NewYorkScenery
nycyn.exblog.jp

ニューヨークの生活、MBA、仕事・・・
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
2学期振り返り
先月終わった2学期について、今さらながら振り返りを・・・

f0081958_015457.jpg


全体的な印象は、とにかく作業量が多くてしんどかった。
1学期は何とか形を保っていたスタディグループが殆ど機能しなくなり、ファイナンス系を中心に宿題は一人でやるのが普通になってしまった。
本来はグループでの議論を通じて覚えることも多いんだろうけど、そういう運命だったと思って諦めることにした。

一方、仕事と勉強の両立にも慣れてきて、それぞれを個々に捉えればどっちも中途半端な感は否めないけど、バランスの観点からは上手く出来た気がする。
気負って全てを全力でやろうとして出来なかった1学期に比べ、2学期はリラックスして(要は手を抜いて)やろうと最初から思っていたから、そういう点でのストレスは感じなかった。
この1学期と2学期のスタンスの違いが学びにどう影響するのか分からないけど、大差なかったんじゃないかと今は思っている。

以下は以前に書いたことと重複する部分もあるけど、科目毎に振り返ってみよう。


Decision Models
体臭のキツイ教授、という印象しか残っていない。
フルタイムだと細かい部分も含めて分析ツール(クリスタルボール)の使い方を覚えるんだろうけど、「こんなものも世の中にはあります」ということをやっただけ、という感じがする。
でも、最初からこの授業は重視していなかったから、僕にとっては都合が良かった。
まあ、ハーフクレジット(学期の半分だけ)の授業だから、こんなものなのかもしれない。


Managerial Accounting
1学期に受講した会計の続きだったから「上級」なものを期待していたんだけど、全くの期待はずれ。
一応、財務諸表の分析的なことをやるんだけど、Static BudgetとかFlexible Budgetとかいう言葉の定義ばかり出てきて、全く実践的じゃない。
同じクラスのCPAに聞いてみたけど、彼も仕事でこんなことをやったことはないと言っていた。
これもハーフクレジットだから、仕方ないのかな。


Corporate Finance
今学期の中では一番良かったかも。
既に知っていることも多かったけど、実際に企業価値とか計算した経験は無かったから、それなりに面白かった。
実際のビジネスではこんなに簡単にいかないことは分かっているけど、基本的な概念を知っておくことは大事だと思う。
ただ、何度か書いたけど、教授のいいかげんな締切管理や信用できないシラバスに振り回された授業でもあった。


Operations Management
細かい計算を重ねて生産工程の最適化をしたりして、結構面白かった。
処理能力が低い工程(ボトルネック)を増強するとボトルネックが別の工程に移動し、新しいボトルネック対策を行うと特定の材料の投入が間に合わなくなり・・・、とキリが無く、また予算の制約もあるから、実際に企業でオペレーションをやっている人の苦労が理解できた。
需要の予測といった不確定要素の置き方次第で結果はどうにでもなり得るんでしょ、という冷めた目で見てしまう自分がいたのも事実だけど、そんなことを言っていたら何も決められないんだよね。
だから、予測と現実にブレが発生することを前提にオペレーションを構築してとりあえず走らせ、その後も随時発生するブレに対応していくという、終わりの無い戦いなんだということが分かった。
敢えて選択科目でオペレーションを選ぼうとは思わないけど、もう少し負荷の軽い学期に時間をかけて取り組んでみたいとも思った。


Marketing Strategy
SamsungRedBull などのケースを読むのは面白かったけど、授業の内容については好きになれなかった。
顧客や市場の分析などあらゆる場面でルール化された定義に現実を当てはめていくんだけど、それは既に結果が分かっている事例を扱っているから出来るだけで、実際のマーケティングに適用できるのか、という疑念が最後まで晴れなかった。
僕はコンサルタントの仕事に対して偏見(コンサル経験がある訳じゃないのであくまで偏見)を持っていて、「自分は企画段階までで、泥臭い実行については責任を持たないからそんなことが言えるんだろう」と思っているんだけど、教授が話す内容に同じ臭いのモノを感じた気がする。(コンサルタントの方、すみません。)
一方、企業が新商品のマーケティングを行う際、担当者は社内(上司・経営陣)・株主・世間に対して販売戦略の説明をしなきゃいけないわけで、様々な要素が絡んできれいに整理できないという状況が現実だったとしても、ルール化された定義に無理やり当てはめて見栄えの良い「作品」としてマーケティングプランを説明すれば「通りが良い」わけで、こういうツールに頼りたくなる気持ちが分からないでもない。
だから、販売量を増やすためのツールではなく、説明責任を果たす(悪く言えば、実を捨てて形式に拘る)ためのツールとして捉えれば学ぶ価値があるかな、と思った。
なお、あくまでこの授業で教わった内容に対する印象が↑なだけで、どの企業でもマーケティングという機能が重要であることは認識している。(念のため)



オペレーションやマーケティングについては全く知識が無かったから、ビジネススクールの主目的であるバランスの取れた学習という意味では重要な学期だった気がする。
今振り返ってみると、「バランスが取れた」と言えるほどオペレーションやマーケティングを理解できたとは思わないけど、どんなに勉強しても実務で使う時にはそれだけじゃ不十分なわけで、これらの分野に身を置かない立場としてはこの位知っておけばとりあえずはいいかな、ということにする。

また、ビジネススクールは「MBAホルダー同士の共通言語」を覚える場所でもあると言う人がいるけど、その意味が分かった学期でもあった。
勉強していることについて同僚や知人と話すとき、MBAホルダーに話す時とそうではない時は、僕は明らかに違う言葉を使っていることに気づいた。
当然、MBAホルダーと話す方が説明しやすいし、相手の理解も早い。
だから、MBAホルダーが集まるアメリカの一部の業界ではMBAは必須であり、MBAは議論をスムーズに進めるための共通言語だということが良く分かった。
僕がそんな業界で働くことはないだろうから、あまり関係ないかもしれないけど・・・


* * * * *

こうして振り返ると、僕はとても冷めた目で授業を見ていることに気づく。

世の中には多くのMBAブログがあり、多分その半分くらいには「目からウロコが落ちた」とか「感動した」といった刺激的な内容ばかりが書かれている。
これって本心なのか、ポジティブな内容を意図的に書いて気分を盛り上げているのか、「そうありたい」と思う願望なのか、或いは自分の理想とするイメージに読者を誘導したいのか・・・
多くのアメリカ人は「いかに充実した生活を送っているか」をアピールするのが好きらしいから、最後の「読者を誘導」という視点で書いているのだとすると、アメリカナイズされたということなのかもしれない。
多少の誇張は僕を含めたほぼ全てのブロガーがやっていることだろうけど、そんなにポジティブなことばかりじゃないだろー、と思ってしまう。

MBAホルダーである上司が言っていたけど、特に田舎のビジネススクールに行くと、すごく狭い世界で似たような価値観の人たちだけで過ごすから、同級生の影響を受けやすいらしい。
ビジネススクールには世界中から多様な人たちが集まってくるけど、見方を変えれば「MBAを取る」という社会全体の中では少数派になる価値観は共通しているわけで、そういう意味では似た者同士の集まりだと思う。
だから、周りに影響されてポジティブな言葉のみをブログ上で発しているのかな?(朱に交われば赤くなる?)
或いは、そもそもMBAを取ろうと思う人たちの多くは、ポジティブな自分をアピールすべしという価値観を持っているのかな?(類は友を呼ぶ?)

もちろん、僕だって驚きや発見はあるし、勉強になっているんだけど、「目からウロコ」な場面はそんなに頻繁にはないよ。
何でだ?フルタイムじゃないから?フルタイムで勉強できる人に対するひがみ?性格が冷めているから?
理由はよく分からないけど、MBAと仕事に片足ずつ突っ込んでいる僕なりの視点から、今後も「冷めたMBA論」を展開していこうと思う。
[PR]
by nycyn | 2006-09-18 00:36 | MBA