間の時間は拘束されているので観光する時間が無く、写真を撮るのも難しい・・・
ということで、プログラムが始まる前日に現地入りし、一日だけ観光してきた。

感想めいたことは後日書くとして、今日は写真だけアップ。

ブエノスアイレスの写真(←音が出ます)

※後半の企業の写真は授業の一環で訪問した企業(工場)です。
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# by nycyn | 2007-03-11 13:49 | 旅行・出張

ここは肉が主食らしいので、ステーキを食べてきた。
セットメニューで大きさを選べず、出てきたのがこれ。


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分かりにくいけど、フォーク(メインディッシュ用)と比べるとその大きさが分かるかな。
500グラムあるらしく、これが標準サイズとのこと。
しかも、サラダやら何やらが5種類くらい出てきた後に。
仕方が無いから果敢に挑戦。


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・・・惨敗。
小食の僕にしては結構がんばったんだけど。
おかげで、後から強烈な胃もたれで苦しむことに。。。


ところで、以前関西に住んでいた時によく見たCMで、着物姿の鶴瓶が「いま、お肉呼ばれてきたの、お・に・く」というやつがあったんだけど、これって何のCMだったっけ・・・
焼肉かしゃぶしゃぶだったと思うんだけど。
思い出せなくて気持ち悪いので、ご存知の方がいらしたら教えてください。

(注)遊びに来たわけではありません。
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# by nycyn | 2007-03-07 12:09 | 旅行・出張
地鳴り

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これはやばい。
スタジアム全体が揺れていた、まじで。

(注)遊びに来たわけではありません。
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# by nycyn | 2007-03-06 10:06 | 旅行・出張
未知の国へ

とある事情で1週間ちょっと米国を離れることになった。
その国についてネットで調べてみたら、こんな情報が出てきた。

30%の国民は一日2ドル以下で生活している。
14歳以下の子どもたちのおよそ半数は貧困に直面している。
13~17歳の若い世代のコカイン使用が広がっている。
薬物を日常的に使用する若者の多くは8~9歳で使用し始めるケースが多い。
国内で10件のデング感染が報告された。
議会で野犬捕獲の規制条例が審議されている。
人身売買に懲罰を加える法規が存在しない。
市民は肥満を疾病の一つとして国家的な対策を立てることを要求している。
飲酒検査を行ったところ35~50%の運転手に酒気帯び・飲酒の反応が出た。
飛行機の遅延・時刻変更・キャンセルは全便の59%を占めている。
国内で使用されているソフトウェアの77%は違法コピーである。
首都では最高気温43.9度を記録した。
暑さが理由で電力需要が急増しエリアによっては完全に停電した。

エキサイティングな滞在になりそうだ。
時間があれば現地からブログを更新します。


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# by nycyn | 2007-03-02 21:30 | 旅行・出張
統計

もうすぐブログを始めてから1年になる。
のらりくらりとテキトーな事を書いてきたけど、1年弱でどれくらいのエントリーを書いたのかと思って管理画面を開いたら、過去の記事数やコメント数を確認できることが分かった。
それらを集計した結果がこれ。

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うーん、「で、なに?」って感じだな。(せっかく作ったのに・・・)
分かるのは、最近はサボり気味ってことくらいか。
月別の閲覧者数を加えれば面白いんだろうけど、そんなデータは1年分も取れない。

10月はそれなりに読者の興味を引く記事を書いたけど、12月は独りよがりの記事が多かった、と解釈することができるかも。
まあ、「コメント来ないだろうな」と思いながら書いていることも多いんだけどね。


エントリー数とコメント数はある程度比例している気がするので、計算してみた。
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相関係数は0.18・・・かろうじてプラスかよ。
開始当初は殆どコメントが無かったのが原因だな。


月平均で18件前後のエントリーを書き、58件くらいのコメント(半分は僕のコメント)があるってことが分かっただけでいいや。
コメントをくださった皆さま、ありがとうございます。


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# by nycyn | 2007-03-01 13:05 | その他
風邪が治らない人は・・・

10日ほど前に風邪をひいたとブログに書いたけど、今回はよくあるウィルス性の風邪ではなく細菌感染だったらしい。
最近は風邪がなかなか治らないという話をちょくちょく聞くので、ご参考までに今回の経緯を。

風邪をひいて病院に行くことはこれまで殆ど無かったけど、今回は頭痛がしつこいので、先週NYに来てから初めて病院に行ってみた。
フィリピン人っぽい医者に説明した内容はこんな感じ。
・5日前に寒気とだるさを感じた。
・4日前に熱が39℃近くまで上がった。
・熱は1日で下がったが頭痛が残る、鼻水少々。
・頭痛にはイブプロフェンが全く効かない。

一通りの問診・検診が終わった後、先生は確かこんな感じのことを言っていた。
・ウィルス感染の場合は数日で症状が良くなるはずなので、ウィルスが原因とは考えにくい。
・(鼻の中を器具を使って見て)鼻の内側が炎症を起こしているので、頭痛の原因は偏頭痛などではない。
・恐らくバクテリア(細菌)が原因で鼻の奥にCongestion(充血)があり、それが頭痛を引き起こしている。
・だとすると抗生物質を飲まないと治らないので、とりあえず5日間飲んでみて改善しなかったらすぐに連絡して欲しい。
「鼻の奥にCongestionがある」という状況がいまいちイメージできなかったけど、処方された抗生物質を薬局で買って飲んでみたら、翌日には頭痛は消えていた。
いくらイブプロフェンを飲んでも治らないわけだ。
だから、普通の風邪薬や頭痛薬を飲んでも体調が良くならない人は病院に相談した方がいいかもしれない。


ところで、僕が診てもらった先生の説明は非常に丁寧で理路整然としていた。
自分の診察はあくまで推測であることを強調し、患者である僕が納得するまで丁寧に説明してくれた。
訴訟社会のアメリカだから当然と言ってしまえばそれまでかもしれないけど、ふんぞり返った感のある医者が多い日本では珍しいタイプの医者じゃないかな、と思った。
まあ、それだけ治療費も高いんだろうけど。(保険の明細が届いてないので金額は不明。)

また、抗生物質の処方についても、「ウィルス性の風邪ではない」と診断した根拠を詳細に説明し、安易に抗生物質を処方しているわけじゃないんだよ、ということが良く伝わってきた。
日本には風邪の患者全員に抗生物質を処方する医者も結構いるみたいだけど、巷でよく言われている通り、抗生物質はウィルス性の風邪には有効じゃないだけではなく、耐性菌という恐ろしい細菌を生み出すことにもつながるので、避けた方がいいらしい。

まあ、NYの医者は彼女しか知らないので、これを一般化するつもりは無いけど、


以下、あるサイトに書かれていた内容を抜粋。(サイトの後半はセールストークになっているので信憑性は不明。)
日本では、風邪やインフルエンザなどウイルス感染は抗生物質で治ると誤解している人が大変多いのです。
風邪やインフルエンザのウイルスに、抗生物質が効くと思うようになった原因は、今まで日本の医師は、風邪を引くと多くの人が、それに引き続いて細菌(バイキン)感染を起こしやすいと誤った考えから、抗生物質を処方していたからです。

抗生物質は、細胞膜を持っている細菌(バイキン)に働く薬剤です。
一方、風邪やインフルエンザの原因であるウイルスは細胞膜を持っていないので、抗生物質(薬剤)では、小さなウイルスを死滅させることができないのです。

米国の感染症学界では以前から、「健常人に発症したウイルス感染には抗生物質を使うべきでない」とはっきりガイドラインで示しているが、日本では2005年にやっと、学会や国が「風邪やインフルエンザに抗生物質は無効、細菌性二次感染の予防目的の投与も必要ない。」と指針を出している。

ところが、今も、風邪やインフルエンザに掛かると「抗生物質のおかげで風邪の治りが早かった」と誤解して抗生物質を欲しがる人も多く、医師は患者を手ぶらで帰すわけにはいかず抗生物質を処方するといった事が多いのです。
実際、全国の開業医を対象に処方実態を調べた結果、抗生物質を「ほぼ全員」に処方するとした医師は30%、「患者2人に1人」が32%、「ほとんど処方しない」は4%に過ぎなかったということです。

ということで、抗生物質を飲む際は良く考えて、耐性菌の出現を少しでも抑制しましょう。


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# by nycyn | 2007-02-28 13:01 | NYライフ
もうすぐサマータイム

今年から新しい法律が施行され、3月第2日曜日からサマータイム(Daylight Saving Time)が始まる。
ってことは、3月11日から・・・もうすぐだ。
別に僕の生活に大きな影響を与えるわけじゃないからいいんだけど、ちょっと開始が早すぎる感じがしなくもない。

今年から開始時期が変更になることは多くのシステムを使う会社にとって結構大きな問題らしく、個人ベースでも自動的にサマータイムを認識するパソコンなどは設定を変更しないといけないらしい。
実際、僕のOutlookスケジューラーは3月11日以降の予定が1時間ずれていることが判明。
その他、詳しくはコチラ


日が出ている時間帯を有効に使おうというサマータイムは基本的に好きなんだけど、一つだけ嫌なのが日本との電話会議。
例えば、東京で午前10時にスタートする電話会議の場合、NYは冬時間だと午後8時スタート、夏時間だと午後9時スタート。
だから、東京と電話するために会社に残る場合、夏時間の方が1時間遅くなるのである。
それぐらいいいじゃん、と思うかもしれないけど、早く帰って勉強しなきゃいけない身としてはこの1時間の差は結構大きい。

ということで、米国にいる皆さまはサマータイムに向けて準備をしましょう。


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今日はサマータイムという言葉の響きからは程遠いどんよりした天気。
3年前に渡米した日もちょうどこんな天気で、こういう天気のことを「dark and dreary」と表現するんだよ、と当時教えてもらったのを覚えている。
そんなdark and drearyな一日だったので、またしても引きこもってしまった。


因みに現在、外はこんなことになっとります。

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# by nycyn | 2007-02-26 10:44 | NYライフ
いちご

東京鋼鐵の臨時株主総会で同社が大阪製鉄の傘下入りする議案が否決された。
仕事上は日本のニュースをチェックする必要があまり無いこともあって既に否決されたとは知らず、今日のウォールストリートジャーナルを読んで初めて気が付いた。

ご存知ない方のために簡単に経緯を説明すると、東京鋼鐵は大阪製鉄の完全子会社となることを発表していたが、同社が子会社となる際に既存株主に対して支払う対価(株式交換比率)が実態より安すぎるということでクレームがつき、2/22の株主総会でその是非を問う投票が行われた結果、買収決議に必要な票数を集められなかったというもの。
これまで日本では会社側が提案する議案を株主が黙認するケースが多かったが、今回は米国人であるキャロン氏率いる投資会社が会社提案に対して否決するよう既存株主に呼びかけ、その甲斐あって今回の否決につながった。

ウォールストリートジャーナルでは「アメリカ人の勝利」という見出しでこの件を紹介し、本件の経緯や日本経済界の非効率性、買収阻止の主役キャロン氏についても詳しく述べていて面白い。(記事は一番下)
東京鋼鐵には三井物産という大株主が存在するが、今回は多くの個人株主がキャロン氏の主導のもと否決側にまわったため、これまで発言力の弱かった個人株主が今後は経営に影響を与えるようになり、会社側も個人株主を重視した経営を行う必要に迫られると、している。

記事では簡単にしか触れられていないが、株式交換比率の算定にあたっては東京鋼鐵が三菱UFJ証券を使っており、買収者である大阪製鉄のメインバンクが三菱東京UFJ銀行であることを考慮すれば、同証券が独立した第三者であるとは見做しにくいとキャロン氏は指摘している。
また、記事によれば会社間で合意した買収を株主が阻止した例は過去に無いらしいから、買収を検討している経営者には大きなプレッシャーとなるだろう。

ということで、この記事は良くまとまっていると思うので、興味がある方は是非読んでみてください。(写真はNikkei Netから)

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このキャロン氏率いる投資会社の名前は「いちごアセットマネジメント」(いちごAM)、同社が運用するファンド名は「イチゴジャパンファンドエー」(いちごファンド)と、何ともかわいい。
因みに、「いちご」とは「苺」ではなく「一期一会」が由来とのこと。
以前、恋愛ゲーム「ときめきメモリアル」からの収益を収入源としたSPC「ときめきカンパニー」というのがあって、それと同じような部類の会社かと最初は思ったけど、どうやら違うらしい。

この記事を見ていたら何故かいちごAMにハマッてしまい仕事そっちのけで色々調べていたら、文芸春秋に掲載されたキャロン氏の記事が出てきた。
彼は幼少期に3年ほど日本に住んでいたのをはじめ、インターンや大学院生としても日本に在住し、通算17年間日本に住んでいる。
いちごAMを設立する前は日本のモルスタで働いていたので、僕の友人で彼を知っている人がいるかもしれない。

彼の記事の中でちょっと面白かった部分をご紹介。

社会全体で常にエクセレンスをめざす。自分たちは気がついていないかもしれませんが、これはとても明白な素晴らしい利点です。そして、日本社会の最大の強みは、「一般人」です。日本には世界一の「一般人」がいますよ。米国のエリート教育はすごいと思いますが、エリートは一部の人間だけです。日本には優れた一般の人々が大勢いて、いつだって一生懸命。日本は健全な社会だと実感します。米国は貧富の差が激しいですから、それこそ健康保険にも加入していないような人々がたくさんいます。日本には最低保障、セイフティーネットがあります。豊かな社会なのです。
最近日本では格差が云々という話をよくしているみたいだけど、やはり物事は一長一短だなと再認識させられる。
日本の社会主義的な側面は国家成長の阻害要因になっていると思うけど、資本主義社会には上記のような負の側面があるのも事実。

世界一の一般人がいる総中流社会の日本と、ゲイツやジョブズやペイジやブリンを輩出する格差社会のアメリカ、結局は着目するポイントによって良し悪しの判断が分かれるので、永遠に議論されるテーマなのかもしれない。
なお、格差を悪者扱いしている人達が永田町に沢山いるらしいけど、努力が報われにくい総中流社会では優秀な人(青色発光ダイオードの中村教授など)ほど国外へ脱出するインセンティブが働く、言い換えれば中途半端な人だけが国内に残る可能性がある、ということを忘れないで欲しい。


一方、彼はこんなことも述べている。

これからは、労働力不足と高齢化が問題になってきますね。どうしたら豊かな社会を維持できるかと考えると、やはりリスクテイクするべきだと思います。これまでの「ロー・リスク、ロー・リターン」ではなく、これからは「ミディアム・リスク、ミディアム・リターン」ぐらいをめざす。それが二極化現象のバランスを取り、階級社会を免れるキーになると思います。そして、リスクを負うことができる人たちを「よくやった」と評価できる社会にならなければいけない。そうすれば、日本の未来は明るいと思います。
なんだ、そんな彼も日本は格差社会になると確信し、格差の中で勝ち組になることを推奨しているわけね。
字面通りに読むと「全員がミディアムリスクを取って全員が勝ち組に」となるんだろうけど、そんなことが不可能なのは彼も分かっているはず。
だから、リスク・リターンの前に敢えて「ミディアム」とつけたのは、米国のような極端な格差社会になって欲しくないな、という願望だろうか。
うん、この部分に関しては僕も賛成。


この部分は爆笑してしまった。

こんなこと言っていいのかわかりませんが、日本人はルール好きだと思うことがあります。私の知人でお坊さんになった米国人が、ある時、近所の区営プールに行きました。お坊さんですから彼の頭はツルツル頭。それなのに受付で「帽子は?」と呼び止められました。そのプールでは、スイミングキャップを着用しなくてはならないというルールがあったからです。でも、キャップをするのは、そもそも何のためなのかということですよね。とにかく「ルールだから駄目」と言われびっくりしたそうです。
ははは、おっしゃる通りでございます。
ルールの運用に遊びが無い、各人が状況に応じて判断できない・・・前者については多少の良い面もあるとは思うけど、こうやって書かれると日本人として恥ずかしい感じがする。
以前に宗教のところでも書いた「原理原則(判断の軸)が無い」という歴史的背景も影響しているんだろうな。

先日、とある手続きのために日本企業に電話した時、応対してくれた若い女性の柔軟性の無さに失望した。
僕は海外から特殊な手続きをしようとしているにもかかわらず、こちらの説明もロクに聞かずに日本国内顧客向けのマニュアル通りの説明を繰り返すだけ。
僕が何度も「海外に住んでいる」と言っているにもかかわらず、その女性は「そのような場合は店頭にお越しいただいて・・・」って何だよ!

大丈夫か、ニッポン。


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WSJの記事
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# by nycyn | 2007-02-24 14:54 | 雑感
Zipcar

f0081958_1119372.jpg先日、プライベートエクイティの授業でZipcarのケースを扱った。

Zipcarとは会員が車をシェアするという発想で、特定の場所に停めてある車(Zipcar)を予約して、利用した時間又は走った距離分だけ料金を払うというシステム。(1時間10ドルなど)
レンタカーはオフィスに行かないと車を借りられないけど、Zipcarは街の色々な場所に停められているので、自宅から最も近い場所にあるZipcarを予約できる。
マンハッタンだけでも数百台のZipcarがあり、街を歩いているとZipcarのロゴをつけた車をちょくちょく目にする。


Zipcarは2000年に二人の女性、チェイスとダニエルソンによって設立された。
チェイスはMITでMBAを取得、コンサルティング会社等で働いたキャリアを持ち、ビジネスプランを描くのが得意。
一方、ダニエルソンは地球化学の博士号を持ち環境問題に取り組む一方、自動車修理工場で働いた事もある異例のキャリアの持ち主。
この二人が上手に役割分担をして、事業設立にこぎつけた。

Zipcarのコンセプトは、「便利」「低料金」「環境にやさしい」というもの。
自宅近くにある車を利用できることで便利さを提供し、毎日は車に乗らない都市部の人に車を所有するコストを低減させ、車の台数を減らして環境問題に取り組むことを狙っている。

問題は、どうやって車を管理するか。
タイヤの上に鍵を置いて・・・なんてことをやっていたらすぐに車を盗まれてしまうので、この問題の解決に最も時間と資金をつぎ込んだ。
そして考案されたのが、車の中にデータ転送システムを導入するというもの。
Zipcarの会員は会員カードを持っており、予約した時間になると本部から予約した車に予約情報が転送され、予約した時間に予約した人のカードにだけ反応してドアロックやエンジンが作動する仕組み。
その他、利用開始・終了時間や走行距離、ガソリン残量に関するデータも本部に転送されるので、係員がZipcarを停めてある現場に行かなくても遠隔操作で車を管理できる仕組みになっている。
また、このシステムについては特許を取得して真似されないようにしている。

しかし、事業開始段階で資金調達に苦労し、二人の創業者は無給で働き続けた。
二人とも子育てをしながら起業に専念し、自己資金で当面の資金を工面する一方、徹底的なコストカットで資金提供者が現れるのを待った。
資金調達のネックとなったのは、ヨーロッパでは普及しているカーシェアリングのコンセプトがアメリカでは定着していないことに加え、二人の創業者に起業経験・マネジメント経験が無かったこと。
それでも、ボストンにて12台のZipcarとともに事業を開始して着実に会員を増やしていくのだが、会員数は僅か420人。
今後、ボストンでの事業拡大に成功したら、今後は他の都市部でも同事業を展開することを計画する。

* * * * * * *

このケースをクラスで扱う際は生徒がベンチャーキャピタリストの視点でZipcar事業の将来性を分析し、資金提供を行うかどうかを議論する。
但し、このケースは2002年に書かれたものであり、前述の通りNYでもZipcarのロゴをつけた車が走っているのを目にするので、事業として成功したことは既に分かっている。
なので、あくまでケースが書かれた時点で判断したと仮定して議論することになる。

とは言え、実際この事業は成功しているので殆どの人は資金提供を行うと発言するかと思いきや、ほぼ全員が資金提供しないとの意見だった。
その理由は、Zipcarがターゲットとしている「週に1回程度しか車を使わない人」が非常に少ないこと(アメリカは車社会)、思いつきで車を使いたい時にすぐ使えない(不便)、といったもの。
だから、ボストンで会員数を伸ばしているとは言っても数百人のレベルであり事業採算が取れるまでには成長しない、ということだった。

しかし、Zipcarの事業は固定費が非常に少なく、規模を拡大して固定費を薄める必要性が低いため、車12台でスタートした段階で車1台当たりの収益性は僅かなマイナス、同じマージンを確保したまま20台を超えればプラスになるという収益性の高い事業だった。
したがって、むやみに事業を拡大することなく、事業採算の取れる地域だけで慎重に拡大して行けば、確実に儲かる事業なのである。
つまり、ケースの付録として付いているデータを細かく分析しないとダメよ、ということを示唆しているとも言える。(←僕は面倒だからやらなかった。。。)

その後、この会社はニューヨーク、サンフランシスコ、ワシントンDC、シカゴ、トロント、ロンドンにて事業を展開し、今後も他地域での事業拡大を計画しているらしい。
また、設立当初に二人の創業者のマネジメントスキルを疑問視する声があったことから、この二人は数年後にリタイアし、現在は外部からやってきた社長が会社を運営している。
創業者が早々と会社を去ってしまうのは寂しい気もするが、創業者はアイディアを形にして事業を軌道に乗せ、その後の事業拡大はその道のプロに任せるという考え方はアメリカらしく、創業者が何年・何十年も居座ることが多い日本企業とは異なるのである。

* * * * * * *

僕は普段殆ど車に乗らないから、年会費を考慮するとレンタカーの方が安くなりそうなので使ったことは無いけど、コンセプトとしてはいいな、と思う。
まだ利用している人は少ないんだろうけど、今後は環境問題への意識の高まりもあって、徐々に顧客が拡大していくかもしれない。

一方、日本人は車の利用頻度にかかわらず車を「所有」することに重点を置く人が多いので、カーリースがあまり普及しないのと同じ理由で多分流行らないだろうな。
そういう僕も日本にいる頃は週に1回くらいしか乗らないのに排気量3000ccのスポーツカーに乗り、駐車場代や税金などかなりの維持費を払っていたけど、今から思えば無駄だったなーと思う。

車を持たない生活を始めて3年がたったせいか、日本に帰国しても車なんか不要なんじゃないか、と思うこともたまにある。
でも、今は交通の便が良い場所に住んでいるからいいけど、日本だとそうもいかないだろうから、結局買っちゃうんだろうな。


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# by nycyn | 2007-02-23 11:34 | MBA
インド

この週末は風邪でダウンしていたので、時間つぶしに日系ビデオ屋で借りたビデオを見たりしていた。
その中に、1月末にNHKで放送された「インドの衝撃」というのがあった。

インドの経済成長については今に始まったことじゃないし、メディアでの紹介や本も沢山出ているけど、映像で見ると改めて「すげーなー」と思ってしまう。
やはりドキュメンタリーを作らせたら民法よりNHKの方が上手かも。

この番組は①頭脳パワー、②消費、③政治、の3回に分けられていて、僕は①と②しか見なかったけど、十分に楽しむことが出来た。

①の頭脳パワーではインドの教育方針を紹介。
例えば、小学校では九九のような暗記に加えて徹底的な暗算の訓練をしたり、「333×333」と「33333×33333」の二つの式から得られる答えに一定の法則があることを教えた後、他の計算式にも何か法則がないかを生徒自身に考えさせたりする、といったような、暗記だけではない独創性を伸ばす教育をしているのが印象的だった。

また、インド最難関のインド工科大学(IIT)についても詳しく紹介。
頭脳大国を目指す政府の援助を受けているため、学費は年間7万円と格安。
ここでも生徒に徹底的に考えさせる訓練をし、何も無いところから新しいモノを作り出す独創性を伸ばす教育をしているそうだ。
紹介されていた現役学生は、授業以外の時間に10時間勉強をしているとのこと。
月に何回大学に行ったかな、と考えたりしていた僕の大学時代とは大違いだ。

このIITの合格率は60倍と世界で最も競争率が高い大学らしい。
IITを卒業すれば世界中のTech系企業や金融機関から採用の声がかかり、初任給は1千万円にも上るため、IITの人気は増すばかり。

番組で紹介されていた受験生は貧しい農村の出身で、一家の現金収入は5万円、IITの受験費用3千円は何とか用意して学費は学生ローンを利用する予定。
彼の家族が属するのは500人程度の小さな農村で、小学校しかなく中学校以上は無いため、彼は毎日2時間かけて隣の村の中学校まで通っていた。
だから、彼はIITに合格・卒業して十分な収入が得られたら、村に中学校を建てるつもりらしい。
彼は家族だけではなく村全体の期待を背負って受験しているため、ものすごいプレッシャーと戦いながらひたすら勉強に明け暮れる毎日を送っている。

こうした教育を受けて育ったインド人ビジネスマンは世界各国で活躍し、NASAやMicrosoftなどもインド人の頭脳なくしては事業が成り立たないところまで来ているらしい。


②の消費については①ほど面白くは無かったけど、インド人の嗜好が変わってきていることを紹介していた。
経済成長に伴ってゆとりのある家庭が増加し、大型ショッピングモールの建設が相次いでいるとのこと。
町の貧しい市場は肉や魚にハエがたかり売り物の上を猫が歩くような衛生状態だが、豊かになったインド人は先進国のような清潔な商品を求めるようになった。
また、以前はふくよかな女性が好まれる傾向にあったが、最近では細身の女性に人気が集まるようになり、ダイエットに関する広告も見られるようになってきた。
これに対して、「モノは無くても心は豊か」であることの重要性を説いた建国の父ガンジーの言葉を引用し、最近の急速な欧米化に対して懸念の声を上げる人達もいるらしい。
これは、どの国も先進国になる過程で経験することだろう。


ここまで見ると、多くの人が「貧富の差が激しくなって社会問題を引き起こすのでは」と思うだろうが、実際はどうなんだろう。
例えば、十数年前までは共産党指導の下で(形式的には)格差の少なかった中国が市場経済に移行して以来、格差問題が深刻さを増し、電力不足問題や公害、共産党の指導力低下などと併せて「危なっかしさ」を感じさせるのに対し、インドにはあまりそうした雰囲気を感じない気がする。
インドはカースト制度の下で昔から格差が存在していたので、経済発展に伴って格差が拡大しても、ある意味で「格差慣れ」しているのではないか、とも思ったりする。
まあ、そんなにインドについて詳しく知っているわけじゃないので実態は良く分からないが、インドが世界経済の中で存在感を増していくことは間違いないだろう。


インド人は僕が通う大学にも沢山いるんだけど、分かりやすい特徴は良くしゃべること。
先週の金曜日に1時間空き時間があったので、使っていない教室で次の授業の予習をしていたら、その間じゅうずーっとインド人はしゃべり続けていた。(誰も聞いていなかったけど)
番組の中である企業の新人研修の模様を映していたんだけど、教官みたいな人が「我々インド人は会話の中に少しでも沈黙があると何かしゃべろうとするけど、営業でこれをやってはいけません。お客はその間に色々と考え事をしているので、その時間を奪ってはいけません。お客が声に出さない心の声に耳を傾けることが成功の秘訣です。」と教えていたのが印象的だった。
インド人、やはりそうなのか。

また、インド人といえばITに強い。
番組でも幼い頃からパソコンスキルを向上させるプログラムを導入し、IITを始めとする大学で数学・化学・物理のスペシャリストとなったインド人の頭脳がソフトウェアの世界を中心に活躍しているとのこと。
僕なんか初めてキーボードに触ったのが入社してからだから、彼らにその分野で叶うわけないんだよな。


そんな「インドすげー」感につつまれた後に日本のニュースを見たら、こんなのがあった。
先生、パソコンできますか・文科省が自己評価表作成
文部科学省は19日までに、小中高校の教員が授業でパソコンやインターネットなどが活用できているかどうかを、自己評価するチェックリストを作成した。
パソコンやインターネットを使い、分かりやすい授業をするため、教員が必要とされる指導力の基準を定めたもの。
評価は「わりにできる」「ややできる」「あまりできない」「ほとんどできない」の4段階で行う。
(中略)
小学校版と中学・高校版の2種類があり、「児童がワープロソフトで文章にまとめることを指導する」「生徒がネット犯罪の危険性を理解するよう指導する」など、各18項目で構成。

「わりに」って何だよ、「わりに」って。(しかも最上級)
パソコンがあまり出来ないことを前提にやっていないか、これ。
1世紀たっても日本はIT分野でインドには勝てないだろうな。。。


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# by nycyn | 2007-02-20 14:10 | 雑感