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2007年 07月 20日 ( 1 )
戦争の副産物

今日のウォールストリートジャーナルに気になる記事があった。
要約すると以下の通り(記事全文は最後)。

マイさんという女性はベトナム戦争中、アメリカ軍の攻撃から逃げるためにジャングルの中にある北ベトナム軍の医療施設で働いていたが、その後彼女はマラリアに感染してしまう。
彼女は戦況から逃れるために毎日数時間歩いて北部へ逃げるが、道中で多くのベトナム人が無残に殺されるのを目の当たりにした。
戦後、彼女は旧東ドイツへ渡り、電子工学を学んだ後に帰国。
家電会社で彼女は急速に昇進していき、現在では同社の会長兼CEOを務め、家電だけではなく建設・不動産まで事業を拡大している。
ビジネス雑誌で彼女はベトナム第九位の富豪にランクされ、資産は約66億円だと言われている。
先月彼女はベトナム大統領と共に非公式の大使としてホワイトハウスを訪問した。

記事はベトナム版サクセスストーリーであり、メインテーマは女性が活躍できる文化がベトナムにはある、ということだった。
ベトナムでの女性社長比率は日本はもちろんのこと、アメリカと比較してもずば抜けて高い。
これは、ベトナム戦争で多くの男性が死亡してしまい、女性を活用せざるを得なかったことが背景にある。

更に、記事の中で以下の内容が印象に残った。

彼女はアメリカ人と仕事をするにあたり、過去に対するわだかまりは持っていない。
そんな彼女は言う。
「ベトナム戦争をしなければならなかった理由は未だに理解できないけど、現在、アメリカとベトナムの双方にとって有益なビジネスの機会があるのは確かだ。」

以前、アメリカ人のクラスメートと話していた時、同じような事を言ったことがある。
日本は第二次世界大戦で多くのものを失い数々の悲劇を味わったけど、経済的な側面から見れば、あの敗戦なくして今の日本はあり得ないと思う。
もちろん、敗戦という苦い経験をせずに今の日本を築ければ良かったと思うけど、それは不可能だっただろう。
歪んだシステムや価値観などは戦争のような大きな外圧がかからないと変わらないことが多いと思う。
だからと言うわけじゃないけど、多くの日本人はアメリカ人のことを恨んだりはしていない。

戦争で親族を失った方が聞いたら怒るだろうし、戦争を経験していないから言えるんだろうけど、あながち間違った解釈ではないと思っている。

クラスメートとの会話では敢えて言わなかったけど、アメリカが抱える貧富の差や未だに残る人種差別などの問題も、もしアメリカが過去に一度でも戦争で負けていたら緩和されていたのかもしれない。
また、冷戦構造が無くなった今、資本主義の独走を止める手段も同時に失った、という論調も複数のメディアで目にしたことがある。
以前に宗教の話のところでも書いたけど、独走(独裁)を止めるためには反対勢力(野党)が必要である。


最近、ロシアと英国の間でお互いの外交官を追放し合い、緊張感が高まってきている。
アメリカとロシアの関係も悪化する一方だ。
もちろん戦争に発展して欲しいなどとは微塵も思わないけど、適度な緊張感が独走の抑止力として上手く作用してくれないかと思うのは僕だけだろうか。


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WSJの記事
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by nycyn | 2007-07-20 13:02 | 雑感