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インド

この週末は風邪でダウンしていたので、時間つぶしに日系ビデオ屋で借りたビデオを見たりしていた。
その中に、1月末にNHKで放送された「インドの衝撃」というのがあった。

インドの経済成長については今に始まったことじゃないし、メディアでの紹介や本も沢山出ているけど、映像で見ると改めて「すげーなー」と思ってしまう。
やはりドキュメンタリーを作らせたら民法よりNHKの方が上手かも。

この番組は①頭脳パワー、②消費、③政治、の3回に分けられていて、僕は①と②しか見なかったけど、十分に楽しむことが出来た。

①の頭脳パワーではインドの教育方針を紹介。
例えば、小学校では九九のような暗記に加えて徹底的な暗算の訓練をしたり、「333×333」と「33333×33333」の二つの式から得られる答えに一定の法則があることを教えた後、他の計算式にも何か法則がないかを生徒自身に考えさせたりする、といったような、暗記だけではない独創性を伸ばす教育をしているのが印象的だった。

また、インド最難関のインド工科大学(IIT)についても詳しく紹介。
頭脳大国を目指す政府の援助を受けているため、学費は年間7万円と格安。
ここでも生徒に徹底的に考えさせる訓練をし、何も無いところから新しいモノを作り出す独創性を伸ばす教育をしているそうだ。
紹介されていた現役学生は、授業以外の時間に10時間勉強をしているとのこと。
月に何回大学に行ったかな、と考えたりしていた僕の大学時代とは大違いだ。

このIITの合格率は60倍と世界で最も競争率が高い大学らしい。
IITを卒業すれば世界中のTech系企業や金融機関から採用の声がかかり、初任給は1千万円にも上るため、IITの人気は増すばかり。

番組で紹介されていた受験生は貧しい農村の出身で、一家の現金収入は5万円、IITの受験費用3千円は何とか用意して学費は学生ローンを利用する予定。
彼の家族が属するのは500人程度の小さな農村で、小学校しかなく中学校以上は無いため、彼は毎日2時間かけて隣の村の中学校まで通っていた。
だから、彼はIITに合格・卒業して十分な収入が得られたら、村に中学校を建てるつもりらしい。
彼は家族だけではなく村全体の期待を背負って受験しているため、ものすごいプレッシャーと戦いながらひたすら勉強に明け暮れる毎日を送っている。

こうした教育を受けて育ったインド人ビジネスマンは世界各国で活躍し、NASAやMicrosoftなどもインド人の頭脳なくしては事業が成り立たないところまで来ているらしい。


②の消費については①ほど面白くは無かったけど、インド人の嗜好が変わってきていることを紹介していた。
経済成長に伴ってゆとりのある家庭が増加し、大型ショッピングモールの建設が相次いでいるとのこと。
町の貧しい市場は肉や魚にハエがたかり売り物の上を猫が歩くような衛生状態だが、豊かになったインド人は先進国のような清潔な商品を求めるようになった。
また、以前はふくよかな女性が好まれる傾向にあったが、最近では細身の女性に人気が集まるようになり、ダイエットに関する広告も見られるようになってきた。
これに対して、「モノは無くても心は豊か」であることの重要性を説いた建国の父ガンジーの言葉を引用し、最近の急速な欧米化に対して懸念の声を上げる人達もいるらしい。
これは、どの国も先進国になる過程で経験することだろう。


ここまで見ると、多くの人が「貧富の差が激しくなって社会問題を引き起こすのでは」と思うだろうが、実際はどうなんだろう。
例えば、十数年前までは共産党指導の下で(形式的には)格差の少なかった中国が市場経済に移行して以来、格差問題が深刻さを増し、電力不足問題や公害、共産党の指導力低下などと併せて「危なっかしさ」を感じさせるのに対し、インドにはあまりそうした雰囲気を感じない気がする。
インドはカースト制度の下で昔から格差が存在していたので、経済発展に伴って格差が拡大しても、ある意味で「格差慣れ」しているのではないか、とも思ったりする。
まあ、そんなにインドについて詳しく知っているわけじゃないので実態は良く分からないが、インドが世界経済の中で存在感を増していくことは間違いないだろう。


インド人は僕が通う大学にも沢山いるんだけど、分かりやすい特徴は良くしゃべること。
先週の金曜日に1時間空き時間があったので、使っていない教室で次の授業の予習をしていたら、その間じゅうずーっとインド人はしゃべり続けていた。(誰も聞いていなかったけど)
番組の中である企業の新人研修の模様を映していたんだけど、教官みたいな人が「我々インド人は会話の中に少しでも沈黙があると何かしゃべろうとするけど、営業でこれをやってはいけません。お客はその間に色々と考え事をしているので、その時間を奪ってはいけません。お客が声に出さない心の声に耳を傾けることが成功の秘訣です。」と教えていたのが印象的だった。
インド人、やはりそうなのか。

また、インド人といえばITに強い。
番組でも幼い頃からパソコンスキルを向上させるプログラムを導入し、IITを始めとする大学で数学・化学・物理のスペシャリストとなったインド人の頭脳がソフトウェアの世界を中心に活躍しているとのこと。
僕なんか初めてキーボードに触ったのが入社してからだから、彼らにその分野で叶うわけないんだよな。


そんな「インドすげー」感につつまれた後に日本のニュースを見たら、こんなのがあった。
先生、パソコンできますか・文科省が自己評価表作成
文部科学省は19日までに、小中高校の教員が授業でパソコンやインターネットなどが活用できているかどうかを、自己評価するチェックリストを作成した。
パソコンやインターネットを使い、分かりやすい授業をするため、教員が必要とされる指導力の基準を定めたもの。
評価は「わりにできる」「ややできる」「あまりできない」「ほとんどできない」の4段階で行う。
(中略)
小学校版と中学・高校版の2種類があり、「児童がワープロソフトで文章にまとめることを指導する」「生徒がネット犯罪の危険性を理解するよう指導する」など、各18項目で構成。

「わりに」って何だよ、「わりに」って。(しかも最上級)
パソコンがあまり出来ないことを前提にやっていないか、これ。
1世紀たっても日本はIT分野でインドには勝てないだろうな。。。


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by nycyn | 2007-02-20 14:10 | 雑感