NewYorkScenery
nycyn.exblog.jp

ニューヨークの生活、MBA、仕事・・・
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30
<   2007年 01月 ( 12 )   > この月の画像一覧
ワークライフブレンド

先日のホワイトカラーエグゼンプションに関連して、ワークライフバランスについてのお話。
ちょっと前になるけど、イギリスの新聞タイムズにこんな記事があった。(記事の全文は最後)

将来、(仕事を完全に離れて)私生活を営める場所は無くなるだろう。
「ワークライフバランス」というコンセプトは、仕事と私生活の境界線が曖昧になるという意味で「ワークライフブレンド」という言葉に置き換えられるだろう。
ボスにとっては、部下がどこに居て何をしていても捕まえられるということで、ウェルカムな話。
通勤中に(電話)会議をしたり仕事関係のポッドキャストを聞くなど、通勤時間を有効活用することで多少は緩和されるだろう。

もう一つ、同じくタイムズからワークライフバランスに関する記事。

休暇中・・・
56%の人がオフィスにコンタクトする
40%の人が仕事関係のレポートを読む
38%の人がノートPCで会社のメールをチェックする
(調査対象はイギリス人だと思われる。)

この記事には「プールサイドでピナコラーダ(南国リゾートの飲物)を飲みながら会社のレポートやメールをチェック」と書いてあるんだけど、僕は先月行ったアルーバでまさにコレをやっていたので、苦笑いしてしまった。。。

日本に比べてワークライフバランスが確保されていると言われる欧米だけど、これを見る限りはあまり変わらないという印象。
もちろん、地域や会社によってバラツキはあるだろうけど、NY(ウォールストリート)やロンドン(シティ)のような場所におけるワークライフバランスの問題は東京と同じようなものかもしれない。
いや、最近の日本は一部の企業で働き過ぎの緩和傾向にあるので、実は日本の方がバランスが取れているのかも。
まあ、報酬の水準を考えれば、NYやロンドンの方が忙しくてもいいんだろうけど。


記事にもチョロっと出てくるけど、僕が知っているNYのビジネス(ウー)マンは殆ど全員がブラックベリー(会社のメールやワード・エクセルファイルの閲覧・編集が出来る携帯電話)を持っている。
これがあると、酒を飲んでいようがゴルフをしていようが、電話がかかってくるのははもちろんのこと、会社に届いたメールもチェックできてしまう(チェックせざるを得ない)。
見ないフリをしてもいいんだろうけど、一部の企業では社員に強制的に持たせているらしいので、シカトしていると後で面倒なことになるのは間違いない。
しかも、日本と違ってこっちの電話はアメリカだけじゃなくヨーロッパや南米でも使えるので、国外に出ても逃げられない。
まさにユビキタスだ。

大学のクラスメートもほぼ全員がブラックベリーを持っていて、授業中もぶぃーんというメール着信の音が数分に1回はどこかから聞こえてくるほど。
特に金曜日はみんな仕事を休んできているので、ぶぃーん→机の下でメールを確認・返信→ぶぃーん→舌打ちをして教室から出て行く→外で電話、という光景を頻繁に目にする。
仲良くしているトレーダーのスイス人は休み時間の度に会社に電話して部下に指示を送っているらしく、休み時間中にまともに会話した記憶がない。

日本でも昨年ようやくブラックベリーが法人向けに導入され、現在は出来ない日本語入力も年内には可能になるらしい。
まだ導入している企業は少ないらしいけど、そのうちアメリカと同じようになっていくのかな。
ワークライフブレンド・・・数年後の流行語大賞になったりしなければいいけどね。


f0081958_13201559.jpg


The Timesの記事
[PR]
by nycyn | 2007-01-30 13:39 | 雑感
ホワイトカラーエグゼンプション

少し前まで頻繁にメディアに登場していたホワイトカラーエグゼンプション(WCE)に関連して、こんなものを見つけた。

1/18 経済財政諮問会議 議事要旨
丹羽宇一郎伊藤忠商事株式会社取締役会長の発言
ホワイトカラーエグゼンプションについては、どうも風潮として経営者が悪人でいつもいじめているようにとられがちだが、そういうことではない。ホワイトカラーエグゼンプションの本当の趣旨は、大手企業の大部分がそうだが、若い人でも、残業代は要らないから仕事をもっと早くスキルを身につけてやりたい、土日でも残業代は要らないから出社したいという人がたくさんいる。しかし、経営者がしてもらっては困ると言っている。なぜなら出社されると残業代を全部払わなければいけない。家で仕事をするよりも、会社に来て色々な資料もあるし、これで自分が人よりも早く仕事を覚えて仕事をしたいんだと。それを今は仕事をするなと言っている。ホワイトカラーエグゼンプションの制度がないからだ。だから、少なくとも土日だけはホワイトカラーエグゼンプションで、残業代は要らないから仕事をさせてくださいという人に、仕事をするなという経済の仕組みというのは実におかしい。これを何とかしてあげたい。その代わり、ホワイトカラーエグゼンプションの導入で過労死など色々な問題が起きては困る。それは内部告発制度、禁固刑を含む罰則をつくることで対応する。制度には光と影が両方あるわけだが、影の部分だけを取り上げて、これはけしからんという議論はいかがなものか。やはり日本の産業を本当に強くしていくためには、そういう制度も私は必要だと思う。その代わりセーフティネットをやっていけばいいのではないか。経営者として、生産性の向上や産業の発展のためにも、過労死など色々な問題への対策を考えず、つぶされるのは非常に残念である。外国、特にアメリカではそういう制度があり、どんどん働きたい人は働かせている。日本ではできないのは実におかしい。ホワイトカラーエグゼンプションよりも自由労働時間制がいいのではないかと思う。

丹羽さんの発言「残業すると残業代を払わなければならない、だから残業させない」とは、下の図の「A」のことだろう。
一方、WCEとは、一定条件の下で「B」(残業しても残業代を払わない)が法的に可能になるというもの。
f0081958_13461259.jpg

ちょっと前までは違法であるBが当たり前のように行われていたけど、最近は労基署がうるさいから大企業を中心にAになりつつある。
尤も、現在も一部の企業ではBが行われているんだろうけど・・・。

発言にある「残業代は要らないから出社したい」という人が「たくさんいる」かどうかは疑問だけど、「多少は」いると思う。
実際、僕も仕事が終わらなくて週末に出社したことが何度もあった。
会社のためという意識は全く無いんだけど、自分のプライドとして担当した仕事を満足のいく形で仕上げられないのは好きじゃない。
だから、丹羽さんが言っていることもある程度は分かる。

一方、「残業代を払わなければならない」との発言はどうなんだろう。
この発言を聞いたら、「残業時間に応じて残業代を払えばいいじゃん」(=「C」)と皆が思うはず。
会社にとって必要な仕事を土日にしているのであれば、当然残業代を払うべきだろう。

丹羽さんもこんな事は十分認識しているはず。
だとすると、彼の本音は「一部の企業が違法であるBをやって人件費を抑制する一方、法律を守ってAを徹底している企業や、残業代を払っているCの企業が競走上の不利益を被ってはかなわん」ということなのかもしれない。
でも、諮問会議の場で「違法行為をやっている企業がある」とは言えないだろうから、上記のような一見「はぁ?」というような内容の発言になったのではないか。

しかし、上のA~Cどれを選択しても必ず問題は発生するのである。
A:まさに社会主義(=現状)、企業(日本)の競争力低下
B:サービス残業を強制される(発言中にある内部告発等の対策がワークするはずなし)
C:残業代欲しさにムダ残業をする奴が出てくる

ということで、A~Cのどれが良いかは分からないんだけど、良し悪しは企業によって異なってくるんだろう。


なお、WCEの前提となっている「ホワイトカラーの報酬は労働時間比例では決められない」との考え方は僕も賛成。
単純作業の労働者とは違うので、時間では無く成果に応じて報酬が決まるべきだと思う。

でも、ここで問題となるのが「成果」の測り方。
営業のように成果が数字で測れる職種はいいだろうけど、企画系の仕事などはどうするのか。
数字になって表れない以上、上司が「成果」を評価するしかないだろう。
じゃあ、上司の評価が公正では無かったらどうするのか・・・
外資系投資銀行などでは上司がボーナスプールの多くをぶんどってしまい、部下には十分なボーナスが分配されない、なんて話もちらほら聞くし・・・

とまあ、どこまで行っても問題が全て解決されることは無いだろう。

そんな中、僕が思いつく改善策は、360度評価(部下も上司の「評価」を行う)を導入すること。
現状、多くの企業では上司が部下から評価されることは無いけど、これは上層部へのゴマすり、部下への不公平な評価につながりやすい。
だから、上司の評価のうち一部分(例えば3割)を部下による評価で決定すべきだと思う。
こうすることで、上司も適度な緊張感を持って部下と接することになり、評価への納得感が高まって部下の士気も高まるだろう。
もちろん、これが万能薬とは決して思わないし、巷では副作用の存在も指摘されているけど、個人的にはメリットの方が多いと思う。

僕は入社直後から事ある度に360度評価導入の必要性を人事部に言って来たけど、反応はいつも同じで「部下のご機嫌取りをする上司が増える」というもの。
いやいや、部下による評価は全体の一部(例えば3割)なんだから、そんな極端な事にはつながらないだろう。
そんな反論をするなら、「現状は(評価の100%を握っている)上司のご機嫌取りをする奴ばかり」ということを認めるようなものだぞ。

そもそも、(日系)企業は「上司の判断・評価は常に正しい、上司は指導者であるべき、部下はロクなことを考えないから上司の判断に従ってその評価を受け入れろ」という前提を置きすぎだと思う。
これだけ経済が複雑化してくれば、「あらゆる場面で上司が正しい」なんてことはあり得ない。
この辺りが分かっている上司の評価は納得感が高く部下からの信頼も厚いんだけど、分かっていない上司はその逆で、360度評価導入により不利益を被る後者が多数派かつ反対派なのである。

という反論を人事部にすると決まって嫌な顔をされるので、それ以上は突っ込んで言わないんだけど、真剣に検討すべきだと思う。
360度評価は職位が上に行けば行くほど受け入れ難い制度だということは分かるけど、企業の長期的な発展を考えれば、若手の活性化と無能な上司の排除につながる同制度を導入する価値はあると思うんだけどな。


f0081958_134752.jpg

[PR]
by nycyn | 2007-01-28 14:02 | 雑感
ひえひえ

f0081958_12524246.jpg

今朝、家を出る時にニュース番組を見たら、気温はマイナス11℃だった。
多少風が吹いていたので、体感気温はマイナス15℃くらいかな。


f0081958_1253199.jpg

手袋を外して写真を撮っていたら、1分もしないうちに手の感覚が無くなってきた。
もっと良いタイミングの写真を撮りたいところだけど、そんな余裕は全く無し。


f0081958_12444764.jpg

寒さが原因?じゃないだろうけど、事故も発生。
こんな日の事故処理の人はエライなあ。
[PR]
by nycyn | 2007-01-27 13:04 | NYライフ
ネットショッピング

渡米前、「アメリカでは自動引落しの制度が無いから何でも小切手で決済する必要がある」と聞いていたけど、多分これは昔の話。
現在は殆どの決済がカードか銀行引落し(デビット)で出来て、僕の場合は電気と家賃が銀行引落し、ケーブルテレビと電話はカードで自動決済している。
また、アメリカの決済は間違いが多いという話もよく聞いていたけど、僕は3年弱住んで一度も経験がない。

ただし、カードの不正利用の話はちらほら聞く。
被害の多くは、カード情報を盗まれてオンラインで多額の買物をされるというもの。
だから、怪しそうなお店(デリ等)ではカードは使わないし、ネットで見られるカードの使用状況(明細)も頻繁にチェックしている。
一方、カード会社の方も不正利用する輩の手口は知っているので、ネットでちょっと高めの買物をするとすぐに本人確認の電話がかかってくるし、出張・旅行の際はカード会社に事前に連絡しておかないと遠隔地でカードが使えない場合もある。

そんなカード社会のアメリカでは、日本よりもはるかにネットショッピングが発達している。
日本にいる頃はネット上でカードを使うことに抵抗がありネットで買物したことは殆ど無かったけど、NYに来てからはその使用頻度が徐々に高まってきていて、最近では殆ど抵抗が無くなってきているのが怖い。
もちろん、怪しいサイトで買物はしないし、聞いたことが無いサイトの場合は検索しまくって利用者の評価を確認してから買うようにしている。


因みに、服を買うときはネットショッピングがとても便利。

僕は日本だと一番品揃えが多いサイズになるけど、アメリカでは一番小さなサイズになるので品揃えが少ない。
だから、店に行っても自分のサイズの服があるとは限らず、一番小さなサイズでもブカブカなことがある。
また、同じサイズでもメーカーによってかなり大きさが違うし、同じメーカーのSサイズでも商品によって大きさが違うからサイズ表示は殆どアテにならない。
僕が持っている同じメーカーの2本のジーンズは3インチ(約8cm)サイズ表示が違うけど、どちらもちょうど良い大きさなのである。

そんなサイズ問題での無駄足を避けるのに、ネットショッピングが威力を発揮する。
ネットで気に入ったものが見つかったら、同じ商品の複数サイズ(XSとSとMなど)を同時に注文する。
商品が家に届いたらそれぞれ試着してちょうど良いものを選択し、残りは返品。
商品そのものが気に入らなかったら、全サイズ返品。
アメリカは返品大国なので返品用のシートも同封されていて、気兼ねする必要はナシ。
先日もネットで600ドルの買物をしたけど、500ドル分くらいは返品してしまった。
しかも、先方のミスで実際よりも多く返金されるというおまけつき。

以前は「画面上で服を見ても生地の感じや実際の色が分からない」と思っていたけど、最近では経験値が上がってきたのか画面上の写真から実物のイメージがつかめるようになってきて、例えばジーンズだと画面上の色よりも薄く・淡くしたものが実際の色だということが分かってきた。
仮にイメージしたものとは違うものが届いたとしても、返品すればいいだけの話。

こうすることで店に行ってもサイズが無いという心配は不要だし、セール期間中にありがちな試着やレジの列に並ぶ必要も無く、ゆっくりと「買物」が出来るのである。
当然送料はかかるけど、大抵は数ドル(数百円)なので上記のメリットを考慮すれば気にならないし、メーカーによっては「何百ドル以上は送料無料」というところもある。(→複数サイズを買うことで簡単にクリアできてしまう♪)

こんなことばかりやっているとお店側のブラックリストに載るという噂もあるけど、そんな頻繁に服を買うわけじゃないから、今のところ問題ないみたい。
みなさんも良かったらお試しください。


f0081958_1333051.jpg


f0081958_13563436.jpgそれにしても、寒い!
現在、このブログの温度計でマイナス9℃。
風が強いので、体感気温はマイナス20℃くらいになるとの注意報も出ている。
今日は飲み会じゃ無くて良かった。。。
[PR]
by nycyn | 2007-01-26 13:58 | NYライフ
コンサート@リンカーンセンター

先週の土曜日、リンカーンセンターのクラシックコンサートに行ってきた。
オーケストラはもちろんニューヨーク・フィル、バイオリンはVadim Repinという知らない人だったけど、チャイコフスキーのバイオリンコンチェルト(Op.35)が聴きたくて、去年9月の発売と同時に予約した。

大学の授業が終わってすぐにタクシーに乗り、リンカーンセンターへかけつけた。
3階席の安いチケットにしたのでステージまではかなり遠いけど、音楽を楽しむにはこれで十分である。

Repin氏の演奏はリズムの取り方が独特で、好き嫌いで言えば僕はあまり好きな弾き方じゃなかったけど、技術は一級品。(あたりまえか)
コチラでちょっとだけ彼の演奏が聴けるので、良かったらどうぞ。

また、YouTubeで検索したら、五嶋みどりさんの演奏も出てきた。
結構昔の映像だろうけど、やや渇き気味の澄んだ独特の音を出すんだなー、という印象で、僕はRepin氏よりもこっちの方が好み。
彼女は数年前までNY大学で勉強していたらしく、NYでもちょくちょくコンサートをやっているから、今度機会があったら聴きに行ってみよう。

f0081958_1256261.jpg


ところで、「何をいきなりバイオリンとか言っちゃってるの、似合わないよ」とお思いのあなた。
実は、僕はバイオリンを習っていたのである。
3歳から中学1年までの約10年間続けたけど、部活との両立が難しくてやめてしまった。
うちはバイオリンを習うような家柄じゃないはずなんだけど(笑)、当時の僕の落ち着きの無さを見てヤバイと思った両親が、バイオリンでもやらせれば落ち着くだろう、という意味不明な思いつきで始めさせたらしい。
だから、子供時代はバイオリンとサッカーというアンバランスな二つの事をやっていた。

結局、10年間続けてやめてしまったけど、あと数年続けていたら今回聴いたチャイコフスキーを弾くことになっていたので、この曲に興味があるというわけ。
こんな難しい曲を弾けるようになったかどうかは分からないけど。。。

そんな背景もあり、この曲を華麗に弾きこなすプロの演奏を聴くとぞくぞくするのである。
僕は1楽章が好きで、特に最後の部分をプロがどのように表現するのかを見るのが楽しい。
興味がある方は、前述の五嶋みどりさんの演奏の後半(特に8:30辺りから)を聴いてみてください。


僕は他の芸術にはあまり興味が無いんだけど、NYにいると一流のものが身近にあって簡単に見たり聴いたりできるので、とてもありがたい。
だから、興味のある分野については今後も積極的に参加するようにしようと思う。

NYにはこんな芸術?もある・・・
[PR]
by nycyn | 2007-01-23 13:39 | NYライフ
ついに

f0081958_939382.jpg


f0081958_9391616.jpg


f0081958_9393748.jpg


今日はNYブロガーの半分くらいが雪ネタの記事を書くだろう。
[PR]
by nycyn | 2007-01-20 09:46 | NYライフ
世界の宗教と戦争講座 ⑤

終わりにしたはずのこのシリーズだけど、ある人から「日本人にとって最も馴染みのある仏教を書かないでどうする!」というクレームがあったので、もう一回だけ書くことにした。

過去分はこちら: ①和の精神②ユダヤ教③キリスト教④イスラム教


5.仏教

仏教の特徴は、根拠教典が無いことである。
ユダヤ教・キリスト教には聖書、イスラム教にはコーランがあり、いくつの宗派に分かれても教典は同じであるのに対し、仏教では各宗派共通の教典が無いのである。
従って、他の宗教から見ると、仏教には統一的な思想が無いため、非常に分かりにくい宗教となっている。

一方、この統一性の無さにより、仏教の世界では宗教戦争が起きていない。
キリスト教やイスラム教の世界では、唯一絶対の神やその教えの存在により、解釈をねじ曲げたとか神を冒涜したという発想から宗教戦争に至ってきたのである。
確かに、「イスラム教は恐い、仏教は穏やか」という漠然としたイメージを持っていた。
これは学校教育の影響も大いにあると思うけど、あながち間違いでは無いと思う。


仏教は釈迦(ゴーダマ・シッダルタ)が開祖であるが、彼は他の宗教のようにこと細かくやるべきことを記さなかった。
キリスト教も仏教も苦しみから救われることを目的としている点では同じだが、聖書には「救われ方」が細かく記されているのに対し、仏教では「悟りを開きなさい」と書かれているだけで、そのために何をすれば良いかが細かくは書かれていない。
また、唯一絶対の神がいないことも仏教の特徴であり、こうした特長が多くの宗派を可能としてきたのである。
これは先日書いた「和の精神」と同じ。


仏教を大きく二つに分けると、上座部(小乗)仏教と大乗仏教に分かれる。
釈迦の教えは、人間が四苦(生老病死)から逃れるためには煩悩を捨て、世の無常を悟り、仏になることだとしている。
つまり、釈迦は「救われたければ出家して仏になりなさい」と説いており、これが上座部仏教の考え方。
これに対し、「妻も財産も捨てて出家した人でないと救われないのか」という批判が生まれ、在家の人でも救われるようにという考え方に基づいているのが大乗仏教である。
大乗仏教では、偉大な仏(悟りを開いた人、お坊さん)がいて、その人を信仰してお祈りすれば救われる、という考え方なのである。

日本では、もともと上座部的な仏教が伝わっていたが、最澄が中国から大乗仏教を持ってきて定着させようとした。
鎌倉時代になると、この大乗仏教が民衆に定着してきて、日本的な大乗仏教が展開され、その典型的なものが浄土宗である。
大乗仏教である浄土宗は、出家して厳しい生活に耐えることを人々に求めるのではなく、出家して悟りを開くのは一部の僧だけであり、民衆には阿弥陀如来への信仰を促し、それによって救われると説いた。
この思想はどこかで聞いたことがある気が・・・、キリスト教と同じじゃないか。
やはり、人間は易きに付くんだねえ。


そして、日本的な仏教のベースとなっているのが、親鸞による浄土真宗である。
親鸞はそれまでのルールを破り、結婚してしまった。
本来、(上座部)仏教では僧は出家しなければならないが、阿弥陀如来の力に頼るのであれば、出家してもしなくても同じであると解釈したのである。
また、民衆レベルで言えば、法然は信じる「回数」が重要であるとし、親鸞は回数ではなく「信じること」が重要であるとし、一遍に至っては「信じることすら要らない」と説いた。
一遍によれば、阿弥陀如来が救ってくれると言っているのだから、信じる人と信じない人が差別されることは無い、としたのである。
ここまで来ると、釈迦の教えとは全く異なるものになっている。
従って、外国の宗教に関する本では、日本の仏教を「大乗の大乗」と表現し、インスタント仏教とまで言っている学者もいるらしい。
統一的な教典を持つ宗教の人から見れば、確かに日本の仏教は宗教に見えないだろう。
このような統一性の無さが柔軟性につながり争いを起こさずに済んできたんだろうから、個人的には「別にいいんじゃない」と思うけど、他国から見れば「ポリシーの無さ」と見えるのかもしれない。


その後、徳川家康が檀家制度をつくり、日本人は必ずどこかのお寺(宗派)の信者になることを求めた。
本来、宗教は個人が自由に選択できるものであるが、檀家制度の下では人は生まれながらにして宗派が決められており、これは一生変えられないこととされた。
従って、お坊さんにしてみれば、自分がどのような僧であれ、堕落していようがお金ばかり要求しようが信徒は絶対に減らないわけで、これが日本の仏教の堕落を招いた。

堕落の典型的な例が僧侶の妻帯であり、教義の上で僧侶の妻帯を認めているのは浄土真宗だけであるが、実際は妻帯を認めていない他の宗派でも僧侶が結婚しているのである。
明治政府は「お坊さんも結婚して良い」という許可を与えたのだが、本来僧侶の妻帯を禁じている宗派の信者であれば反対や大議論が起きてもおかしくないものの、なし崩し的に僧侶が結婚するようになった、というのが何とも日本的である。

従って、日本の仏教はかなり特異なものであり、「私は無宗教だが、私の家は浄土宗です」という発言をする人がいるが、これは檀家制度の名残りなのである。
ここでも易きに付く日本人の姿が・・・離婚したいがために新しい宗派(英国国教会)を作ったイギリスの王様と同じだな。
僕が以前住んでいたところでは、坊さんがくわえタバコで原チャリに乗っている姿をよく見かけたし、バイトしていた居酒屋では頻繁に坊さんが飲んだくれていた。
坊さんに対しては「高貴、清貧、質実」といったイメージを期待してしまうんだけど、こうした歴史を踏まえれば、そんなことを期待するのは酷なようだ。


日本人は「霊」の存在を信じており、「死んだ人の悪口を言ってはいけない」というのも霊の存在を意識してのことである。
一方、仏教では死後は別のものに生まれ変わるという輪廻転生の思想に基づいており、「人間が死んだ後に肉体とは離れた霊が残る」という発想は無い。
ところが、仏教が日本に伝わった当時、日本の天皇家は仏教に対して霊の鎮魂を期待してしまった。
従って、仏教の世界では存在しないはずの霊を仏教の力で鎮めるという、極めて特異なものになってしまっている。
へえー、そうなんだ。
僕を含めてこういう背景を知らない人が多いから、無知につけ込んで商売する葬儀ビジネスが成立するんだろう。
葬儀と言えば、過去に読んだ本の中で葬儀屋を悪く書いているものはあっても、肯定的に書いているものは殆ど無かった気がする。
人の悲しみにつけ込んで5百万円の葬儀契約を結ばされるとか、僧侶へのお布施の一部は葬儀屋に流れている場合もあるという話は本当らしいし、戒名はパソコンソフトで作成しているといった噂まである。

ある本によれば、病院と葬儀屋は結託していて、葬儀屋は病院スタッフを頻繁に接待する見返りに、病院で患者が死亡した際はすぐにその葬儀屋へ連絡するように依頼しているらしい。
先日、リリー・フランキー氏の「東京タワー」を読んでいたら、霊安室にいつの間にか葬儀屋が紛れ込んでいて、基本料金にオプションやら何やらを追加されて、結局高額を支払うことになったと書いてあった。

遺族にしてみれば、高額な葬儀プランを勧められながら安いプランを選択すると死者に失礼、みたいな考え方に行きついてしまうのかもしれない。
でも、僕は霊の存在は全く信じないし、こういうセコイ葬儀ビジネスはキリスト教の免罪符と同じような気がして加担するのは嫌だから、少なくとも僕が死んだときは最低料金の葬儀プランにしてもらおうと思っている。(←気が早い。。)

なお、参入障壁の高い葬儀ビジネスにも外資の波は押し寄せており、ムダをカットした明朗会計をモットーとする外資系の葬儀屋もあるらしい。


仏教の非暴力主義を貫いているのがチベットである。
チベットは本来独立国だが、中国は第二次大戦後にチベットに武力侵攻し、中国の自治区としてしまった。
中国には中華思想があり、中国は世界の中心、他国は全て野蛮人であり、領土を拡大することで国が豊かになるという思想を持っている。(実際は管理コストの方が高くつくことが多いが、中国はこれに気づいていない、或いはプライドが邪魔して引き下がれない。)
だから、中国はチベットの独立性を奪い、「(世界の中心である)中国と同化すれば良いではないか」とチトー政権がユーゴスラビアで行った民族浄化策と同じことを進めている。
ユーゴやアフガンでは民兵を組織して抵抗する道を選択したが、チベットはダライ・ラマの指導の下、あくまで非暴力に徹した抵抗を行っている。
日本を含め、他国はもっとチベットの態度を尊重し、中国を批判していくべきである。

一方、チベットは本来勇猛果敢な国であったが、仏教により国力が落ちたという見方もある。
他国であれば政治家や軍人になる人達が僧侶の道を選び、僧侶は結婚できないことから子孫を残さない、という問題である。
これが中国による侵略を許したという批判もあり、宗教の一側面として留意する必要がある。
作者の中国嫌いが顕著に表れている部分なのでなるべく中立的な表現を使ったけど、書いている内容はその通りだと思う。
米国を始めとして中国の人権無視を非難する国はあるけど、現在の驚異的な経済成長を考えると、そこまで強い批判は出来ないんだろう。
一方、多くの国が本音では中華思想を嫌っているようなので、現在の経済成長がストップした際は各国による中国批判が強まるのではないかと思う。

また、敬虔な仏教徒であるがゆえに中国の侵略を許したとすれば、現代社会における仏教の不完全性と見る事もできるだろう。
本来は日本を含めた他国が中国を牽制すべきなんだろうけど、上記の通り難しいのも良く分かる。


* * * * * * *

日本の仏教は特殊だということが良く分かった。
「和の精神」は宗教に基づいているわけでは無いらしいけど、やはり仏教も日本人の価値観に少なからず影響を与えている気がする。

「宗教を信じないのであれば、何を拠り所(価値観)にして行動しているのか分からない」と考えているアメリカ人がいる事はキリスト教のところで書いたけど、日本人には宗教とは関係ない道徳・倫理観みたいなものがあると言われている。
例えば、チップという金銭的なインセンティブが無くても全ての顧客に愛想良く対応すべし、というのは欧米には無い思想であり、これを支えているのは仏教とは関係ない道徳・倫理観だと思う。
このことをアメリカ人クラスメートに話したら、「そりゃ理想的だね、アメリカでは絶対にありえない」と言っていた。
尤も、その道徳・倫理観が最近では崩壊してきているという意見も多数あるけど。

また、僕は何の宗教も信じていないけど、最も馴染みがあり身近な宗教は仏教であり、他の宗教に比べると「理解しやすい、どこか安心」と感じるのは日本人として自然なのかもしれない。
一方、他の宗教(特にイスラム教)に基づく考え・行動は日本人にとって理解しがたいかもしれないが、これを非難するのではなく、それぞれの宗教に基づく思想・価値観の中で育った人であればそのような言動に結びつくのが当然である、という理解をする努力が必要だろう。

以上、「世界の宗教と戦争講座」はこれにて(本当に)おしまい。

f0081958_13175760.jpg

[PR]
by nycyn | 2007-01-17 15:26 | 雑感
ほどほどに

日本では納豆がバカ売れらしい。
テレビで「納豆のイソフラボンにダイエット効果あり」と紹介したのがきっかけで、若い女性を中心にまとめ買いをしているとのこと。

納豆と言えば、日本にいる頃「あるある大事典」を見ていたら、「納豆には血液をサラサラにする効果がある」とも言っていた。
僕は納豆が苦手なのでどんな効果があろうと食べたくないけど、血液がドロドロしている人がこの番組を見て毎日のように納豆を食べるようになったという話をテレビで見たこともある。

ところが、先日見つけたニュースだと、ある医師がこの「血液サラサラ効果」効果に反論していた。
反論の内容は、「納豆に含まれるナットウキナーゼと血液を「試験管の中で」混合すれば血栓を溶かす作用があるけれど、人間はナットウキナーゼを腸から吸収できないから納豆を食べても血液はサラサラにならない」というもの。
また、もしナットウキナーゼを点滴したら、血栓だけではなく赤血球など他のたんぱく質も分解してしまう「かもしれない」、とのこと。
この医師がテレビ局に問い合わせたところ、フジテレビは回答すらせず、同じような内容を放送した他局に問い合わせると放送内容を否定するような回答が返ってきたらしい。
ということは、この医師の「放送内容は間違っている」という主張をテレビ局は認識しているということなのかもしれない。
さらに納豆に関しては、イソフラボンの過剰摂取はガンにつながる「可能性もある」という意見もある。

また、食品つながりで言えば、随分前のニュースだけど、「脂肪がつきにくい油」として有名なエコナクッキングオイルの主成分が発ガンを促進する「かもしれない」というものもあった。
国立がんセンター研究所の実験ではこれを裏付ける結果も出ているが、発売元の花王はこの実験結果が「中間報告」であり最終報告ではないことを理由に販売を継続している。
こうした事実を知らず、健康に良いと思ってエコナクッキングオイルをせっせと買い続けている人は少なくないだろう。


こういうニュースを見ると、「日本人はマスコミに左右されすぎなんだよ」という人もいるだろうが、これはアメリカでも大差ないと思う。
アメリカのドリンク類は日本人からするとギョッとするような鮮やかな色のものが多いけど、あるアメリカ人にこれを聞いたら「ビタミンCは黄色いものだと勘違いしているアメリカ人が結構な割合でいて、彼らは色が付いていないものにはビタミンCが含まれていないと心から思っているんだよ」と言っていた。
ネタなのか本当なのかは良く分からないけど。。。

多くのアメリカ人は炭酸が大好きで、太りたくない人はダイエットコーラをバケツのようなカップで飲んでいる。
僕のクラスメートも、多い人は1日でダイエットコーラの缶(350ml)を5本くらい飲んでいる。
確かにカロリーは低いかもしれないけど、人工甘味料については健康への悪影響が指摘されている中で、ダイエットコーラがこれと無縁とは思えないんだよね。
もちろん、何か証明された訳じゃないんだけど、あまりに「ダイエット」「ローファット」という言葉につられすぎてはいないか。
スーパーに行けばローファット製品だらけだし、最近はポテトチップスの袋にも「脂肪が付きやすい油は使っていません」という文字がプリントされている。
さらに先日、犬のダイエット薬まで開発されたらしいけど、これにはさすがに疑問を呈するアメリカ人も少なくないらしい。


僕は健康おたくじゃないので詳しい事は良くわからないけど、何事も「ほどほど」がいいんじゃないかと思う。
納豆に痩身効果があるからといってバカ食いするんじゃなくて、普通の食生活の中で少しずつ食べていればいいんじゃないのかな。
また、遺伝子組換え食品や特定の機能を強化した食材など、どこか気持ち悪さを感じてしまうのは僕だけだろうか。

そういえば、ダイエット薬を巡る健康被害のトラブルは日本でもちょくちょく報道されてたな。
女性何人かをハワイへ連れて行って死ぬほど食べさせた後にダイエット薬を飲ませ、「あれだけ食べたのに体重が減った~」とアピールしている番組があったけど、これを見て気持ち悪いと思わずにすばらしい薬だと思ってしまう思考回路は僕には理解できない。
「ダイエットしたい人の気持ちが分かっていない!」というクレームもありそうだけど。。。

エコナクッキングオイルの例もそうだけど、何か良い効果があるとうたっていても、それはあくまで「現時点で分かっている範囲では良い」というだけで、後から「実は健康に悪影響が・・・」というケースもあるはずだ。
僕が小学生の頃は「日光に浴びると発育に良い」なんて言われていたけど、いつの間にか「紫外線を何分以上浴びると皮膚に良くない」なんてことになってたし。

逆に、前述の反論についてもあくまで「現時点では・・・」という理解をすべきだろう。
現在の技術で解明できる範囲で正しいと「思われている」ことが事実であるかのように扱われているけど、本当のところは永遠に分からないのかもしれない。
これは医療でも同じことが言えるらしい。


なお、細かい事を言い出すとキリが無い。
以前「食品の裏側」という本を読んだけど、これを見て危ない食品を避けていたら、コンビニで売っているものは殆ど食べられないことになってしまう。
だからと言って、外で買ったものを食べない生活なんて考えられないから、これを読んだ後も僕は「これはアレとアレが添加されているんだろうな」などと思いながらも外で売っている弁当を食べている。
ただ、コンビニのサラダだけは一生食べたくないな、と思った。

ということで、普通の努力で対応できる範囲で気をつけよう、というのが僕のスタンス。
仮に何かの食品が健康に良いと言う事実が判明しても、そればかりを食べるようなことはしないようにしよう。

極端にストイックな事をすれば生活に支障が出るし、事実だと信じていることが後で覆されることもあるので、やはり何事も「ほどほど」にしておいた方が良さそうだ。


f0081958_6545299.jpg

[PR]
by nycyn | 2007-01-15 07:08 | 雑感
今週は・・・

ひどい風邪を引いてしまった。
先週から体調がちょっと怪しくて、週末に行った大学の教室が季節外れの熱波?で蒸し風呂のようになり、汗ばむ・冷えるを繰り返していたせいで、今週に入って本格的に体調を崩した。
職場では12月からみんな順番に風邪で倒れていて、「何でお前だけ大丈夫なんだ」と不思議がられていたんだけど、ついに僕もダウン。

軽い風邪なら仕事にも勉強にもあまり影響しないんだけど、今回のようなひどい風邪になると何も手に付かない。
こんなの何年ぶりだろう。
本を読んでも何も頭に入らないし、じゃあテレビでも見るかと思って画面を見つめていると、目を動かしただけで頭が痛くなる。
仕方が無いから、ひたすら寝た。
「いったいお前は何時間寝るんだ」と自分でツッコミを入れたほど。

1年以上本格的な風邪を引いていなかったので普通どのくらいで治っていたのか良く覚えていないが、治りが遅い気がするのは気のせいか?歳のせいか?
でも、まだ多少鼻水が出たり声がおかしかったりするけど、昨日からやっと普通の生活をすることが出来るようになった。

と思ったら、今朝は首を寝違えてしまい、今も左を向くことが出来ない。
良くないことは連続して起こるもんだな。

さらに、今日の会社からの帰り道、車にひかれそうになった。
信号無視したタクシーを避けようとしたベンツが急ブレーキをかけながら横断歩道に向かって突っ込んできて、僕の数メートル前で止まった。
42丁目の賑やかな交差点だったけど、その瞬間は急ブレーキの音と女性の悲鳴が夜空に響いていた。
幸いベンツは誰にも接触せずに止まり、その後は信号無視したヒスパニック系タクシー運転手とベンツを運転していた巨大黒人との「熱い議論」が行われていた。
ふぅー、危ない危ない。

体調は回復してきているけどここで調子に乗ってぶり返しても嫌だから、週末は天気も悪そうだし、おとなしく宿題でもやっておこうかな。
みなさんも風邪には注意しましょう。


それにしても、日によってコロコロと表情の変わる空だこと。

f0081958_10525029.jpg


f0081958_10412225.jpg


f0081958_10413521.jpg


f0081958_10414874.jpg


f0081958_1053135.jpg


f0081958_10532999.jpg

[PR]
by nycyn | 2007-01-13 11:05 | NYライフ
4学期開始

1月の第1週だというのに、今週末から大学が始まった。
先月の旅行以来、少しだらけた生活を送っていたせいか、元のペースの生活に戻すのが結構しんどい。

今週末のNYはやたら暑くて、昨日(土曜日)は22℃まで気温が上がったらしく、1月のこの気温は1950年以来とのこと。
また、この時期になっても雪が降らないのは観測史上初で、過去最も遅く積雪した1878年の1月4日という記録を更新中らしい。

f0081958_520426.jpg


そんな中、大学は4学期に突入。
今学期から全ての授業が選択科目となったけど、各授業ともまだ変更可能な時期なのであまり深い議論は行われず、さわりの部分を解説する程度だった。

今学期エントリーした授業は以下の4科目。


Private Equity
流行のPEファンドではなく、PEカンパニー側の視点で企業を分析する。
対象となる企業は、所謂ベンチャー企業とLBOの対象となるような大企業の中間あたりに位置するGrowth Capitalと呼ばれるステージの企業。
ファイナンス面での戦略だけではなく、マーケティング等の事業戦略にも踏み込んで議論するので、ファイナンスよりはアントレ系の授業に近い印象。
教授は現在PEファンドで働いている現役の実務家。

Equity Markets and Products
株式および株式関連デリバティブを総合的に扱うクラス。
株式やデリバティブに関して何となくは知ってるけど全て中途半端、という僕にとってちょうど良さそうな内容。
教授はゴールドマンに18年間勤務してパートナー・MDとなった株式のスペシャリスト。
今週末は教授の都合で授業が無かったため、雰囲気などはまだ良く分からない。

f0081958_534288.jpg

Earnings Quality
何でこのタイトルなのかは不明だけど、要は会計の授業。
特にM&Aに絡んで使用される会計テクニックを中心に扱うらしい。
教授は30歳まで会計について勉強すらしたことが無かったという中国人で、心理学・経済学・法学・ビジネスのPhDやMasterを持っている変り種。
ビジネススクールにありがちな熱い?教授に少しうんざりしてきていたので、この教授の落ち着いた授業の進め方は僕にとって心地が良い。

Power and Influence in Organizations
1学期に受講したリーダーシップの授業に似ていて、企業内での立ち回りを扱うもの。
企業で働くには政治力が必要であり、企業内パワーバランスの分析、影響力の発揮、企業競争力の向上、についてケースを中心に進めていく。
この手の内容が単位の付く授業になっちゃうのがビジネススクールならでは。
初回の授業では「あなたが働く企業が合併することになった場合、何を把握しなければならないか」というテーマで議論したけど、「どれくらいの人員がカットされるのか」、「相手企業で自分と同じ仕事をしている人の能力・評価」、「自分の上司が生き残るのか」、「誰に擦り寄るべきか」といった意見が次々と出るのを見ていると、コイツらは日頃からこんなことばかり考えているんだろうな、と思わずにはいられなかった。
米国企業で働いた経験のない僕が議論についていくのはしんどいし、1学期のリーダーシップの授業でもかなり苦労したんだけど、ファイナンス系ばかり勉強していたらアメリカのビジネススクールにいる意味が無いなと思い、受講することにした。


今学期は上記以外にも短期間のセミナーがあり、受講するのは3科目で良かったんだけど、時間を空けても仕方が無いので4科目フルに受講することにした。
先学期は宿題が少なくて比較的作業負荷は軽かったんだけど、今学期は宿題やレポートが多くてプレゼンもあるので、計画的に勉強しなきゃいけない。

f0081958_5333939.jpg

[PR]
by nycyn | 2007-01-08 05:40 | MBA