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ニューヨークの生活、MBA、仕事・・・
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雑用

f0081958_10235286.jpg今学期受講しているPower and Influence in Organizationsという組織内政治みたいな事を学ぶ授業で読まされる本"Managing with Power"について。
めんどくせーなと思いつつ読んでみると、意外と面白い。

その中で特に共感したのはRobert Mosesという人の話。
彼は公務員として公園を管理する仕事を始めるが、徐々に力を付けていって最後はニューヨーク州のインフラ建設のほぼ全てに影響力を行使しうる存在となった。
国連本部、リンカーンセンター、ミッドタウントンネル、コニーアイランドを始め、数多くの公共施設、橋、トンネル、道路、公園が彼の主導で建設された。


彼は人々がやりたがらない、つまらない仕事を進んで引き受けた。
個々の仕事は取るに足らない雑用かもしれないが、数多くこなすことで彼はそれぞれの仕事に付随する法務・会計・金融に関する知識を付けていった。
やがて彼はこれらの分野で誰よりも詳しくなり、社外とのコンタクトも増え、多くの仕事が彼を経由しないと進まなくなった。
すると彼に多くの情報と予算が集まるようになり、彼はインフラ建設において絶対的な権限を手に入れた。

通常、組織内で権限を手に入れるためには、誰かの仕事を引き継ぐか、誰かから権限を奪うのが一般的、つまり、既存の権限を誰が握るかという議論が中心で、それが出来ない場合は新たな権限を創り出す必要がある。
企業内の各組織が予算アップや人員増を求めるのは、「新たな権限を創り出したい」という理由によるのである。
しかし、彼のすごいところは、こつこつと知識と経験を積んでいくことで、誰にも頼らず独力で何も無い所から権限を創り出したことである。


この話と全く同じじゃないけど、「つまらない仕事を進んで引き受けた」という部分について、つまらない仕事をきちんと処理していくことが企業ではとても重要だとずっと思ってきた。
つまらない仕事だと手を抜く人や、そもそもそんな仕事を引き受けたがらない人もいるけど、社内でそういう若手を見ると「もったいないなー」と思ってしまう。

彼らにしてみれば「もっとやりがいのある仕事を任せてくれれば頑張れるのに、実力を発揮できるのに」と思うかもしれないけど、そういう事は既に実績があって周囲に認められている人が考える事。
例えば僕が部下に仕事を任せるとしたら、メールなど簡単な文章をきちんと書けない奴にフォーマルな文書作成を伴う仕事は任せたくないし、ひたすら数字を打ち込むような仕事を根気良く出来ない奴に長期の案件は担当させたくないし、飲み会の幹事すらきちんと出来ない奴に人々をまとめるような仕事は任せたくないと思ってしまう。

自分の事を棚に上げて言えば、若い人を見て特に思うのは、自分と相手の立場・情報量が違う事を考慮せず、自分にしか分からない文章を書く人が増えてきていること。
また、誤字脱字も多く、中には「オレは中身で勝負するから多少の誤字脱字があっても気にしないぜ」的なスタンスの人もいるけど、僕は誤字を見つけると中身についても細心の注意を払って書いていないと判断してしまうので、結局そいつが作った文章は隅々までチェックせざるを得なくなる。
もちろん、仕事の軽重に応じて誤字に対する神経の使い方は変えるべきなんだけど、周囲から認められるまでは全ての文章を全力で作成すべきだろう。

これは新人に限らず、異動・転職してきた人にとっても同じことだと思う。
いくら輝かしい学歴や資格を持っていても、直接仕事ぶりを見た事が無く誰なんだかも良く分からないような奴に重要な仕事を任せるわけもなく、逆に雑用を任せることでその人の能力・特性をチェックしているのである。

これは日本の金融機関特有の考え方だと思っていたけど、外資系投資銀行で何年もバリバリ働いた友人も似たような事を言っていたので、たぶんアメリカ(の金融機関)でも同じなんだろう。
むしろ、アメリカでは日本よりも各人のバックグラウンドが多様だから、なおさらとのこと。

・・・はい、偉そうな事を書いていないで、僕も雑用を全力でこなします。


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by nycyn | 2007-04-25 10:56 | MBA