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ニューヨークの生活、MBA、仕事・・・
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LASIK

日本帰国中にLASIK(視力回復のためのレーザー手術)を受けてきた。
以下、LASIK体験記です。


1.背景
子供の頃から目が悪く、中学で初メガネ、高校からハードコンタクトレンズを使い続けてきた。(ソフトレンズは目に合わなかった。)
裸眼視力は0.05で、裸眼での生活は不可能。
コンタクトとメガネを併用すれば普通に生活は出来るんだけど、コンタクトとの相性は決して良くはなく、朝からコンタクトをしていると夕方には目の乾きとともに充血がひどくなり、夜になると明らかに仕事の能率は落ちてしまう。
また、仕事の後に飲みに行くと目の乾きは更にひどくなり、かなり頻繁に目薬をさしていないと目を開けているのが辛い時もある。

じゃあメガネで生活すればいいじゃん、と思うんだけど、慣れていないせいもあってメガネを一日中かけているとコンタクトとは別の疲れに悩まされる。
LASIKに備える意味もあって4月は1ヵ月間メガネで過ごしたんだけど、疲れに加えて視界が狭くなるのも嫌で、メガネよりはコンタクトの方がまだマシだな、と思った。

ということで、僕のような人こそLASIKを受けるべきじゃないか、と思い1年くらい前からLASIKに強い興味を抱くようになり、暇を見つけてちょくちょく調べたりしていた。
なお、僕は入院や手術の経験が無く、LASIKが人生初の手術だった。


2.リスク
巷でよく言われているLASIKのリスクについては不安が無いわけじゃなかったし、今でもその不安は残っている。

(1)失敗したらどうするの?
もちろん失敗の可能性はあるけど、それは理想の視力が得られなかったり乱視が発生するといったものであって、僕が調べた限りでは失明のリスクは限りなくゼロに近い。
もちろん手術に失敗されるのは嫌だけど、コンタクト&メガネの生活に不満がある現状を考慮すれば、その高い成功率とLASIKで得られるであろう快適な生活(期待リターン)と比較して、低い失敗率と想定される失敗の内容は「取るに値するリスク」だと思った。
逆に、コンタクトとメガネの生活で特に困っていない人にとっては、このリスク・リターンの関係は違ったものになると思う。

(2)LASIK開発から数十年、将来の後遺症の可能性は?
今でもこの不安はあるけど、これを心配しだすと何も出来ないことになってしまう。
例えばコンタクトレンズだって安全性が完全に証明されているわけではない。
ソフトレンズやその洗浄保存液を巡るトラブルは既に発生しているし、ハードレンズだって瞳への酸素供給量を減らすうえに角膜を変形させているわけだから、因果関係が証明されていないだけで何か深刻な問題を引き起こしている可能性だって否定できない。
殆どの医学は経験に基づく「推測」の域を出ないわけで、今は安全だと思われていることが明日には「甚大な健康被害をもたらす」と言われだす可能性もあるわけだ(後者も推測だけど)。
こういう考え方に基づいて想定されるLASIK後の後遺症や経過を調べてみたけど、LASIK後に視力が元に戻ったらまたコンタクトかメガネにすればいいし、老眼が早まったとしてもLASIK前のド近眼に比べればマシだし、失明したら困るけどこれは上記の通り言い出すときりが無い。
だから、この不安についても前述の通り「取るに値するリスク」だと思った。


3.手術
僕が手術を受けたのはこちらの病院
色々なところで紹介されており、評判が良好で症例数が多かったのが理由。

(1)適応検査
会場はきれいで広く、同時に15人くらい視力検査が出来るくらいの設備が整っていて、僕が行った日は平日にもかかわらず待合室には30人以上いた。

実はNYでも適応検査を受けたことがあって、その時は「LASIK不可」との診断を受けていたんだけど、今回日本で検査した結果はOKだった。
NYで不可とされた理由は「角膜の厚さが足りない」とのことで、その後角膜の厚さとLASIKの関係についてはかなり調べていたので、日本でOKとなった理由について医者がうんざりするほど質問したけど、納得が得られる答えが返ってきたので手術を受けることにした。
また、NYの時の4倍くらいの時間をかけてかなり緻密に検査をしていたのも決断した理由の一つだった。

これを見て「単に手術させたいからOK出したんじゃないの」と思う人もいるだろうし、僕もそう思ったけど、この病院は手術の価格設定が低いかわりに多くの手術をこなして利益を確保するビジネスモデルになっており、仮に手術で失敗して評判を落とすようなことがあれば生命線である患者の数に悪影響があるだろうし、またこの病院はLASIK専門と言ってもいいくらいLASIKがコアビジネスになっていてLASIKビジネスが傾くと病院全体が傾くはずなので、安易に手術をOKしているわけじゃないのでは、という結論に達した。

なお、検査全体に要した時間は約2時間。

(2)手術
日本滞在は一週間と短かったので、検査の翌日に手術。
手術会場は検査会場とは別のビルにあり、こちらもかなり広く、僕が行った時はまたしても30人くらいが待合室にいて、この日だけで50人くらいは手術を受けたのではないかと思うほどだった。
その場にいたのは20代前半くらいの若い人が多く、視力が安定しないそんな歳で手術して大丈夫なのか、と思ったりもした。

手術は2つのステップがあり、角膜の表面を薄く切ってフラップ(ふた)を作った後、フラップを開いてレーザーを照射しフラップを閉じる、という流れになっている。

点眼麻酔をした後、ベッドに横になって機械の下に入り、上下のまぶたを固定してレーザーでフラップを作る。(数年前までは金属の刃で切っていたらしい・・・)
うぃーんと機械が目に近づいてきた後、目を上から軽く押されているような圧迫感があり、数秒間だけ片目が全く見えなく(真っ暗に)なる。(分かってはいても少し不安になる。)
チクリとした刺激はあるけど痛いほどではなく、見えなくなった目もすぐに見えるようになり、もう一方の目にも同じことをやる。
この間約3分。
この後、レーザーを照射するために隣の部屋に移動。
ベッドごと移動するのかと思いきや普通に歩いて移動しろとのことで起き上がって歩くんだけど、視界が白くもやがかかったような感じになっていて歩きにくい。

レーザー照射用の手術室に入り、また同じようにベッドに横になる。
今度は別の機械が目の上にやってきて、まぶたの上下を固定し、機械の真ん中の緑のランプを見つめているように言われる。
ここで目を逸らしたりくしゃみをしたらどうなるんだろう、などという雑念が浮かんでくると同時に部屋が暗くなって手術開始。
言われた通りに緑のランプを見つめていると、フラップをめくるような動作とともに緑色のランプが歪んで見えるようになり、レーザー照射開始と同時に焦げ臭いにおいがしてくる。
おお゙ー、我が身が焼かれてるー、なんて思っている間に終了してもう一方の目へ。
レーザー照射時間は片目15秒くらい、全ての工程を合計しても約3分。
因みに、レーザー照射前はぼやけて見えていた緑のランプが、レーザー照射後にフラップを元に戻すと既にくっきりと見えていた。
気持ち悪っ、と思いつつも、LASIKの威力を早くも実感。

レーザー照射後は20分ほど休むように言われ、その後簡単な検査。
待っている間に術後の検査を行っている医者の声が聞こえてくるんだけど、全ての患者に対して「上手く行きました、綺麗に仕上がっています」と言っていたので調子のいい医者だと思っていたら、その後ある患者に対して「左のフラップが安定していませんね」とズバッと言っていた。
僕は大丈夫かな、と思って恐る恐る検査を受けてみたら、問題なしとのこと。
良かった良かった。
病院に着いてから出てくるまで、薬の説明や術後の休憩を含めて2時間弱。

なお、手術当日はタバコを吸うなと言われていたけど、多少なりともストレスを感じる手術の後だったので、建物を出た瞬間に1本吸ってやった。(←止めた方が良いと思います。)


4.術後の経過
手術直後の段階で視力はかなり回復していて、メガネをかけたのと同じくらい見えていた。
ただし、視界全体に白くもやがかかって見えるのに加えて目が乾きやすく、暗いところから急に明るいところに出た時のような、目を開けにくい状態が数時間続いた。
手術後6時間くらいからこれらの症状も和らいできて、10時間後にはメガネの時よりも遠くまで見えるようになった。
なお、多くの人はヒリヒリするような痛みを感じるらしいけど、痛みは全く無かった。

翌日起きてみると、引き続き遠くは良く見えているんだけど近くの物が見づらく、全ての物が少しだけ二重に見えるような感じがした。
お昼に翌日検診を受けたところ、朝は二重に見えていたのもこの時点ではほぼ解消しており、視力は両目とも1.5。
視力回復に伴って目の筋肉の使い方が違ってくるので、最初は物が二重に見えたりするのは当然、とのこと。
ただ、「左目のフラップに少し炎症がある」とのことで、炎症予防の目薬を多めにさすように言われた。

なお、手術後一週間は酒を飲んではいけないんだけど、折角の日本滞在中に禁酒なんてあり得ないので、手術翌日から三日連続で飲み会の予定を入れていた。(←止めた方が良いと思います。)
でも、医者から「炎症がある」と言われたことでヒヨってしまい、さすがにこの日はジョッキ1杯だけにして後はウーロン茶を飲んでいた。

手術から二日目、引き続き朝に近くのものが見づらい状況に変わりはなく、お昼頃には普通に見えるようになった。
この日の飲み会も酒量は控えようと思ったけど、ビール数杯と日本酒を飲んでしまった。

手術から三日目、前日と殆ど同じ状態。
飲酒の悪影響が感じられないことから、この日は夜中の2時まで普通に飲んでしまった。

手術から四日目、翌日NYに戻ることから少々早いけど一週間検診。
視力は両目とも1.2で、視力が安定するまでにはもう少し時間がかかるらしい。
翌日検診で炎症があると言われていた部分について、実はフラップの下にホコリか何かが入り込んでいて、それが炎症を引き起こしている、とのこと。
医者の説明によると、これ自体はたいした問題ではないが稀に視力に悪影響を及ぼす可能性があるらしく、左のフラップを一度開いて中を洗浄する処置を受けることにした。(約15分)

ここで問題が発生。
フラップを開いたということは手術後と同じ状態にあるので翌日検診を受けなければならないけど、翌日の飛行機でNYに戻ると翌日検診は受けられない。
でも、LASIK手術後に最も注意すべき事は手術当日にフラップがめくれたりしわが出来たりすることなので、翌日検診を受けずに数日間過ごすのはリスキーとのことで、日本滞在を一日延期して翌日検診を受けることにした。
で、その翌日検診では院長自ら目の状態をチェックしていたので何か問題があったのではとヒヤヒヤしたけど、全く問題ないとのこと。
ということで翌日、無事NYに戻ることができた。

手術から2週間弱経った現在、まだ視力が安定しておらず時間帯によって見え方が違うような気がするけど、メガネの時よりは明らかに遠くまで、コンタクトをしていた時と同じかもっと遠くまで見えている。
例えば、テレビを見ていると以前は見えにくかった細かい文字もクリアに見えるし、窓からの景色も以前よりくっきり見える。
一方、0.05から1.2~1.5まで劇的に視力が変化したので目の筋肉の使い方が違うらしく、大学で長時間授業を受けていると目が疲れるし、時々近くのものが見えにくくなったり物が少しぶれて見えることがある。
あと、暗い所では明るい時ほど視力が出ておらず、街灯等の光がにじんで見えるのと、コントラストが低下?(編みかけの中の文字が読みにくい等)した気がする。

なお、手術後は多くの人が上記症状を経験しているらしく、最終的に視力が安定するまでには数ヵ月かかると言われているので楽観視している。
現状でも読書やパソコンを使っている限りにおいては全く不自由は無いし、人によっては上記のような状態で「術後は完璧」と言ったりするだろうから、あくまで主観的な感想だと思っていただければ。


5.病院
お世話になった病院は症例数が多いだけあって全てのプロセスが合理的で無駄が少なく、とても感心してしまった。
適応検査や手術前検診などでは4~5人単位で説明・検査が行われ、バッチ処理のオペレーションを見ているようだった。
また、看護婦の数がかなり多くて若かったんだけど、全てのプロセスをマニュアル化して経験の少ない看護婦でも対応可能にし、判断が必要となるようなプロセスは医者が担っているので、こうすることで人件費を低く抑えることが出来ているのかな、と思った。
こうした効率的なオペレーションにより長い時間待たされることも無く、態度の悪い医者・看護婦へのストレスも皆無で、気持ちよく手術を受けることが出来た。

手術に関する技術は良く分からないけど、フラップを作ったりレーザーを照射したりするのは機械なので、同じ機械を導入している病院なら同じような仕上がりになるのでは、と思った。
もちろん、症例数が多いので機械の扱いに慣れているということはあると思うけど。

なお、この病院にして良かったと思ったのは、フラップ作成やレーザー照射以外の部分での対応が非常に良かったこと。
海外在住者が一週間の日本滞在中に手術を受けるというイレギュラーな対応を嫌がりもせず受け入れてくれ、細かく分類されたオペレーションにおける各担当者(視力検査をするだけの看護婦を含む)がカルテを全部読んで僕の状況を理解しているし、フラップを再度開くという突発的な処置も翌日NYに戻るという僕の都合を最優先してくれるなど、日本で手術をして本当に良かったと思った。(アメリカでLASIKをやろうとは絶対に思わない。)

人によって受け止め方は異なるし他の病院との比較は出来ないけど、僕は前述の通り大いに満足しているし、他の人にもお勧めできる病院だと思う。


* * * * * * *

まだ手術から二週間しか経っていないから判断するには早いかもしれないけど、今のところ結果には満足している。
夜中まで飲んでも目が乾いて辛いということは無いしw。

前述の通りリスクはあると思うけど、目が理由で仕事や勉強への集中力が欠ける状況から抜け出したかった僕にとっては、将来いつ起こるか、或いは起こるかどうかさえ分からないリスクを心配して今の時間を犠牲にするよりも、この先10年でもいいから快適に過ごしたい、という思いの方が強かった。
そういう意味では留学前にやった方が良かったのかもしれないけど、その時点では上記のリスク等に関する気持ちの整理が出来ていなかったので、たぶん今回のタイミングが自分にとってベストだったんだと思っている。
これで仕事や勉強の生産性が上がったりもっとがんばれるようになるのだろうか…今のところまだ実感はないけど、視力が安定すれば好影響が出るものと期待している。

今回の帰国中に会った友人知人のうち、僕の術後経過を見て自分もLASIKを受けるかどうかを判断したいという人が10人くらいいたので、かなり多くの人がLASIKに興味を持っているんだと思う。
これをご覧の皆さまも、ご自身で納得がいくまで調べた上でご検討ください。
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by nycyn | 2007-05-22 10:10 | その他