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ニューヨークの生活、MBA、仕事・・・
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カテゴリ:雑感( 76 )
サル?
f0081958_6464071.jpg知人が貸してくれた「投資銀行残酷日記(サルになれなかった僕たち)」を読んだ。
最近は投資銀行で働く・働いていた方とお会いする機会が増えてきたので、読んでみたいと思っていた本。

内容は、DLJという投資銀行で働いていた二人が投資銀行の内部を暴露するような内容となっていて、アマゾンでは以下のように紹介されている。

元DLJマン2人が、知られざる投資銀行の日常を激白したウォール街の超話題作! 重要な仕事をしているから給料が高いのではない。とんでもない仕事をしているから銀行の給料は高いのだ! トップ・ビジネススクールからウォール街の一流投資銀行へ、夢にまで見た投資銀行に入った2人が体験した真の投資銀行マンの姿とは・・・。 『ウォールストリート 投資銀行残酷日記~サルになれなかった僕たち~』は、“僕たち”がいかにして若き投資銀行マンというありがたい身分を捨てたかという物語だ。“僕たち”がいかにして創造性を失い、考える能力を失い、余計なことを言わずに指示されたままに動くことを学んだか。世界の頂点を目指しているつもりだった2人の若者が、気づいてみたらゴミの山の下敷きになっていたいきさつが赤裸々に語られている。

この本によれば、投資銀行(の一部の部署)は以下のようなところらしい。(本文の内容を僕の記憶ベースで要約)

投資銀行はMBA卒業生に最も人気のある職業であり、その最大の理由が報酬の高さである。MBAを卒業して入社した年(27歳前後)の年収は約二十万ドル(約2400万円)にもなり、その後の昇給率もかなり高い。(約10年前の水準)

投資銀行が学生を勧誘する際は報酬だけでなく、世界の金融をリードするウォールストリートで働くことの魅力をアピールするが、(作者によれば)これは全くの嘘。報酬の水準を他業界の何倍にもしておかないと、顧客を騙すような仕事や、上司からの理不尽な要求に耐えられる社員がいなくなってしまう。

MBAで学んだことを活かす仕事はあまり無く、ひたすら計算と資料作りに没頭する。

「計算」とは純粋な計算ではなく、データの改ざんまではやらないが、自分たちがナンバーワンであると主張できる都合の良い数字を組み合わせることである。(例:DLJは業界一位である! 但し、**の分野における**億円規模の企業の債券発行で、**と**を除き、**年5月から**年1月までの期間について ← 「但し」以降は極小フォント)

「資料作り」とは「複数の上司の趣味に合う資料に仕立てる」ことであり、日本語でいう「てにおは」の修正からグラフの色、フォントサイズ、下線を引く箇所、など、(作者に言わせると)どうでもいいことに徹底的に拘る。原稿作成→上司の修正指示→修正→再修正指示→再修正→再々修正指示→再々修正→上司の了解、という手続きを複数の上司と行い、これを(10年前は)ワープロ課でタイプしてもらい、印刷課で印刷してもらう、ということを延々とやるため、1ページの資料に48時間かかることもある。複数の上司が修正指示を出すため、48時間かかって出来た最終的な資料は最初の原稿とあまり変わらない、ということもある。

若手の仕事は激務であり、上司・先輩からは奴隷のように扱われる。夜に翌朝締切の仕事を依頼されることは珍しくなく、一日の平均睡眠時間が4時間だったりする。事実、プライベートな時間は殆ど無い。

通常の精神の持ち主が長年投資銀行で働くことは不可能であり、善悪の区別がつかなくなったり、自分も将来部下に同じことをして憂さ晴らしをしてやる、という人(サル)でなければ続かない。

恐らく誇張も入っていると思うけど、要は異常なところらしい。
また、DLJは投資銀行の中でも「エグイ」銀行として有名だったとのこと。

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これを読んで、世間の人はどう思うのだろうか。

この本は投資銀行の「残酷さ」を綴っていると聞いていたから期待していたんだけど、正直を言うと、下品な例え話を除けば「なんだ、そんなもんか」というのが僕の印象で、むしろ共感してしまう部分が結構あった。
社内に酷い上司はいくらでもいるし、本に出てくるような「どうでもいいことで何度も指示を出してくる人」も沢山いる。
日本にいる頃、「計算」や「資料作り」はやっていなかったけど、最も急がしい時期は朝6時に家を出て夜中1時に帰ってくる生活をしていた。

だから、部署や上司によって差はあるけど、日系金融機関も似たようなもんだと思う。
僕が入社する前のバブルの頃はもっと酷かったかもしれない。
投資銀行と違うのは給与水準くらいか。
最近は役所がうるさいから、ここまでの激務は殆どないと思うけど。


日本に比べるとアメリカではワークライフバランスが重視されるイメージがあるんだけど、そんなアメリカにおいては、プライベートを半ば放棄して仕事に集中することを求められる投資銀行は相当酷いところ、ということになるのかもしれない。
日本だと、この本に出てくるような企業も結構あると思うんだけどな。

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by nycyn | 2006-10-10 07:04 | 雑感
不穏な動き

世界のあちらこちらで不穏な動きが出てきている。

ハンガリーのブダペストでは、大統領が国民にウソをついていたことを証明するテープが放送されたことをきっかけに、暴動が起きている。
CNNによると、150人くらいが負傷したらしい。

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(CNN)

先日、ドイツ・チェコ・オーストリアを旅行してきたばかりだけど、実はギリギリまでブダペストも行こうと思っていて、飛行機の乗り継ぎが上手くいかないことから断念したところ。
時期がずれているとはいえ、ハンガリーに行っていたら暴動に巻き込まれてた可能性があったかもしれない。。。

こういう事件が起きてしまうと、どうしても国のイメージが悪くなる。
詳しくニュースを見たわけじゃないけど、トンデモない大統領と言えば隣国ルーマニアのチャウシェスクのイメージと結びつき、僕の中でのハンガリーのイメージはかなり低下した。

旅行で行くかもしれないと思って事前に少しだけハンガリーについて調べたんだけど、同国は1990年の民主政権成立後、若干の停滞は経験するものの市場経済への本格的な移行を行い、90年代後半は4~5%、2000年代に入っても3%前後の成長を続けてきた。
中欧諸国の中では最も外資の誘致に積極的で、ITセクターを中心に外資企業が参入し、国民のITリテラシーはかなり高いらしい。

そんなハンガリーだけど、こういう暴動が起きちゃうと、払拭されてきた感のある旧東欧諸国の暗いイメージが復活して、投資も減速気味になっちゃうんだろうな。
エマージング投資の難しいところ・・・



また、今日の午前中、仕事をしていたらCNNのニュース・アラート(大きなニュースがあった時にメールで教えてくれる機能)が届き、タイでクーデターが発生したとのことだった。
事前にそんなうわさがあったらしいけど、僕はそんなことを知らなかったから、びっくりしてすぐに食堂のテレビを見に行った。

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(CNN)

クーデターとは言っても、軍がすぐに国会などを制圧してしまい、けが人もいないとのこと。
市内も至って平穏で、市民は携帯カメラで戦車の写真を撮ったりしていた。

でも、このニュースはハンガリーの暴動の何倍もショックだ。
僕はかなりのタイ好きで、前に書いたカンボジアやベトナムにタイ経由で行ったこともあり、タイには合計5回くらい行っている。
日本からは片道6時間、往復4万円台で行けたこともあり、タイのチャーハンを食べるためだけに3連休で行こうかと思ったことがあるくらいだ。

そんな僕の個人的な趣味はともかく、アジアの中では比較的発展している民主国家で軍のクーデターが起こったことにかなり驚いた。
以前から首相への批判が高まっていたことは報じられてきたけど、「微笑みの国」でこんなことが起こるとは。
お隣の軍事政権国家ならまだしも。
国民的人気を誇る国王はクーデターを起こした軍からも支持されているみたいだけど、国王としてどう対応するんだろうね。

あー、カントリーリスクはうなぎのぼりだろうな。
投資も観光客も減るだろうな。



ところで、わが日本。

CNNではすぐにバンコクからの生中継があり、街中の映像や詳しい解説を見た後、いくつかの日本のニュースサイトを見てみたら、「タクシン首相が非常事態宣言を出した」(以上終了)という、背景や現状などの説明が全く無い一行のニュースしか見つからなかった。
夜中とは言え、ちゃんとカバーしようよ、アジアの出来事なんだし。
そんな日本のお寒い報道事情を再認識して、ちょっと寂しい気持ちになってしまった。



(以下は更新後に追加)

ようやく日本のニュースも出揃ってきたなと思って各サイトを見ていたら、毎日新聞のサイトにこんな記事があった。

「クーデター発生」の情報が流れた19日午後9時すぎ。2台の戦車が待機する首相府北門前で実況していたテレビ局の女性記者(35)に、日本人観光客が「何のイベントですか?」と声をかけた。

いやー、平和ですねー。
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by nycyn | 2006-09-20 08:56 | 雑感
階級社会へ
先日の「仕事をするなというルール」を書いた後に思いついたことをつらつらと・・・


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一般的に、制度というものは文化や国民性などを背景に成り立っているはずだ。
だから、背景が変わらないのに制度だけを変更した場合、どこかに「ひずみ」が発生する。
では、前回書いた「早く帰れ・仕事は持ち帰るな」ルールを導入した時、ひずみは発生するのだろうか。


僕が思いつくのは、仕事をしない奴がさらに怠けるようになること。
仕事の出来に拘らず一定の時間が来たら終わり、一定の時間までいれば仕事はテキトーでも良い、というタイムカード的発想が一部のホワイトカラーに蔓延するかもしれない。

そうすると「サボる奴を働かせるための制度」が必要となるが、このノウハウはアメリカに沢山ある。
成果を定量的に計りにくいホワイトカラーに効果があるものと言えば、最も単純なのが日系企業ではまだ稀な降格・減給だろう。

ただし、降格・減給を導入しても、ある程度の下限は設けられるだろうから、一定レベル以上の人はとことんがんばるし、一定レベル以下の人は努力することを放棄して下位の方に安住する(とリーダーシップ論の教授は言っていた)。
つまり、働く人と働かない人の「分布」が拡大し、社内での「格差」が広がり、やがて社会全体でもこうした格差が拡大していく。

そして、日本全体がアメリカのような階級社会へと近づいていくんだろう。
(結論ありきの強引な論理展開、との認識アリ・・・)


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僕は階級社会については「ある程度」ウェルカムだ。
(階級社会には副作用もあるだろうけど、論点がブレるので省略。)

資本主義を掲げながら共産主義的思想が随所に見られる日本の諸制度については、以前から違和感を感じていた。
資本や人材の国際化が進む中で、また、働かない若者が増えている環境下で、こうした制度をいつまでも保てるわけがない。
自分の意思で熱心に働かないことを選んだ人は、勤労から得られる充実感や経済的豊かさを放棄する代わりに、自由を楽しめばよい。
だから、そういう人が熱心に働いている人が得たものを妬むのは筋違いだ。


一方で、今の日本人がアメリカと同じレベルの階級社会を受け入れるマインドになっているかといえば、そうではないと思う。
少し前に日銀総裁の件が報道されていたけど、総裁の脇の甘さや投資していたファンドの違法(かもしれない)行為は別にして、一部の国民の「反応の仕方」が気がかりだ。


反応①:「総裁は数億円の資産を保有、報酬や年金額も多く、庶民の感覚からはかけ離れている。」

おいおい、日銀総裁と庶民が同じでないといけないのか?
彼はくじ引きで総裁になった訳ではなく、努力して苦労してあの地位に就いたと思う。
しかも、その責任と重圧は一般庶民のそれとは比べ物にならないはず。
だったら、僕のような平凡なサラリーマンに比べて報酬や資産が多くて当然じゃないの?
庶民の感情を理解することは必要だけど、総裁自身が庶民になる必要はないだろう。
個人的には、住宅ローンや日々の生活を「庶民的に」心配するような人に日銀総裁にはなって欲しくない。


反応②:「国民はゼロ金利で苦しんでいるのに、自分はファンドで大もうけしている。」

リターンだけじゃなく、リスクも考えようよ。
自分はリスクを取らないくせに、リスクと引き換えにリターンを得た人がいると、そのリターンだけに着目してイチャモンをつけるのはナンセンスだろう。

ゼロ金利で苦しんだ人も確かにいるだろうけど、ゼロ金利のおかげで住宅ローンが借りやすいという直接的な恩恵に加えて、ゼロ金利で資金調達がしやすくなる企業や利鞘を稼ぐ銀行の間接的な恩恵を受けているいる人もいると思う。
円高になれば輸出企業がやばい、円安になれば輸入企業がやばい、とネガティブな面ばかりにスポットを当てるのは国民性だろうか。
だから、この手の人達は日銀が金利を上げても文句を言うんだろう、きっと。

さらに、数年前の環境でゼロ金利を解除することが日銀総裁の判断として正しかったとでも言うのだろうか。
解除した結果として景気に悪影響があり、「庶民」が働く会社が倒産してたかもしれないけど、そういう可能性についてはどう考えるのだろうか。



これらはマスコミの扇動が理由かもしれないけど、こういった論理的じゃない感情的な批判のバカバカしさに加え、「理不尽な平等主義」が蔓延していることを再認識した。
これを見る限り、階級社会なんて到底受け入れられないんだろうな。

でも、価値観の多様化は止められるはずも無く、階級社会につながる要素は他にも沢山あると思う。
だから、国民感情がどうであろうと、日本は着実に階級社会に向かっていくんだろう。

でも、「庶民の感情」を考慮すれば、時間をかけて、人々の心の変化に合わせて、徐々に浸透していくのがいいんだろうな。
何年かかるか分からないけど。


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by nycyn | 2006-08-24 09:37 | 雑感
仕事をするなというルール
会計の授業で扱ったケーススタディ:

中堅投資銀行のトレーダーがSTRIPS債の取引で莫大な利益を上げ、会社から表彰される。
彼の取引は違法ではないものの、社内システムや会計制度の隙間を利用して利益を上げる手法であり、利益を出し続けるためには取引量を増やし続ける以外に方法は無い。
監査やバックオフィス等の牽制システムが機能しておらず、15年ほど前の話だから、VaRやリスクバジェットのような考え方もまだ無かった時代だろうか。
また、経営陣は彼の取引の怪しさに薄々気づきつつも、会社の利益拡大のために詳細な調査に踏み切らない。

雪だるま式に膨れ上がった彼のポジションは市場の現物残高の2倍を超え、取引の拡大をせずに決済を迎えると損失を計上しなくてはならない、という状況に陥り、最終的に会社は巨額の損失を計上し、彼は解雇されることとなる。

その後、会社は「彼のポジションを認識していなかった、認識していたらすぐに辞めさせた」とシラを切り、彼は「社内外の監査をパスしているということは取引手法にお墨付きをもらったということ、だから自分は会社が正しいと認めた取引を行っただけ」と開き直る。
そして、利益追求のあまりにリスク管理を怠った会社と、確信犯的に危険な取引を膨らませた彼との間で泥沼の裁判が始まる。


* * * * *

よくある話で、日本だと某商社の銅取引で似たような問題が発生したことはご存知の方も多いだろう。

で、このケースとは直接関係ないんだけど、会社と従業員の関係についてあることが頭に浮かんできて、授業は殆ど聞いていなかった。。。


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多くのアメリカ人が、日本人は働き者だと思っている。
僕も例外ではなく、アメリカまで来て仕事と勉強をしている姿は勤勉家に見えるらしく、スタディグループのメンバーは僕のことを"24/7"と呼ぶ。(1日24時間・週7日間働くという意味)

一方、アメリカ人は自分の時間を大切にするため、一部のクラスメートは「忙しくて宿題が出来なかった」と言いながら、週末はバーベキューに行っていたりする。
彼らにとって、家族や友人との時間は仕事・勉強とは別枠かつ優先的に管理されており、その時間を確保した後に残った時間内で出来ることだけをやる。
その残った時間が短ければ「忙しい」ということになるわけで、余暇の時間を削って仕事や勉強をするという発想は無い。

僕の発想は逆で、仕事と勉強に必要な時間を先に計算し、残った時間があれば余暇にまわそうと思う。(こういう日本人は少なくないだろう。)
アメリカ人でも、投資銀行などでバリバリ働く人の中にはそういう人もいるし、クラスメートの中には僕よりずっとがんばっている人も沢山いるけど、アメリカ人全体の中ではごく一部だと思う。


* * * * *

一部の日系企業では深夜残業・休日出勤は当たり前だった。
しかし、最近では労働基準監督署の摘発などでサービス残業が問題となり、残業代を払いたくない一部の企業は、ある時間になると従業員を強制的に帰宅させていると聞く。
加えて、情報管理は厳格化する一方だから、仕事の資料を自宅へ持ち帰るのは困難になってきている。
結果として起こるのは、「仕事量は変わらない、でも早く帰れ、自宅で仕事はするな」ということになり、職場での能率を上げる以外に方法は無い。
これはこれで正しい流れだ。

しかし、能率を上げても仕事が終わらない場合、多くのアメリカ人は「仕方が無い」と思うが、一部の日本人は「何とかしなければ」と思うだろう。
その結果、彼らは「自宅で仕事はするな」というルールを「個人リスクで」破り、自宅で仕事をして成果を出す。
上司もルール違反を知りながら見て見ぬふりをしてそういう人を褒めるため、周囲の人たちも「自分もそうしなければいけないのか」と思ってしまいがちだ。


また、(古いタイプの)日系企業は「労働コスト」の意識が希薄だ。
仕事が増えた場合、他の仕事を削ったり人員を増やすのは最終手段であり、残業で対応するにも残業代が増えるという意識は薄く、基本的にはサービス残業(部下の奉仕)で対応すべきと考えている。
ここで「残業代は・・・」などと言おうものなら「がめつい奴」と言われ、こういう事を言い出しにくい雰囲気を醸成している。
だから、新たな仕事が発生しても「コストが増加する」という認識は殆ど無い。


こうした事情を踏まえると、サービス残業したり持出し禁止の資料を持って帰って仕事をするのは「個人の責任」ということになり、会社は知らんぷり、問題が発覚すると「会社としては禁止していたが担当者の独断により・・・」といった説明となるわけである。


そういう僕も、サービス残業は当たり前だと思っていた。

日系企業は実質的に解雇権を放棄しているわけだし、外資に比べれば福利厚生も手厚いわけで、そんな状況で多少残業したからっていちいち残業代を請求するのはフェアじゃない。
残業代を請求したいなら業務時間内のムダを100%排除しろ、私語は一切禁止、トイレにも走って行けよ、それが嫌なら残業代を請求するな、と思っていた。
ロクに働いてない奴ほど残業代にうるさそうな気もするし。(偏見?)
僕としては、業務時間内だって私用メールしたりネットサーフィンするかわりに、いちいち残業代が云々とは言わない労使の関係が心地よかった。

だから、早く帰れとか資料を持ち出すなとか、ヒマ人が思いつく戯言だと思っていた。
実際、そんな奴ばかりだと会社は回らないし。


一方で、スポーツと同様、ビジネスにもルールは必要だと思う。
仕事もちゃんとやりながらこのルールをきっちり守っている人から見れば、日本にいた頃の僕は「ルール違反をして仕事を仕上げていた」ということになる。

ただし、理屈では時代の流れを理解しているつもりだけど、いざ案件を目の前にして時間が足りなくなると、「時間が足りないから出来ません」とはとても言えない。。。


バブル時代の日本も、外国から見れば同じだったかもしれない。
ストイックに経済発展を求めて経済大国となったけど、外国から見れば「そこまでストイックに働けば発展するよ」という妬みを含んだ批判があったと思う。
アメリカとの関係で言えば、その後日米の景気は逆転し、アメリカは仕事と余暇のバランスを取りつつ、短期的な落ち込みを経験しながらも長期のトレンドとしては発展を続けている。
一方、日本は十数年の不況を経験したけど、その間も日系企業の勤務状態はあまり変わらず、働けど成果無く、虚しさを味わってきた。


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日本を離れて2年以上経つけど、今の日本の雰囲気はどうなっているんだろうか?
東京の人とは頻繁に話をするけど、温度感みたいなものを電話越しに把握するのは難しく、実際に自分の肌で感じてみないと分からない。

僕はあと数年で日本へ帰国する予定だ。
その時、どういうスタンスで仕事に取り組むのか、今からイメージトレーニングをしておくのも無駄ではないと思う。

「早く帰れ、資料を持ち出すな」ルールは、短期的にはアウトプットの低下をもたらすかもしれないけど、長期的には能率やモチベーションの向上という形でのメリットがあるかもしれない。
また、無駄な仕事の排除につながるという効果もあるだろう。

なんて書きながら、「こんなルールを完全に徹底できるわけが無い」とか「働きたい時に働いて何が悪いんだよ」と思っている自分もいる。


と、ここまで読んでくださった方は「お前のスタンスはどっちだよ!」と思われているでしょうが、文章にも表れている通り、どっちつかずなんですわ・・・
理屈では「僕も変わらなきゃ」だけど、本音は「うっとうしいルールだな」って感じかな。

まあ、大胆にスタンスを変えられるとは思わないけど、時代の流れと捉えて柔軟に対応していきたいもんだ。
なるべく・・・ね。
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by nycyn | 2006-08-21 10:42 | 雑感
オシム監督に見る上司像
オシム氏がサッカーの日本代表監督に就任し、先日トリニダード・トバゴに快勝した。
映像は見ていないから詳細は良くわからないけど、どうやら試合内容もそこそこで監督の評価は上々らしい。
まだ1試合しかやっていない段階で監督の評価を語るのはどうかと思うけど・・・。

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それよりも、僕はオシム氏の発言に注目している。
実は、彼が代表監督になるまで名前すら知らなかったんだけど、彼の記者会見の記事を読んでいると、その切れ味鋭い発言が面白い。


オシム語録

【走れ走れ】

日本人のサッカーというものを考えた場合、筋肉隆々ではないし長身でもない。それゆえに非常に大事だと思う。1対1の勝負では不利が出てくる。相手より、どれだけ多く走れるかで勝負しなければならない。残念ながらJリーグはそういう習慣ではない。今日の試合の教訓は、走ることだ。
(⇒ 大賛成!!

走ることを忘れるな!走ることの出来ない選手は、ボールを受けたくないから隠れているのと同じ。気持ちで負けているという事。走るというものはそういうものだ。
(⇒ そうだ!)

力を出し切って走れなくなったら言ってくれ。惜しまないこと。全力を尽くすこと。
(⇒ そうだそうだ!)

【サッカーのスタイル】

なぜ、複雑なことをするのだ。リードしているのだから、もっとシンプルにプレーすること。やることはいつも同じ。しっかり、タイトにつくことから後半は始めよう。
(⇒ 自陣ゴール前で余計なフェイントとかするもんな・・)

リスクを犯すのはボールを相手のエリア近くに運んだときに犯すもので、自陣で犯すのは間違っている。
(⇒ 相手のエリアでもリスクを犯さない奴もいるぞ)

【日本代表の心得】

代表に選ばれていることを(選手に)自覚してほしいということ。その一員であることに誇りを持つことが大事だ。
(⇒ 禿同)

【精神論】

肉離れ?ライオンに襲われた野うさぎが逃げ出すときに肉離れしますか?準備が足りないのです。私は現役のとき一度もしたことはない。
(⇒ 極論では?)

腹痛は病気のうちに入らない。
(⇒ まじ?)

プレーが遅い。疲れているのはわかるが相手も同じ。走りすぎても死なない。
(⇒ うんうん)

【対マスコミ】

私が何をいっても、あなたたちは好きなように書くでしょうから、あまりいうことはありません。
(⇒ 機嫌わるそー)

(今日の試合の感想をお願いしますという言葉に対して)何をお願いするのですか?ここは教会ではないので、何かをお願いするのはやめてほしい。私が何かを言うのを待つのではなく、まずは記者のみなさんが考えてほしい。私が逆に聞きたいぐらいだ。私は何が起こったか全部知っている。
(⇒ こわー)

【監督として】

普通の監督なら、お金がないクラブは嫌いだろう。でも私は、自由を与えてくれるクラブが好きだ。
(⇒ いいねー)

これは選手の批判ではないし、これからも批判するつもりはない。実際、選手はすごくいいプレーをした。何かがうまくいかなければ、当然、それは監督のせい。
(⇒ 言うは易く行なうは難し)

この3年間、私の話をこうやって聞いていただいで、皆さんに感謝している。すごく残念なのは、私が成功できなかったことだ。
(⇒ 潔い!)


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話は変わって、「規制とコスト」のところでも書いたけど、日本が長い不況を経験する中で、多くの人がリスク回避的になってしまったと思う。
それが段々エスカレートしていき、リスク過敏症のような状態になっている人も少なくない。

その症状として、極端にリスクを取らない輩がちらほらいる。
何かを指示するにも、「○○をやれ」とか「△△はやるな」という明確な指示は出さず、「○○っていう考え方もあるなあ」とか「△△っていかがなものか」といった、後でどうにでも取れる、指示になっていない指示を出す。

だったら勝手にやらせて欲しいと思うんだけど、無視するとそれはそれで気に食わないらしい。

そして、○○をした結果、或いは△△をしなかった結果、良からぬ事態が発生すると、「そこまでは言っていない」と厚顔無恥な発言をする。
中途半端な発言で自分の意向を部下に伝えながら、その結果の責任は取らない。
後出しじゃんけん、である。

因みに、僕はこの手の人には親切心から「○○ということですよね」と念押しをして差し上げることにしている。
僕は気配りの人だからね。

* * * * *

こんな背景もあってか、僕はオシム氏の一貫性と潔さ、厳しさの中にも思いやりのある言葉が好きだ。
彼は一部で「やりたい放題」とか「独裁者」と言われているらしいけど、少なくとも後出しじゃんけん野郎よりはずっといいと思う。

世間は彼のようなタイプをどう思うのかな?
日本代表の成績が良ければ人気が出てくるのかもしれないけど、成績とは関係ない、彼の人柄に対する評価について、僕は注目していきたい。


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by nycyn | 2006-08-11 10:29 | 雑感
迷い
変化の早い現代のビジネス界においてはスピーディーな判断が重要である、とよく言われる。
一方で、判断は早ければ良い、というものではない。
熟慮して、あらゆる可能性を検討したうえで、なおかつ迅速に判断するのが理想だろう。
重要なのは、状況に応じた慎重さと大胆さのバランス。

これまで色々な人と仕事をしてきたけど、最近は即断即決が出来る人が多くなってきている気がする。
多くの人が時代の流れに対応してきている、いうことなのかな。

いや、それはどうだろう・・・


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僕は仕事で出会った意思決定が早い人を4つに分類している。(やや強引。。)

①思い込み型(イノシシ型)
最初に思いついた事が全てだと思い込むタイプ。
他の選択肢が存在することなど想定しておらず、迷いが無いからその発言はとても力強い。
良い結果に結びついている間は向かうところ敵なしだけど、描いたシナリオ通りにコトが進まなくなると狼狽したり言い訳をする。
若い人に多いけど、中年で自分の経験に基づいてしか判断出来ない人にもこのタイプが結構いる。

②私はパーツです型
自分は数あるプロセスの一部に過ぎない、と割り切るタイプ。
あくまでパーツ単体としての最適解にこだわり、全体の中で自分が置かれた役割が理解できない、或いは全体としての最適解が分かっていても絶対に言及しない、ミスター大企業病。
同一部門で長く働いている専門家タイプに多く、その分野では誰よりも詳しいし判断も早いけど、自分の専門外の要素が入ってくることを極端に嫌う。
ある意味「職人」であり、マネジメント能力が欠けている、或いはマネジメント職に興味が無い。

③直感型
直感で判断するんだけど、その後のフォローが上手なタイプ。
コトの成り行きに合わせて柔軟に対応し、あたかも最初からそうなることを想定していたかのような説明が出来る器用な人たち。
経験を重ねるに従って直感が鍛えられ、そういう人の直感は決して「でまかせ」ではない。
アメリカ人にはこのタイプが多く、何かの雑誌にも「米企業の経営者にはこのタイプが増えてきている」と書いてあった。

④バランス型
多くの選択肢を検討しつつも、素早い判断が出来るタイプ。
知識・経験は豊富だけどそれに固執することなく、他人の意見も聞く。
物事の軽重を判断するのが上手く、どうでもいいことは一瞬で判断し、重要なものは許された時間の範囲内で熟考・議論を重ねる。
ただし、①~③の人たちからは「判断が遅い」と批判されることもある。

* * * * *

僕は色々なシナリオを立てて考えることが多く、そもそも即断が苦手だから①~④のどれにも当てはまらない、と自分では思っている。
でも、迅速な意思決定の必要性は感じていて、性格的に③にはなれそうもないから、目指すのは④。

そのために、多くの物事を見聞きし、知識に幅を持たせ、様々な分野での経験を積みたいと思っている。
この観点から、ビジネススクールはベストな場所の一つだと思う。

①とは対照的に、判断時の選択肢が増えることで迷うことが多くなるかもしれないけど、僕はその迷いを大切にしたい。
その先に④があると信じている。


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一年前の今日、ビジネススクールの面接の最後で、写真の建物を窓越しに眺めながら、こんな感じのことを簡単に話した。

入学してから半年以上たち、多くの物事を見聞きしたし、驚きや感動があった。
とても貴重な経験だと思う。

また、スタディグループメンバーの不可解な言動も、僕にとっては貴重な経験だ。
そう思うことにしている。

で、果たして選択肢は増えたのかな。
実感無いなあ・・・
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by nycyn | 2006-08-10 09:26 | 雑感
地価も気温も上昇
路線価が14年ぶりに全国平均ベースで上昇したらしい。

路線価、全国平均14年ぶり上昇・2006年
国税庁は1日、相続税や贈与税の算定基準となる2006年分の路線価(1月1日現在)を公表した。全国約41万地点の標準宅地の平均路線価は1平方メートル当たり前年比0.9%、1000円増の11万4000円で、14年ぶりに上昇した。前年13年ぶりに上昇した東京のほか、大阪、愛知、京都、千葉の4府県でプラスに転じ、地方の下げ幅も大半で縮小した。大都市の中心部で始まった地価回復傾向が地方にも波及し始めている。
路線価は国土交通省が毎年3月に発表する公示地価の8割を目安に算出する。公示地価は各調査地点の前年との変動率を単純平均するため、今年も全国平均で2.8%の下落となったが、路線価は調査地点の地価額を合計して比較することから、地価が高い大都市圏の地価上昇分が全体を押し上げた。
圏域別でみると、3大都市圏がそろって上昇に転じ、東京圏が3.5%、大阪圏0.7%、名古屋圏2.1%となった。地方圏は5.7%の下落だったものの、下げ幅は前年より1.4ポイント縮小した。 (Nikkei Net)

資産デフレも出口が見えたのかな。
日本経済にとって良いことなんだろうけど、僕が帰国する頃どうなっているかやや気になる。
家やマンションを買う予定は特に無いけど、金利も地価も上昇傾向にあるとなると・・・。

さらに、税金の取り扱いも気になるところ。
現在は課税が停止されている地価税とか特別土地保有税が復活しちゃったりするのかな。
殆どの個人は関係ないけど、そもそもこいつらは土地の投機取引の抑制が目的で導入されたはずで、何年も地価下落が続く中ではその目的を失っていることから各種業界が廃止を訴えてきたにもかかわらず、財務省は「廃止」じゃなく「時限停止」で将来の税収オプションを温存しやがった。
路線化が上昇したということは、財務省は復活のタイミングを見計らってやがるに違いない。

因みに、これらの停止期間は「当分の間」ということになっている。
この手の曖昧な表現は法律の附則でよく使われるけど、当分の間って何だよ、って感じ。
役人の裁量でいつでも復活できるようにしようという魂胆が見え見え。
なお、数年前の記憶だと不動産取得税と固定資産税も時限措置として軽減されていたような気がするけど、これらもどうなるのか。
今年か来年の税制改正大綱あたりが怪しいな。

* * * * *

話し変わって、ニューヨークの気温も上昇傾向。
暑かった先々週よりも暑くなる可能性があるらしく、明日と明後日は華氏100度(摂氏38度)になると予想されているけど、暑さよりも停電が心配。
大雨で止まる地下鉄とか、暑さで停電とか、ここは本当に世界一の都会なのか?

明日と明後日の天気予報
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火曜と水曜で同じ気温なのに、表現が違うのは何故だろう・・・
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by nycyn | 2006-08-01 12:43 | 雑感
規制とコスト
先週報道されたニュース:

Nikkei Net
金融庁05年度の行政処分3倍、顧客保護鮮明に
金融庁が2005年度(05年7月―06年6月)に発動した金融機関などに対する行政処分の件数は250件と04年度(84件)と比べ3倍に急増した。利用者・投資家の保護や経営の内部管理体制に問題があった金融機関に対する処分が大幅に増えた。不良債権問題が峠を越えて「金融平時」を迎え、金融庁は金融機関の経営内容から利用者保護へと監督・検査の軸足を移している。

利用者保護が進められていることにより、我々は安心して金融取引が出来るわけだ。
ということが言いたいのではない。
この記事、何かひっかかるんだよね。

個々の行政処分の内容を細かくは見ていないけど、殆どは金融機関側に過失があり、まっとうな行政処分なんだと思う。
でも、違う見方をしてみると、「行政処分の増加=利用者保護」という図式により、「行政処分の件数を増やしたい、行政処分が多いほど金融庁は良くやっている」という風潮が蔓延していないか。


日本が長い不況を経験している間、金融機関の視点が収益獲得からリスク管理重視へと移っていった。
過度なリスク管理が行われたこともあり、そうした中で貸し剥がしのような問題も起きた。
そして、「リスクを取らないとリターンは生まれない」という超基本的なことが忘れられ、「リスクを減らしさえすれば良い」という風潮さえ生まれた。
その結果、規制当局や金融機関内部の牽制組織が「妙に」力をつけ、発言力を増していった。
それに便乗して、牽制組織でもないくせに、無責任かつ中途半端な「リスクの指摘」をすることで役務を果たしている、と勘違いする奴まで出てきた。


規制当局や社内の牽制機能は必要であり、重要な役割を担っていることは分かっている。
彼ら無くして健全な市場の発展はあり得ない。
でも、彼らが「過度に」活躍することは、経済的観点からは単なるコストの増加である。
サッカーで審判が目立ちすぎる試合が面白くないように。(ちょっと違うか・・)

銀行では1円のズレも発生させてはならない、
適合性原則への遵守を担保するためには、コレとコレとコレとコレとコノ書類を利用者に渡し、説明したことを担保するためにココとココとココとココとココにチェックをさせ、
これらを「寸分の狂いも無く」実行するようにとの行政指導のためにどれだけのコストがかかり、結果としてそのコストが利用者に転嫁されている、
ということをもっと考えた方がいいのではないだろうか。
記事のタイトル「行政処分3倍、顧客保護鮮明」というのを目にすると、日本全体が長い不況で思考停止に陥っているのでは、と思ってしまう。


規制当局は大蔵省→金融監督庁→金融庁と名前を変え、企画・監督・検査の機能を離したりくっつけたり、というのを繰り返しながら現在の姿となった。
そして、記事にある「金融平時」を迎えた今、金融庁は「行政処分の件数」に自らの存在意義を見出し、既得権益を守る盾として利用してはいないだろうか?
うがった見方だけど、長年スポットの当たらない地味な仕事だった牽制機能に脚光があたり、有頂天になって仕事の本質を忘れてはいないだろうか?
本質からそれた過剰な行政指導により、本来不必要なコストが増加しているという認識はあるのだろうか?

強すぎる農薬が虫を殺すと同時に人体にも悪影響を及ぼすように、
ハブ退治を目的に導入したマングースが増殖しすぎて農作物を荒らしているように、
過剰な規制は結局は国民負担となるはずだ。

因みに、専門家の間では、マングースがハブを本当に退治しているのか疑問視する声もあるらしい。

f0081958_941584.jpg♪置き換えてみよう♪
マングース→金融庁
ハブ→金融機関
退治→改善
農作物→国民の利益


(写真はhttp://www.ryukyumura.co.jp/02_habu/p02.htmlから)

* * * * *

この記事を見てそんなことを考えていたんだけど、今日のウォールストリートジャーナルにタイムリーな記事が載っていた。
最近、SEC(米国証券取引委員会)による金融機関(特にファンド運営会社)への過剰な規制が議論を呼んでいて、そのことに関する記事。
日本の規制当局もこの記事を読んで何かを感じてくれるのかな? (読んでないか・・)


The Wall Street Journal, "Over-Lawyered at the SEC" の抜粋

There were four fundamental problems: First... Second... Third, the SEC had no idea what the costs or economic effects of its regulatory solutions might be. Last, the SEC failed to adequately consider less-invasive alternatives to its majority's preferred approach.

(SECを巡っては)4つの問題があった。(1・2は省略)
3点目は、規制によってもたらされる経済的なコストの視点をSECが持っていなかったこと
4点目は、一般ウケする(厳しい)規制に固執し、柔軟(かつ効果的)な代替策を検討していなかったこと。

As SEC Chairman Chris Cox testified before the Senate Banking Committee yesterday, the SEC now needs to adopt a panoply of emergency rules to undo the effects of its ill-advised prior effort to extend its regulatory reach to hedge funds.

SECのヘッドであるコックス氏は上院の委員会で次のように述べている。
「ヘッジファンドに対するSECの権限を強化しようとしたこれまでの愚かさを改めるため、SECは急いで多くの対策を講じなければならない。」

This is surprising for an agency that's directed by Congress not simply to protect investors, but to do so by facilitating the efficiency and functioning of our capital markets, and by improving innovation and competition.

SECにとって驚きだったのは、単なる投資家保護の観点だけではなく、効率性を追求し、証券市場を機能させ、革新と競争の健全化によって投資家を保護するという観点から、議会が(こうした一連の動きを)指示したことである。

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by nycyn | 2006-07-27 10:11 | 雑感
タイム・マネジメント
仕事と勉強の両立についてちょくちょく聞かれるので、僕の生活パターンについて書いてみる。

日中は仕事をし、早朝と夜に勉強している。
それだけ。

と言えばそれだけなんだけど、それじゃ説明にならないからもう少し詳しく。

日本にいた時と違うのは、勉強時間を確保するために早く退社すること。(今日はちょっと遅かったけど・・)
仕事が忙しい時でもなるべく残業しないようにしていて、ダラダラ遅くまで残る癖がつくと嫌だから、昼飯の時間を削ってでも早く帰る。
本来的には「今日やれることは今日中に終わらせる」のがモットーだけど、今は不本意ながら「明日でもいいものは明日やる」というスタンスで仕事をせざるを得ない。

会社の飲みはなるべく断り、そんな時間があったらプライベートの飲みに充てる(笑)
周囲からは「何だアイツ!」と思われているかもしれないけど、僕はそういうのが気にならない便利な性格。

僕の会社は日系だから、夜に家で勉強している時間、日本の本社は動いている。
だから勉強中にも日本からメールが届いて返信を求められるし電話もするから、夜だからといって必ずしも勉強に集中できる環境ではない。
一方、日中でも仕事に余裕があれば会社で大学のケースを読んだり(ブログを読んだり)してバランスを取っている。

会社から帰ってきてすぐに勉強できるかと言えば、僕は無理。
仕事をしていれば体も頭も疲れるし、仕事が終わってすぐには勉強モードになれない。
だから、帰宅してから少しだけ仮眠を取ることにしている。
時間は15~20分、常に寝不足だからすぐに眠れる。
血圧が低いわりに寝起きは強いから、目覚まし時計が鳴るのと同時に起き上がって行動できる体質は好都合。
体も頭も単純なもんで、20分の睡眠でも奴らは十分な休息を得たと勘違いするらしく、その後の数時間再び働いてくれるし、仕事モードからも脱出できる。
でも、20分以上眠ると逆効果で、起きてから頭が働くまで時間がかかりすぎる。

仮眠の副作用は、勉強の後に眠れなくなること。
勉強中、脳は起きてるから、勉強をやめてもすぐには眠れないことがある。
そんな時は・・・、男は黙って芋焼酎、である。
でも、飲みすぎは禁物。
飲んでから4~5時間後には起きるから、下手をすると飲まされてもいないのに二日酔いになってしまう。。。


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忙しい、っちゃあ忙しいけど、日本にいた時ほど仕事内容が重たくないから、精神的には今の方が楽かもしれない。
これを読むと四六時中勉強してるかのような印象を持つかもしれないけど、全然そんなことはなく、こんなブログを書いていることからも分かる通り、ちゃんと息抜きもしている。
飲みに行ったり、どうしても勉強する気になれない日は、無駄な抵抗はやめて素直に寝る。

一方、仕事が忙しいのに大学があって仕事に集中できないとか、その逆とか、というのはストレスがたまる。
でも、仕事と勉強の完全な両立はありえないと思っているから、どこかで見切りを付ける。
あきらめも必要。

色々な生活パターンを試した結果、今はこれがベストだと思っている。
時間が足りなくて困っている方は、仮眠を有効活用してはどうでしょう?
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by nycyn | 2006-07-20 13:24 | 雑感
アメリカの個人主義
昼間にドラッグストアに行った時、久しぶりに感じの悪い店員を見た。
NYも3年目だから慣れっこになってるけど、渡米直後はかなりムカついたもんだ。
そこで、当時の出来事を回想してみた。

* * * * *

渡米直後にデパートのMacy'sに行った時のこと。
やたら広いのでどこに何があるのか分からず、近くにいる店員に「コーヒー(豆)はどこに売ってる?」と聞いたら、あくびをしながら「知らねー」だって。
知らないなら他の店員に聞くとか、調べるとか、そういうこと出来んのか?
結局、その店員がいた場所のすぐ近くにコーヒーはあったんだけど。

同じくMacy's。
ここでは2年間で5回くらいしか買物したことないけど、そのうち2回、値段を間違えられそうになった。

1回は前述のコーヒーを見つけてレジに行った時、量り売りのコーヒーだったため袋に値段が表示されておらず、どうするのかと思って見ていたら、数秒間袋を見つめた後に12ドルとレジに打ち込んだ。
量り売りのところにいた姉さんは4.5ドルと言っていたのでその旨を伝えたところ、レジの野郎は「何だと!誰が言ったんだ?」とふてぶてしく言った。
僕がその姉さんを呼んできて姉さんからレジ野郎に説明してもらったところ、そいつは謝りもせずムスッとした顔で金額を訂正した。
奴は何を根拠に12ドルと打ち込んだのだろう。

もう1回は寝具を買った時、50ドルの寝具がレジに行くと110ドルに跳ね上がった。
どうやらバーコードが間違っていたらしいんだけど、その時もレジ野郎は無愛想に無言で金額を訂正した。
アタシがバーコードを付けたんじゃないわよ、って言いたいのかい?

2回とも金額を高い方に間違えられたけど、彼らは意図的に高く間違えているわけではなさそうだ。
彼らにとって店の利益・損失はどうでもよく、与えられた仕事を機械的にこなすだけである。
例えば、返品をする時、彼らは品物が買ったときの状態に保たれているかどうかのチェックをせず、どのような状態でも返品を受け付ける。
店にとっての利益など考えた事もないのだろう。
その証拠に、僕の知人は使用後のローラーブレードの返品に成功している。

ガイドブックでは「庶民的で親しみやすい世界一のデパート・メーシーズ♪」みたいに書いてあるけど、僕の印象は「大きいだけが特徴の二流スーパー」。
7月4日の花火(メーシーズ提供)はありがたいけどね。

なお、メーシーズには丁寧に接客してくれる店員もちゃんといる。
個人主義のアメリカ、全てが属人的。

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僕のアパートには駐輪場が無く、自転車は隣の駐車場で保管することになっている。
この駐車場は狭いから地面に自転車を置くスペースが無く、壁から飛び出したフックに自転車の車輪をひっかけて吊るしている。

ある時、自転車を出そうと駐車場に行ったら、僕の自転車がえらい高い位置のフックに勝手に移動されていて、届かなかった。
降ろしてくれるよう係員に頼んだところ、その係員はそばに駐車してある新しい綺麗なBMWの屋根に土足で上がり、自転車をユサユサゆすって強引に降ろそうとした。
壁と自転車がこすれてモルタル壁の破片がバラバラと落下し、濃紺のBMWが「ごま塩」のようになり、その上を係員が土足で行ったり来たりして「やすりがけ」をしてる。
1分ぐらい挑戦して無理だと分かると、係員は「自転車を移動させたのは俺じゃない、マネージャーに相談してくれ」と言って去っていった。
BMWの持ち主からごま塩の文句を言われても、「車を綺麗に保つのは俺の責任じゃない」とか言うんだろう、奴は。

* * * * *

知り合いのアメリカ人にこれらの話をしたところ、「彼らは非常に安い給料で働いているから、自分に与えられた職務以外のことは一切やらない(だから諦めろ)」と言っていた。
「分からないことを客から質問されたら調べたり他の人に聞くように」とか、「自転車の持ち主が自転車が取れなくて困っていたら手伝うように」という内容が彼らの雇用契約の中に明記されていないと、彼らはそういうことはしないんだって。

自分の責任じゃなくても店を代表して顧客対応する、なんて感覚は微塵も無い。
個人主義はリーダーシップ、イニシアチブの発揮という観点から見習うべき点もあるけど、僕は弊害の方が多いと思っている。
多くの日本人だって、「会社のため・店のため」なんて心からは思っていないだろうが、最低限の顧客対応を行うくらいのモラルは持っているだろう。

上記知人もはっきりとは言わないけど、要するに彼らとは「階級」が異なるから同じ目線で物事を考えても無駄だ、ということらしい。

もちろん、愛想の良い店員だって沢山いるけど、悪態をつく輩の割合が日本とは比較にならないくらい高い。
ブランドショップや高級レストラン等、それなりのお金を払う店に行けば、それなりの対応はしてくれる。
結局はお金ですかねえ。

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今日行ったドラッグストアでは、僕が会計をしようとレジに行くと、レジの店員は僕の存在に気付いているくせに隣の店員との会話をやめず、会話が終わったと思ったら目を閉じてリップクリームを塗り、僕が買った商品を汚いものでも触るかのように袋に投げ込み、面倒くさそうにため息をつきながら会計を処理した。

この手の対応には免疫が出来てるから、別に腹も立たないし、人間観察を楽しんでいる。
今では、店員があくびをしながらお釣りの5ドル札を投げて返してきても、笑顔でサンキューと言えるようになった。

くどいけど、こうした店員は少数派だ。
ただ、彼らが周囲から非難されることなく、のさばっていける環境がここにはある。
自由、個人主義、という名の甘やかし。

僕もアメリカの個人主義を少しは理解できるようになったのかな。
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by nycyn | 2006-07-14 09:05 | 雑感